【白い口内炎】種類や原因、治し方まで詳しく解説!

口の中に突然できる口内炎。痛みで食事もいつものように楽しめないなど、できてしまうとやっかいなものですよね。そんな口内炎には、実はいくつかの種類があることをご存じでしょうか?

今回は、口内炎の中でもっともよくできるといわれる、白い色をした口内炎について調べました。できる原因や特徴、治療法などについて紹介します。また、他の病気のサインになっている可能性についてもお伝えします。

この記事の目次

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1.白い口内炎の種類

白い口内炎には主に4つの種類があり、もっとも多くみられるのは「アフタ性口内炎」です。しかし、口内炎の種類によって、それぞれ原因や症状が異なるのです。それぞれの特徴は次の通りです。

 

アフタ性口内炎

口内炎ができたとき、多くの場合が「アフタ性口内炎」です。頬や歯茎、舌などの粘膜部分に発症し、大きさは直径2~10ミリ程度で丸い形をしています。また、できものの中央がクレーターのように少しへこんでいたり、表面が白っぽくなり周囲が赤くなっていたりします。

口内炎を見ると白っぽくなっていることに気づくと思いますが、これは、傷ついた部分がタンパク質の膜で覆われることによって起こるものです。

<症状>
痛みを感じることが多く、食べ物がしみるなどの症状があります。

<原因>
ストレスや栄養不足、睡眠不足などによる免疫力の低下が主な原因です。

<治し方>
1~2週間程度で自然治癒することがほとんどです。できるだけ早く治すには、バランスの取れた食事を心掛けたり、適度な運動や十分な睡眠を確保することが大切です。

 

ウイルス性口内炎

ウイルス性口内炎は、主にウイルス感染によって引き起こされ、ヘルペス性口内炎がその代表例です。口腔内に白い水ぶくれのような発疹が多発し、唇や頬、舌など広範囲に症状が広がることもあります。

<症状>
強い痛みに加えて、発熱や倦怠感を伴うことがあります。

<原因>
ウイルス感染が原因です。人から人だけでなく、モノから人に感染するケースもあります。

<治し方>
ウイルス性口内炎は抗ウイルス薬の使用が効果的なため、早めに医療機関を受診するようにしましょう。また、家庭内での感染を防ぐために、手洗いうがいの徹底のほか、タオルや食器類の共有はせず、清潔な状態を保つように注意してください。

 

カンジダ性口内炎

カンジダ性口内炎は、カンジダ菌が口腔内で過剰に増殖することで発症します。白い苔のようなものが、お口の粘膜上に点状、斑状になって現れ、放置すると全体に広がるようになります。

<症状>
白くなっている部分は、ガーゼなどで拭うと剥がれることがあり、ヒリヒリする痛みがともないます。また、口の中の違和感や舌に痛みを感じることもあります。

<原因>
免疫力の低下や、抗生物質の長期使用が原因となることが多いです。

<治し方>
カンジダ性口内炎は抗真菌薬の使用が効果的なため、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

 

ニコチン性口内炎

ニコチン性口内炎は、喫煙習慣によって口腔内の刺激が原因で発症する口内炎です。ヘビースモーカーの方に多く見られ、タバコの煙が当たりやすい口の天井部分である「口蓋」が白く変色することが特徴です。

<症状>
自覚症状はほとんどありませんが、飲食時にしみることがあります。

<原因>
慢性的な喫煙が原因です。タバコに含まれるニコチンなどの影響を受け、口内炎が発症すると考えられています。

<治し方>
症状を改善させるには、禁煙またはタバコの本数を減らすようにしましょう。また、口腔内の乾燥を防ぐために、こまめな水分補給や、歯磨きやうがいを徹底することも大切です。

2.口内炎の応急処置

口内炎ができて辛い場合には、応急処置を試してみましょう。自宅ですぐにできるものを3つご紹介します。

 

乾燥を防ぎ、口内を清潔に

白い口内炎ができたら、まずは、口内を清潔に保つことから始めます。歯磨きやうがいが有効ですが、歯ブラシに力を入れすぎて患部を傷つけないように気をつけましょう。

また、口内が乾燥することで細菌が繁殖しやすくなります。乾燥を防ぐためには、お茶などでこまめに水分補給をすると良いでしょう。唾液を多く出すためにガムを噛みすぎると顎関節症を誘発することがあり、飴は虫歯の原因になるので避けましょう。

 

食べ物・飲み物に気をつける

口内炎ができてしまったら、熱い、辛い、硬すぎるなどの刺激が強い食べ物や、炭酸飲料などは避けるようにしましょう。
また、栄養も忘れずにとるようにしてください。特に、ビタミンAとB2を多く含む食品を意識的に摂取してください。食事からとるのが難しい場合は、サプリメントで補うなど工夫しましょう。

 

口内炎用の市販薬を使う

薬局やドラッグストアには口内炎用の市販薬が売られており、いくつかタイプがあります。これらを使って、自分で症状を緩和させることも可能です。

軟膏タイプ
綿棒などにつけて患部に塗ります。患部をガーゼなどで軽く拭いて水分を取ってから、綿棒の頭くらいの量をつけて軽くのばしましょう。

パッチ(貼る)タイプ
丸い形をしたパッチを貼って、患部を保護すると同時に、薬剤が浸透していきます。歯や矯正器具などが当たるところに口内炎ができたときはパッチタイプがよいでしょう。

スプレータイプ
患部を指などで直接触ることなく塗布できます。口の奥やのどまで痛みがあるときに使いやすいでしょう。

3.長引く白い口内炎は、他の病気のサイン?

白い口内炎は、別の病気のサインであることもあります。ここでは、口内炎以外で考えられる病気を紹介します。白い口内炎が長引いている場合は、注意が必要です。

 

ベーチェット病

口内炎は別の病気のサインであることもあります。そのひとつがベーチェット病です。ベーチェット病は、消化器や目などの粘膜に炎症を起こす指定難病です。

米粒状の白い口内炎が複数できて、なかなか治らない場合や、繰り返し口内炎ができるような場合は、早めに歯科口腔外科のある歯科医院で診療してもらいましょう。

 

白板症

口内炎と似た症状に見えて、白板症という別の病気である可能性があります。この病気はがんに発展する可能性のある前癌病変という疾患です。舌や頬の内側の粘膜に起こることが多く、痛みを伴わないことも多いです。飲酒や喫煙、合わない入れ歯などが原因として考えられます。

このような症状がみられたら、歯科口腔外科のある歯科医院にかかるようにしましょう。

 

判別が難しいその他の病気

白い口内炎かと思っていたら、他にも口の中全体が白くなるカビが原因であるカンジダ症や、頬の粘膜部分がレース状に白くなる扁平苔癬などの口腔粘膜病変があるので、歯科医院での鑑別診断が必要です。

たかが口内炎…と軽く考えず、長引いているときや、すぐにぶり返してしまうとき、患部が大きくなっているときなど、少しでも気になる症状があるときには、早めに歯科口腔外科のある歯科医院で診療してもらいましょう。

監修医

好岡 夢貴先生

柏 なかよし歯科・口腔外科 院長

経歴

2013年3月 日本歯科大学 卒業
2013年4月 神奈川歯科大学 勤務
2014年3月 神奈川歯科大学 退職
2014年4月 神奈川県横須賀市内の歯科医院 勤務
2014年10月 神奈川県横須賀市内の歯科医院 退職
2014年12月 柏 なかよし歯科・口腔外科 開業
2017年4月 医療法人社団カムイ会 理事就任
2018年10月 医療法人社団カムイ会 理事長就任
現在に至る

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