細菌だらけの歯ブラシ…正しい除菌方法とは?除菌グッズも紹介

毎日食べたり飲んだりするお口の中には、常時300~500種類もの細菌がいると言われています。そのお口の中を磨く歯ブラシがきれいなわけがありません。お口の中に入れる歯ブラシも、少しでも清潔に保ちたいものですよね。

この記事では、歯ブラシの除菌について解説します。正しい歯ブラシの除菌方法を実践すれば、単に気持ち良いばかりでなく、口臭や歯周病の改善も期待できるのです。歯ブラシ除菌グッズを上手に利用しつつ、お口を綺麗に保ちましょう。

この記事の目次

もっと見る

1.歯ブラシのおすすめの除菌方法5選

まず、おすすめの除菌方法を5つご紹介します。手間をかけずにできるものもあるので、ぜひ参考にしてください。

 

①水洗いと乾燥を行う

歯ブラシ除菌の基本は、水洗いと乾燥です。歯を磨いた後は水でサッと流すだけでなく、指でブラシ部分を動かし、食べかすがブラシに残っていないか確認しながら、流水で洗います。水洗いの後は、風通しの良い場所でよく乾燥させましょう。

水をよく切った後に、清潔なタオルで水分を拭き取り、ドライヤーの風を当てると乾きやすいです。ただし、歯ブラシ自体は熱に弱いので、冷風や送風がおすすめです。

 

②太陽の光で天日干し

太陽の光に代表される紫外線には、強力な殺菌作用があります。紫外線はシミや皮膚がんなどの原因になるなど人体にとって悪影響を及ぼすこともある一方で、天日干しをすると表面に付着する微生物が殺菌されるなど、その働きは証明されています。

 

③哺乳瓶消毒液などに浸す

赤ちゃんの哺乳瓶のつけ置き消毒をするために市販されている消毒液。ミルクを飲む赤ちゃんがいるご家庭には馴染みがあるかと思います。うがい薬と同様に、消毒・殺菌作用があります。

詳しい使い方はメーカーの「使用上の注意」を確認してください。基本的にはうがい薬と同様、コップの中に消毒液を垂らし、よく洗った歯ブラシを浸しておきます。

 

④歯ブラシ用の除菌器を使う

お金をかけてもいいから除菌の力をもっと高めたい場合は、歯ブラシ用の除菌器がおすすめです。

歯ブラシ除菌器は、紫外線(UV)を使って除菌する仕組みです。形態はさまざまあり、除菌庫といって1台で数本と家族で利用できるものから、ケース式で1本ずつ入れて使うもの、オフィスでの使用を考えて、USBで可動するものまであります。

 

⑤定期的に歯ブラシを交換する

歯ブラシは、細菌だらけの口の中を磨くというその用途と、細かな毛が密集しているというその造りから、どれほど除菌をしたとしても、菌を取り除くことは不可能といえます。

歯ブラシの交換目安は1カ月といわれていますが、菌のことを考えるならば定期的に歯ブラシを交換してしまうのが一番の方法といえます。

2.やってはいけない歯ブラシの除菌方法4選

歯ブラシは口の中に入れて使うものなので、一般的な除菌方法の中には歯ブラシの除菌には適さないものもあります。

 

①熱湯消毒

”消毒”といえば、まず熱湯や煮沸による消毒を思い浮かべる人も多いでしょう。熱湯消毒であれば、自宅ですぐにできるし、やってしまいがちですが、歯ブラシの除菌方法としてはNGです。

歯ブラシの材質は、プリプロピレンやナイロン、アクリル、飽和ポリエステル樹脂などで、耐熱温度は80℃以下となっているものがほとんどです。そういった歯ブラシを熱湯消毒してしまうと、歯ブラシを傷めてしまいますので、熱湯消毒はしないようにしましょう。

 

②台所用漂白剤の使用

台所用漂白剤も自宅でできる消毒法ですが、専門的な知識がないままに行うのは危険です。台所用漂白剤の成分は、次亜塩素酸ナトリウムで、プールや哺乳瓶の消毒剤として広く用いられています。

しかし、それらは、きちんとした濃度に薄められたものです。そもそも次亜塩素酸ナトリウムは劇薬であり、必要以上に濃い台所用漂白剤で消毒すると、成分が残り体に危険を及ぼします。

 

③アルコール消毒

アルコール消毒もよく知られた消毒方法ですが、歯ブラシの除菌に対しては意味がないと考えられています。アルコールは、70%の濃度があって作用するものです。

消毒用アルコールは70%前後あるものも多いですが、時間が経つと働きは落ちてしまいます。また、アルコールでは影響のない細菌やウイルスも多く、アルコール消毒だけでは歯ブラシの除菌は不十分といえるでしょう。

 

④ケースでの保管

汚れが付かないように、と歯ブラシをケースに入れているのは、除菌という意味では逆効果です。歯ブラシ除菌の基本は、水洗いと乾燥。ケースに入れての保管は、乾燥を妨げてしまいます。

持ち運び用のケース付き歯ブラシに保管する際は、よく洗って乾かしてから保管するようにしましょう。

3.おすすめの歯ブラシ除菌グッズ

おすすめの歯ブラシ除菌グッズをご紹介します。歯ブラシ除菌グッズを上手に活用して、お口を綺麗に保ちましょう。

 

紫外線で歯ブラシを除菌するケース

紫外線で歯ブラシを除菌するケースは、歯ブラシを入れて約5分で、紫外線による除菌をしてくれます。ポータブルから家庭用までさまざまな形状があります。歯ブラシ一本が入り、無駄のないスタイリッシュなデザインが特徴で、ポータブルであれば単4形アルカリ乾電池2本で使用できる商品もあります。

 

USB電源に対応した除菌ケース

USB電源に対応したケースは、オフィスや旅行先でも活用できて便利です。製品によっては乾電池による使用も可能のものがあります。オフィスならパソコンに接続して、旅先なら乾電池で歯ブラシを除菌できるため支持されています。

 

イータック歯ブラシ除菌スプレー

イータック歯ブラシ除菌スプレーは、広島大学大学院医歯薬保健学研究院により開発された防菌成分を使ったスプレーで、研究によって防菌作用が有意に示されました。取り扱いは歯科医院でのみなので、歯科医院に問い合わせてみるとよいでしょう。

4.まとめ

歯ブラシの除菌について紹介してきました。間違ったやり方をしている人も少なくありませんので、今回ご紹介した除菌方法をぜひ参考にしてみてください。

歯ブラシの除菌の基本は、水洗いと乾燥ですが、そこに専用の除菌器や除菌グッズを併用するとより除菌の働きが期待できます。歯ブラシ除菌をすることで、歯茎の腫れや口臭が改善されたという声もあり、口腔衛生のためにもおすすめです。

監修医

貝塚 浩二先生

コージ歯科 院長

経歴

1980年 岐阜歯科大学 卒業
1980年~ (医)友歯会ユー歯科~ 箱根、横浜、青山、身延の診療所 勤務
1985年 コージ歯科 開業
1996年~2002年 日本大学松戸歯学部生化学教室 研究生
歯学博士号 取得
2014年 昭和大学 客員講師
現在に至る

この記事は役にたちましたか?