舌を噛む原因とは?何度も繰り返す理由や対処方法について

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舌 噛む原因

舌や頬を噛む理由はひとつではないことを知っていますか?また、同じ部分ばかり繰り返し噛むことにも要因があるようです。以前と比べて噛むことが増えた、気が付いたら舌に傷がついていたとお困りの方も少なくありません。

この記事では噛む要因や対処法、歯医者さんへ相談した方がよいかどうかなどをまとめています。舌が傷ついて食べるのが辛い…といったお悩みをお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

この記事の目次

1.舌を噛む理由とは?

1-1.舌を噛む理由には複数ある

会話をしているときや食べている最中など、がりっと強く舌を噛むと痛みや出血をともなうため、不快な気分になってしまいます。

要因は複数あると考えられていて、慢性疲労・ストレス・体調不良・寝不足・睡眠時無呼吸症候群・あごのずれ・歯のかみ合わせの問題・肥満による舌の肥大化・口腔内の筋力低下・早食い・ドライマウスなど、多くの例が報告されています。
なかでも、歯並びが悪かったり、歯のかみ合わせがずれていたり、顎関節症である場合は、特に舌や口腔内を巻き込みやすくなります。

舌 噛む原因

1-2.頬を噛む理由とは?

特に頬を噛みやすい、という状態もあります。その要因のひとつとしてストレスが関わっていると考えられています。

疲労やストレスによって口腔内に神経障害が起こり、歯と口の連動がうまくいかなくなることで、結果として頬の内側を噛んだり、噛むことが癖になったりする場合があります。
また、加齢により噛む回数や口を動かすことが少なくなり、口腔内の筋力が低下し、皮膚がたるむことでも頬を噛みやすくなってしまいます。

そのほか、あごのずれ、顎関節症、抜歯や治療による口腔内の変化、などといった要因も挙げられます。

1-3.入れ歯や被せ物が原因となることも

入れ歯や歯の被せ物が要因となっていることも考えられます。

入れ歯を新調した際に、今までの噛み心地と違うために、舌や頬を噛むことがあります。以前には感じられなかった入れ歯のプラスチック部分への違和感や、舌の窮屈さによって、食べ物を口の中でうまく回すことができずに、舌や頬を巻き込むことが多いようです。新しい入れ歯に慣れるには2週間程度かかるといわれていますが、頻繁に噛むようであれば、入れ歯の上下のかみ合わせや、前後左右の動きが円滑かどうか再調整してもらった方がいいと考えられます。
入れ歯を新調したときは、いつも以上に舌や頬を噛みやすい傾向にあるので、食事はゆっくりと時間をかけて行うとよいでしょう。調整の必要がなければ、時間の経過とともに慣れていくはずです。

また、食いしばりや歯ぎしりによって歯が少しずつすり減ることで、かみ合わせが悪くなった状態や、被せ物の高さや形のわずかなずれも、口の内側を噛む要因となります。

1-4.睡眠時に噛んでいる

眠っているときに、舌を噛むこともあります。その理由のひとつが、歯ぎしりであると考えられています。歯ぎしりには、上下の歯を左右にすり合わせるグラインディングと、一箇所を噛みしめるクレンチングがあります。
さらに、力の強さの違いや一時的なものか長時間行われるかなど、一人ひとりタイプが異なります。歯ぎしりや食いしばりは、誰でも大なり小なり無意識に行っているとされています。

ただし、歯ぎしりの頻度や強さ、持続時間の程度で、入れ歯使用者は疼痛や粘膜の血行不良などを起こすことがあります。
さらに歯ぎしりによって歯が磨耗してしまったり、被せ物が取れてしまったり、顎関節症などのあごのずれやかみ合わせの異常を引き起こすといった影響があり、その結果、舌や口の中を噛みやすくなるケースもあるので注意が必要です。

舌 噛む原因

1-5.かみ合わせや歯並びの問題

歯並びは、見た目の美しさのみならず、かみ合わせや噛み癖などにも大きく関係しているといわれています。歯並びがよくない状態だと、噛みやすい方ばかりを使いがちです。すると偏って噛む癖がついてしまい、よく使う方の歯がすり減って、頬の筋肉に異常が起きるケースもみられます。

その結果、舌や口内を噛みやすくなってしまうわけです。偏った噛み癖による痛みが頻繁に出てしまうようならば、歯科矯正でかみ合わせの治療をすることを検討してもいいかもしれません。

さらに頬づえ、うつ伏せ、舌で歯を押し出す、偏った噛み癖など、無意識で行っているささいな癖によって、やがて歯並びが悪くなってかみ合わせがずれることがあります。
このような癖は、態癖と呼ばれ、特に子供の頃の態癖をそのままにしておくと、どんどん歯並びが悪くなり、結果的に舌を噛みやすくなることもあるので注意が必要です。

2.同じ場所を繰り返し噛むのはなぜ?

一度噛んだ場所は、出血したり、傷口ができて粘膜が腫れてしまったりするため、再び噛みやすくなってしまいます。また、傷口を放置しておくと菌が入り込んでさらに大きく腫れてしまい、歯に当たる大きさになることもあります。腫れが引き、傷口が治るまでは、できる限り同じ部分を傷つけないように気をつけましょう。

思いがけない病気を引き起こしてしまう恐れもあり、腫れ上がった粘膜が腫瘍に変化した場合、切開手術が必要になります。舌や口内に傷があるときには、気を配りながら食事を摂るよう心がけるとよいでしょう。

舌 噛む原因

3.舌を噛まない対策方法とは?

3-1.まずは原因を知るのが大切

大切なのは、自分が舌を噛む理由がどこにあるのか、正しく理解することです。理由があっても、自分では気が付いていない人もいるといわれています。

疲れやストレス以外では歯や口腔内に問題があることも多いため、原因が自分ではよくわからないけれど頻繁に舌を噛むといった場合には、歯医者さんや病院を受診し、口腔内のチェックを受けるようにするとよいでしょう。

3-2.原因に合わせた対処方法

原因がわかったら、それに合わせた対処法を試してみてください。

歯ぎしりや食いしばりなどが要因の場合は、歯のかみ合わせのチェックをし調整をすることや、ストレスの発散を心がけるようにするとよいでしょう。無意識下で行っていてなかなかやめられないときには、睡眠時に歯や歯周組織を守るために、マウスピースを着用するという方法もあります。

さらに、一部の歯に力が偏りすぎるのを防ぐために、少しだけ歯を削る治療も行われていますので、歯医者さんに相談することをおすすめします。

入れ歯や被せ物の変化がきっかけになっている場合には、調整が必要なケースもあります。つけた直後にかみ合わせの違和感があっても、時間が経つにつれて馴染んでくることもあるため、歯医者さんと相談しながら慎重に判断することが大切です。

3-3.生活習慣も見直しましょう

舌を噛む要因の一部は、普段の生活習慣を見直すことで軽減させることができます。疲労やストレスの解消方法については、軽い運動や入浴をしてリラックスすることのほか、脳の活性化のために、ガムやスルメなどを噛むことなどが挙げられます。

また、口角を動かして笑顔を作る顔の体操を1日1回取り入れて、表情筋を鍛えることも対策になるといわれています。

舌 噛む原因

 

それでも噛んでしまったら、口内炎を起こさないためにビタミンなどの栄養を摂り、痛みを刺激する食べ物はなるべく避けるようにしましょう。また、雑菌の繁殖を防ぐために、口腔内をいつも以上に清潔に保つことも大切です。うがいや歯磨きをしっかりとするよう心がけましょう。

そして十分な睡眠をとることで、回復力を高めて、早く傷が治せるように意識して生活するようにしましょう。

4.まとめ

舌や頬を噛む理由はさまざまですが、原因に気が付いていない方も少なくありません。一度噛むと腫れて口に当たりやすくなり、さらに噛みやすくなってしまいますので、まずはきちんと理由を知り、それに合わせた対策をすることが重要です。

繰り返し同じ箇所ばかり噛んでしまう、噛んだ部分が傷となり悪化するといった状態を放置すると、食事や会話に支障をきたす恐れもありますので、自身で判断できないときは歯医者さんに相談してみましょう。

【監修医 松岡 浩司先生のコメント】

コロナの影響でストレス・食べ過ぎによる肥満により口腔内を噛んでしまう方がお見えになると思います。

繰り返し同じところを噛んでいると、思いがけない病気(ガン)を引き起こす事にも繋がりますので、早期対策が望ましいと思います。

 

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監修医

松岡 浩司先生

松岡歯科クリニック 院長

経歴

1986年 日本歯科大学 卒業
1988年 パール歯科医院 勤務
1995年 松岡歯科クリニック 院長就任
現在に至る

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