気づくと口の中にできてしまっている、痛い痛い口内炎。口の中の色々な個所にできることがある口内炎の中でも、舌先にできてしまうものがありますよね。早く治す方法はあるのでしょうか?
この記事では、舌先にできる口内炎の種類や原因、その治し方や予防策をまとめています。
気づくと口の中にできてしまっている、痛い痛い口内炎。口の中の色々な個所にできることがある口内炎の中でも、舌先にできてしまうものがありますよね。早く治す方法はあるのでしょうか?
この記事では、舌先にできる口内炎の種類や原因、その治し方や予防策をまとめています。
舌先にできる口内炎にはどのような種類があるのでしょう。その種類や症状は一つではなく実はたくさんあるのです。ここでは口内炎の種類と、その原因を説明していきます。
口内炎の種類の中で、最も多いのが「アフタ性口内炎(潰瘍性口内炎)」というものです。痛みも強く、発症すると食事をしにくくなることもあります。放っておけば、ほとんどの場合約10~14日で自然に治ります。
症状
アフタ性口内炎は、特に若い人に多く発症し、赤く縁取られた2~10mmほどの円形状の白い潰瘍が口内にできます。1ヶ所だけでなく、複数が固まってできてしまうこともあります。
原因
アフタ性口内炎の原因ははっきり特定されていませんが、疲れやストレスによって免疫力が低下し、睡眠不足や栄養不足が重なり、体調を崩しているときにもできると言われています。
カタル性口内炎は外傷性口内炎とも言われており、何らかの口内の傷が原因で発症する口内炎です。その傷にバイ菌が入ってしまうと、口内炎になってしまうことがあるのです。
症状
カタル性口内炎の特徴は、赤く炎症することです。また、白くただれることもあります。アフタ性口内炎との見分け方は、炎症部分と正常な部分の境目はっきりわからないことです。口の中が熱く感じ、食欲もなくなり、味覚も落ちることもあります。
原因
歯の矯正器具等が口内で当たって傷になったり、口の中を噛んだときに繁殖する細菌や、薬品の刺激や火傷が主な原因です。特に高齢者がなりやすいのですが、幼児の指しゃぶりが原因で見られることもあるようです。
ウイルス性口内炎は、ウイルス感染が原因で発症する口内炎です。
症状
ウイルス性口内炎の主な症状は、口内に小さな多数の水ぶくれができた後、破れてただれる場合もあり、さらに強い痛みと発熱を併発することがあります。
原因
原因は感染したウイルスの種類によって異なります。
ヘルペス性口内炎(口唇ヘルペス)という単純ヘルペスウイルスや梅毒、子どもの場合は、かぜのウイルスが口内炎の原因になることもあり、手足口病やヘルパンギーナはその代表とも言われています。
口腔カンジダ症とは、口の中に存在するカビ菌の一種、カンジダ菌が増殖することで、口の粘膜に口内炎を引き起こすものです。カンジダ菌は、半数程度の人の口内に存在しており、口腔カンジダ症は乳幼児や高齢者に多く発症します。
症状
口内の粘膜に白く膜のような苔状のものが、粉状や点状に付着します。悪化してくると白い苔状から地図状になり、どんどんこびりついた状態になってきます。また舌全体が赤く腫れて、炎症を起こすこともあります。
原因
口腔カンジダ症は、免疫力の低下が原因で発症するケースが多いです。免疫力が下がるとカンジダ菌が増え、口腔カンジダ症を発症します。
痛くて気になる口内炎、とにかく早く治してしまいたいですよね。そこで今すぐできる口内炎を治す方法をご紹介します。
口内炎を治すためにまずはじめにしてほしいことは、口内を清潔にすることです。口内にバイ菌が増殖したり、傷ができたところからどんどん口内炎がひどくなっていくパターンもあるので、とにかく口内は清潔に保つように心がけましょう。口内を清潔に保つことは、早く治すことにもなりますし、今後新たな口内炎ができることを予防することにも繋がります。
ただし歯磨き粉やマウスウォッシュなどは、口内炎の痛みが強ければ避けるようにしましょう。清潔にすることだけでなく、刺激を与えないことも重要です。
ひどい口内炎には病院で治療薬を処方してもらいましょう。ただ、舌にできた口内炎に軟膏などの薬を塗っても、つい舌を動かすとせっかくの薬もすぐにとれてしまいます。そんなときは、ガーゼに多めに軟膏をつけ、そのガーゼを直接口内炎にかぶせて置きます。
違和感がどうしてもありますが、我慢して30分ほどで取り除いても大丈夫です。1日3~4回、食後など歯磨きをしたあとに繰り返しのせるようにしましょう。
ビタミン不足が口内炎の原因になることもあります。できる限りビタミン類は食事から摂りたいのですが、とにかく早く、口内炎の痛みをとるためは、サプリメントで補給するようにしましょう。サプリメントはドラッグストアやコンビニでもすぐに手に入れることができます。
口内炎の治療や予防のために摂取するべきビタミンは、特にビタミンB2とビタミンB6で、効果があると言われており、その他にもビタミンCや亜鉛、鉄なども合わせて身体の抵抗力の向上を促す効果があります。
ここまで口内炎の原因や種類とその治療方についてお話してきましたが、そもそも口内炎を発症させないために何かできることはないのでしょうか。ここでは口内炎にならないための予防方法について詳しくご説明していきます。
口内炎にならないために、いつも口内を清潔に保つようにしましょう。自分に合った歯ブラシやデンタルフロスを使って、食事の後と就寝前には口の中をいつもきれいに清掃します。デリケートな口の中において、歯磨きなどで細菌数を減らすことで口内炎の原因も少なくなり、治りも早くしてくれます。
丁寧な歯磨きやデンタルフロスを使って歯間までキレイにしたり、うがい薬やマウスウォッシュなどを利用して口内をすみずみまで清潔にするように努めましょう。
口内炎が舌にできてしまうと、口の中の他の場所にできた場合より食事が摂りにくくなります。痛みで噛むことも、飲みこむことも辛い場合もあります。しかし、そんなときこそ栄養をきちんと摂取しなければ栄養不足となり、口内炎をさらに悪化させてしまうこともあるのです。
おかゆや雑炊などのできるだけ刺激が少ないものを食べるか、ゼリー飲料など高カロリーなものを飲んで、体力を低下させないように栄養を十分に摂る必要があります。
唾液には口の中の潤滑材の役割にくわえ、殺菌作用という重要な役割もあります。唾液が少なくなってくると、乾燥した状態で舌と歯が擦れるので、舌が傷ついて口内炎ができやすい状態になるのです。また、口の中は特に細菌が多い場所なので、唾液の殺菌作用が減ると少しの傷でも感染してしまい、口内炎ができてしまうのです。
ガムを噛んだり、唾液腺のマッサージで唾液が出るように促すようにしましょう。
舌先にできてしまった口内炎の中には、恐ろしい病気の可能性もあります。どのような口内炎の場合に疑わしいのでしょうか。
口内炎が白血病のサインということもあります。白血病は正常な白血球がガン化することで、白血球数が減少してしまうのです。そのために免疫力が低下するので、口内炎になりやすいというわけです。全ての白血病患者の方に共通する初期症状として、口内炎ができるといわれるのはこれが理由です。
糖尿病の症状としても口内炎があります。糖尿病になると免疫力が低下するのが原因です。長期間にわたって治らない口内炎がある場合には、早めに歯科口腔外科など専門医を受診するようにしましょう。
口内炎と間違えやすい病気として舌癌もあります。舌癌を含め、口腔粘膜にできたガンを総称して、口腔がんと呼ぶ場合もあります。特に舌癌の発症率は口腔がんの中で最も高くなっています。口内炎と舌癌を見分けるのは難しく、舌にできたアフタ性口内炎と初期症状が非常によく似ています。
口内炎は患部の周りが赤くなっているのに対し、舌癌はその縁がギザギザしており硬いのが特徴です。
舌先にできてしまった口内炎の種類や原因、治療法や予防策などを説明してきました。口内炎は健康のバロメーターと言われているように、ストレスや疲労、栄養不足など複雑な要素が絡みあってできるものです。口内炎にお悩みの方は、今回ご紹介した治療法や予防法を是非参考にしてみてください。ただし、長期間症状が続く場合には早めに歯科医院を受診するようにしましょう。
監修医
貝塚 浩二先生
コージ歯科 院長
経歴
1980年 岐阜歯科大学 卒業
1980年~ (医)友歯会ユー歯科~ 箱根、横浜、青山、身延の診療所 勤務
1985年 コージ歯科 開業
1996年~2002年 日本大学松戸歯学部生化学教室 研究生
歯学博士号 取得
2014年 昭和大学 客員講師
現在に至る