口内炎の薬はどれがおすすめ?箇所別や子どもの口内炎に合わせた選び方も紹介

口内炎ができたとき、1~2週間我慢して自然治癒を待つ方も多いかもしれません。しかし、市販薬を上手に活用することで、炎症を抑えたり痛みを和らげたりといったように、早期回復が期待できます。口内炎の市販薬には、塗り薬、飲み薬、貼り薬、スプレータイプなど多くの種類があり、それぞれの作用や副作用も異なります。さらに、口内炎の薬を選ぶ際には、発生箇所や子どもにできた場合の選び方も重要です。

この記事では、口内炎の市販薬の種類や選び方を詳しく解説しています。あなたの症状に合った薬を見つけましょう。日常生活を快適に過ごすため、ぜひ参考にしてください。

※「口内炎=アフタ性口内炎」として解説しています。アフタ性口内炎は代表的な口内炎でもあり、主に体調不良や栄養不足、物理的刺激などが原因で発症するとされています。見た目が白く、基本的には自然に治癒しますが、辛味や酸味、熱、物理的刺激などに対して痛みを感じる口内炎です。

この記事の目次

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1.口内炎の市販薬の種類や特徴、作用・副作用について

薬局やドラッグストアで市販されている口内炎の薬には、さまざまな種類があります。それぞれの特徴や主な作用と副作用を知り、自分に合ったタイプの薬を見つけましょう。

なお、ここで紹介している作用や副作用は一般的な例です。製品によっては含まれている成分や成分の量に違いがあります。そのため、下記以外の作用や副作用があることも考えられます。詳しくは、それぞれの製品または同封の説明書に記載されている説明書きや注意事項を確認してください。また、決められた用法用量はきちんと守り、正しく使用してください。

 

口内炎の薬は 「炎症を抑える」ものが一般的

口内炎は、唇や舌、頬の内側、歯茎などに炎症が起こることで、日常生活に支障をきたすことがあります。

市販薬を利用することで、早期の改善が期待できます。口内炎の薬には、炎症を抑えるステロイド系と非ステロイド系の2種類があります。ステロイド系は、高い症状改善効果が期待できる一方で、長期間の使用や用法用量を守らないと副作用が出る可能性があります。対して非ステロイド系は、副作用が出にくいという特徴があります。

また、痛みを和らげるためには、鎮痛成分を含む軟膏やスプレーを選びましょう。さらに、冷却効果のある塗り薬もおすすめです。細菌感染が疑われる場合や重度の症状が続く場合には、医師の指示に従い、適切な治療を受けることが重要です。自己判断での使用は避け、専門家のアドバイスを受けることで、口内炎の不快感を軽減し、快適な日常生活を取り戻しましょう。

2.口内炎ができた箇所別におすすめの市販薬を紹介

口内炎ができた箇所別に、使いやすい市販薬をまとめました。それぞれ、詳しく見ていきましょう。

※アレルギー歴がある方や口内のただれがひどい方、持病をお持ちの方や服薬中の方は、使用前に医師や薬剤師に相談してください。

 

スプレータイプ:口の奥や喉の口内炎

スプレータイプの口内炎薬は、患部に直接噴射することで、手を汚さずに簡単に使用できます。特に、手の届かない口の奥や喉にできた口内炎にはおすすめです。スッキリとしたミント味や子ども向けのフルーツ味など、バリエーションも豊富で、好みに合わせて選べます。

<主な作用>
患部に吹きかけることで直接作用し、炎症を抑えてくれます。口内炎のほか、喉の痛みや腫れといった症状に効果的なものもあります。

<副作用>
発疹やかゆみ、胃の不快感を招くことがあります。長期間の使用は避けてください。

 

飲み薬:有効成分がとどまりにくい舌裏、舌側面

舌の裏や側面にできた口内炎には、飲み薬がおすすめです。舌は唾液に触れることが多く、塗り薬やスプレータイプの有効成分が流れてしまう恐れがあるためです。飲み薬は体内から炎症を改善し、唾液の影響を受けずに効果を発揮します。

<主な作用>
トラネキサム酸が配合されていることが多く、炎症を抑える働きがあります。粘膜の機能を正常に働かせることで、早期回復が期待できます。塗り薬や貼り薬と併用することで、さらに効果的です。

<副作用>
発疹、発赤、かゆみ、めまい、吐き気といった副作用が出ることがあります。

 

塗り薬:歯茎や舌先、頰の内側

歯茎や舌先、頰の内側、唇の内側、口角に口内炎ができた際には、塗り薬を使用することをおすすめします。これらの部位は日常的に動かすことが多く、痛みを感じやすいため、塗り薬を使うことで患部に長時間とどまり、直接的に作用して症状を和らげることができます。

<主な作用>
患部に直接作用し、炎症を抑えます。長時間患部にとどまり、持続的な効果が期待できます。

<副作用>
発疹、発赤、かゆみといった副作用が出ることがあります。歯槽膿漏や歯肉炎、感染症による口内炎の場合、症状を悪化させる可能性があります。

 

貼り薬:大きさが1cm以下

小さな口内炎におすすめなのが、パッチタイプです。優れた付着力を持ち、患部をしっかりとカバーできるので、食べ物や水分が直接患部に当たるのを防ぎ、効果的な治療が可能です。さらに、パッチをつけたまま食事や就寝しても問題ないため、日常生活に支障をきたすことなく使用できます。

<主な作用>
患部に直接作用し、炎症を抑えます。口腔内での優れた付着力により、有効成分が流れずに効果的な治療が可能です。

<副作用>
発疹・発赤・かゆみなどの副作用が出る可能性があります。パッチがはがれた場合は飲み込まずに捨ててください。誤って飲み込んでも体に害はありませんが、注意が必要です。

 

うがい薬:予防対策として

口内環境を整えるための、うがい薬の使用もおすすめです。口内炎の改善や予防に効果的で、口の中を清潔に保つことができます。特に、疲れやストレスで粘膜の再生力が弱まっているときにおすすめです。

<主な作用>
口内環境を清潔に保ち、口内炎の改善と予防に役立ちます。食後のうがいで、口内の常在菌の増殖を抑え、炎症を防ぎます。

<副作用>
メントールやアルコール成分が含まれているうがい薬は刺激が強いため、避けた方が良いでしょう。発疹や発赤、かゆみ、口内の荒れといった副作用が出ることがあります。

3.子どもが口内炎になったときの市販薬の選び方

子どもの口内炎治療には、優しいアプローチが求められます。刺激の少ないクリームタイプやスプレータイプの薬剤は、敏感な口内にも使用できます。また、甘いシロップで改善を目指すこともできます。

注意事項もありますので、次の点に注意しましょう。

 

要チェック!子どもの薬を選ぶときは適用年齢を必ず確認!

口内炎だけでなく、市販されている成人向けの薬は、「15歳以上」と「7歳または8歳」に区分されています。15歳頃の子どもは代謝機能が成人と同程度とされていますが、7~8歳頃の子どもは成人の半分程度しかないと考えられています。そのため、薬の用法や用量が変わってきます。

なお、「大人」「15歳以上」とだけ書かれた市販薬は、子どもに飲ませないように注意しましょう。薬の量を調整しても、副作用のリスクは軽減されません。

また、次のように医薬品特有の区分もあります。
乳児:1歳未満
幼児:1歳以上7歳未満
小児:7歳以上15歳未満
薬の選び方で迷ったときは、薬剤師に相談して適切な薬を選んでもらいましょう。

 

シロップタイプの口内炎薬は冷蔵庫で保存

子ども向けとしてよく使われるシロップタイプを使用した後は、付属している計量用カップを丁寧に洗浄しましょう。片づける前にしっかりと乾燥させることも大切です。また開封後のシロップ剤は、雑菌の混入や増殖を防ぐため冷蔵庫で保存しましょう。

4.まとめ

口内炎は日常生活に影響を及ぼす厄介な問題ですが、市販薬を上手に活用することで早期改善が期待できます。市販薬には多様な種類があり、症状や発生箇所に応じたものを選ぶことが重要です。特に、口の奥や喉にはスプレータイプ、舌裏には飲み薬、歯茎や頬には塗り薬がおすすめです。子どもの場合は、年齢に応じた優しい薬を選びましょう。

市販薬の選択に迷ったら、かかりつけの歯科医院に相談し治療を受けることをおすすめします。医師の指導のもと、最適な治療法を見つけ、快適な日常生活を取り戻しましょう。

監修医

好岡 夢貴先生

柏 なかよし歯科・口腔外科 院長

経歴

2013年3月 日本歯科大学 卒業
2013年4月 神奈川歯科大学 勤務
2014年3月 神奈川歯科大学 退職
2014年4月 神奈川県横須賀市内の歯科医院 勤務
2014年10月 神奈川県横須賀市内の歯科医院 退職
2014年12月 柏 なかよし歯科・口腔外科 開業
2017年4月 医療法人社団カムイ会 理事就任
2018年10月 医療法人社団カムイ会 理事長就任
現在に至る

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