口内炎の原因とは?口内炎の種類や症状、できる理由を詳しく解説!

いつの間にかできている口内炎、実はいくつか種類があるのをご存じですか?
また口内炎は、しばらくすると自然に治っていることが多いですが、実は怖い病気が潜んでいることもあるのです。

次第に大きくなっていく口内炎や繰り返す口内炎は特に要注意です。痛み止めなどを飲んで、いつまでも我慢していると、大きなトラブルを招くこともあります。なかなか治らない口内炎は、早めに歯科医院を受診しましょう。

この記事の目次

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1.口内炎の種類と原因

 

口内炎の原因はさまざまです。ここでは、口内炎の種類別の原因をご紹介していきます。

 

■アフタ性口内炎

もっとも一般的な口内炎です。
表面が白く、周辺が赤い円形の潰瘍が、ほお・唇の内側・舌・歯ぐきなどにできます。

症状
・白っぽい円形や楕円形の浅いくぼみができる
・痛みがある
・食べ物や飲み物がしみる
・約1~2週間で自然に治り、傷跡は残らない

原因
・免疫力の低下
・ストレス
・栄養不良
・寝不足
・ベーチェット病
・潰瘍性大腸炎

 

■カタル性口内炎

入れ歯や矯正器具の不具合、やけど等の物理的刺激によって起こる口内炎です。

症状
・口の中に赤い斑点状のものや水泡ができる
・痛みはあまり強くない
・刺激物を食べると、しみる
・唾液の量が増える

原因
・物理的刺激(入れ歯・矯正器具)
・熱い食べ物によるやけど
・口の中を噛んで、できた傷

 

■カンジタ性口内炎

口内に常に存在している常在菌、カンジダ菌の増殖で起こる口内炎です。免疫力が低下すると増殖して、発症しやすくなります。

症状
・白い苔のようなものが、舌や頬など口の中全体にできて広がる
・痛みはほとんどない
・白い部分がはがれると出血することがある

原因
・カビ(カンジダ菌)
※健康な人はあまり発症しない

 

■ヘルペス性口内炎

単純ヘルペスウイルスの感染で起こる口内炎です。
唾液などの接触感染や飛沫感染によって感染します。

症状
・口の中に複数の水泡ができ、赤く腫れる
・激しく痛む
・発熱する
・リンパが腫れる

原因
・単純ヘルペスウイルス
※主に乳幼児に多い。体調不良の場合には大人でも発症することがある

 

■その他の口内炎

食べ物や薬物、金属が刺激となってアレルギー反応を起こす「アレルギー性口内炎」や、喫煙習慣による「ニコチン性口内炎」もあります。ヘビースモーカーの方をはじめ、日常的に喫煙している人は注意が必要です。

2.歯科医院で行う口内炎治療

 

ここでは、歯科医院で行う口内炎の治療についてご紹介していきます。

 

レーザー治療

レーザー治療は、患部にレーザーを照射し、表面にかさぶたのような膜を作ります。そうすることで痛みを軽減し、治癒を促進する治療法です。

・通院回数は、ほぼ一回、治療時間は5分程
・治療の痛みが少なく、副作用もない
・つらい症状が、2~3日ほどで改善する
・自由診療扱いと保険扱いの場合があり、費用がまちまち(およそ500円から3,000円)

 

薬物治療

アフタ性口内炎やカタル性口内炎の治療には、炎症を抑えるステロイド入りの薬(ケナログ、アフタッチなど)を使用します。
またカンジダ性口内炎には抗真菌剤を、ヘルペス性口内炎には抗ヘルペスウイルス薬を使用します。

3.放置は厳禁!危険な口内炎

 

ここでは、放置していると大変危険な、注意を要する口内炎についてご紹介していきます。

 

尋常性天疱瘡(じんじょうせいてんぽうそう)

自己免疫疾患の一つで、水ぶくれのような口内炎から症状が現れ始める病気です。
放置すると命にかかわることもあるため、早期発見が何より大切です。水ぶくれのような口内炎が2~3週間経っても治らず、広がっていく場合には、歯科医院を受診しましょう。

 

ベーチェット病

原因不明の自己免疫疾患で、白血球が暴走し、目や皮膚、神経を攻撃する病気です。直径1センチ以上のアフタ性口内炎が口の中の色々な場所にできて、1週間以上治らない場合は要注意です。

 

白血病・口腔ガン

3ミリ以下の小さな口内炎が同時に複数できて、一か月のうち、二度も三度も再発する場合には、白血病や口腔ガンの可能性があります。短期間に口内炎が繰り返しできる場合には、一度歯科医院を受診してください。

4.歯科医院を受診する目安

放置していると危険な口内炎を紹介してきました。
たかが口内炎だと思わずに、以下の項目に1つでも当てはまる場合には、早めに歯科医院を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。

・2週間以上経っても治らない
・強い痛みにより、食事や会話に支障がある
・口内炎が大きくなっている
・口内炎の数が増えている
・再発を繰り返している

5.まとめ

口内炎にはいくつかの種類があり、それぞれ症状や原因が異なることを紹介してきました。口内炎のほとんどは自然に治るため、重大な病気のシグナルかもしれないと考える方は少ないかもしれません。しかし、神経や毛細血管が集中するお口の中は、体の不調が最初に現れる場所なのです。

また、なかなか治らない口内炎や再発を繰り返す口内炎には、意外な病気が潜んでいる可能性があります。痛みがひどくて我慢できない、再発を繰り返して不安に感じる、など、いざという時のために、通いやすい地域でかかりつけの歯科医院を探しておくといいでしょう。

監修医

飯田 尚良先生

飯田歯科医院 院長

経歴

1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る

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