メタルボンドとは?費用や特徴、他の素材との違いを徹底解説

笑ったときに目立つ前歯。そんな前歯に虫歯ができていたりすると、気になりますよね。本当は思い切り笑いたいけど、人前で歯を出さないように気をつけているという方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、「メタルボンド」という治療法についてご紹介します。メタルボンドを使用したときの料金や見た目、前歯に使用できるのかについても解説します。

※掲載する平均費用はあくまでユーザー様のご参考のために提示したものであり、施術内容、症状等により、施術費用は変動することが考えられます。必ず各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください。

この記事の目次

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1.メタルボンドとは?費用と治療期間

メタルボンドとは、金属製の土台をセラミックで覆った歯の被せ物のことを言います。まずは、メタルボンドの費用と治療期間についてご紹介します。

 

メタルボンドの費用

メタルボンドを前歯1本に使用する上でのおおよその料金は、8~15万円前後です。その他、医院によっては歯の型取りで別料金(1,000~3,000円程度)かかることもあります。比較的費用は高くなりますので、予算に限りがあるという方は予め歯医者さんに具体的な費用を聞いておくと良いでしょう。

また、はじめの費用とは別に、人によってはメンテナンス費用が必要になるケースもあります。強度の高いメタルボンドですが、強い力をかけると割れてしまったり、欠けてしまったりすることがあります。少し欠けている程度であれば、レジン充填でなおすことができます。その際かかる費用は1~5万円程度です。

 

メタルボンドの治療期間

メタルボンドを用いた治療は、型どりから装着まで最短で2回の通院で完了します。しかし、より丁寧な治療を希望する場合や、虫歯など先に治療が必要な場合は、数カ月かかることもあります。治療期間が予想より長くなり、仕事など他の予定と重なって通院が難しくなることも考えられます。

そのため、費用と同様に、あらかじめ歯医者さんに相談してスケジュールを決めておくことをおすすめします。

2.メタルボンドを前歯に使用するメリット

見た目が自然

メタルボンドは、表側にセラミックを使用するため、色が自然です。見た目は普通の歯とほぼ見分けがつきません。そのため、前歯に被せ物をしていると気づかれる可能性は低く、思い切り笑うことができるようになります。

 

耐久性がある

土台に金属を使用することで、補強されているため、耐久性があります。表面はセラミックで覆っているので見栄えが気になることはありません。

 

体に影響の少ない金属を選ぶことができる

メタルボンドの材質には土台として金属が使用されています。金属アレルギーの方は使用して良いのか不安に思われるかもしれません。しかし、身体に影響のない金属を使用することでアレルギー反応が出ないこともあります。安心して使用できる金属はゴールドまたはチタンです。

ただ、土台としてゴールドを使用すると費用が高くなります。
また、絶対に体に影響がないとは言えませんので、自分がどの金属に対するアレルギーを持っているのかをしっかり調べた上で先生に相談することをおすすめします。

3.メタルボンドを前歯に使用するデメリット

裏側から金属が見えてしまう

メタルボンドは表面はセラミックで覆われているため自然な歯に見えますが、裏側は一部金属が露出しています。大きく口を開けて笑ったりしない限り、他人から金属部分が見えることは少ないのですが、鏡を見たときなどに自分では気になってしまうこともあるかもしれません。裏側が黒いことが気になる方にはフルベイクと呼ばれる裏側までセラミックで覆う治療法もあります。

 

歯茎が黒ずんでしまう

メタルボンドでの治療後、経年的に歯茎が黒っぽくなることがあります。これは、「メタルタトゥー」と呼ばれるもので、メタルボンドに使用されている金属が腐食し、溶け出して沈着することが原因です。黒くなっていると気づいた頃には、歯肉の深いところまでしみ込んでしまっているケースが多く、黒さを除去することが難しくなります。

どうしても除去したい場合は、メス等を用いて切って取り除く必要があります。メタルタトゥーを防ぎたい場合には、金属を一切使用しないオールセラミックがおすすめです。

 

歯と歯茎の境界が黒くみえてしまう

メタルボンドで治療したあと、経年的に歯茎が痩せてくると、歯と歯茎の境界から金属部分が見えてしまうこともあります。金属は黒いので、前歯にメタルボンドを使用していると特に目立ち、気になってしまう方が多いです。また、歯茎が痩せてメタルボンドと歯茎の間にスペースができると、食べたものがつまりやすく、虫歯の原因になるケースもあります。

 

他の歯を痛めてしまうことがある

強度が高い点はメタルボンドのメリットの一つですが、逆にデメリットとなる場合もあります。他の歯よりも強度があるため、周囲にある他の歯を傷つけてしまうこともあるのです。歯ぎしりや歯を食いしばるなどの癖がある方は特に注意が必要です。

4.他の素材とメタルボンドの違い

オールセラミックとの違い

オールセラミックとメタルボンドを比較すると、価格・強度面・施術できる範囲の広さではメタルボンドが優れています、見た目や色調はオールセラミックのほうがより自然です。また、オールセラミックでは金属を一切使用しませんので、金属アレルギーを引き起こすことがありません。

 

ジルコニアセラミックとの違い

ジルコニアセラミックは、被せ物の中でも非常に質が高いです。強度や見た目の面でメタルボンドよりも優れていますが、使用する素材が高価なため、治療費はメタルボンドのほうが比較的安く済みます。

 

ハイブリッドセラミックとの違い

ハイブリッドセラミックは、保険適用のレジンクラウンより質が良く、金属アレルギーの心配がありません。審美性も比較的高いですが、メタルボンドには劣ります。また、強度面もメタルボンドの方が高いです。しかし、ハイブリッドセラミックのほうがメタルボンドよりも比較的安く行うことができます。

 

保険適用の硬質レジンとの違い

メタルボンドが保険適用硬質レジンと比べて圧倒的に優れている点は、色調の自然さと、変色しにくい点です。一方費用については、5,000~7,500円と、保険適用の硬質レジンの方が安価です。

5.まとめ

メタルボンドは使用する歯が限られず、前歯にも使用できる点と、他の矯正方法より比較的安価な点が特徴です。ただし、メタルボンドよりも審美性や強度に優れた治療法もあります。そのため、前歯にメタルボンドを使用するか悩んでいる場合は、まず歯医者さんに相談してみましょう。

監修医

飯田 尚良先生

飯田歯科医院 院長

経歴

1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る

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