最近、歯医者さんのホームページや口コミサイトでよく目にする「インフォームドコンセント」という言葉。耳にする機会が増えましたが、実際にはその正しい意味を知らない人も多いのではないでしょうか?医療用語なので難しい専門的なことだと思われがちですが、実は病院に通うすべての人にとって非常に重要な概念です。
この記事では、インフォームドコンセントの意味やその必要性についてわかりやすく解説します。
最近、歯医者さんのホームページや口コミサイトでよく目にする「インフォームドコンセント」という言葉。耳にする機会が増えましたが、実際にはその正しい意味を知らない人も多いのではないでしょうか?医療用語なので難しい専門的なことだと思われがちですが、実は病院に通うすべての人にとって非常に重要な概念です。
この記事では、インフォームドコンセントの意味やその必要性についてわかりやすく解説します。
「インフォームドコンセント」という言葉はアメリカで生まれ、直訳すると「十分な説明を受けた上での同意」という意味です。医師が患者に対して医療行為について十分に説明し、患者の同意を得てから実行するという考え方です。あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、病院に行ったことがある人なら一度は経験しているはずです。
例えば、病院で薬を受け取る際、薬剤師が薬の服用方法や効能、副作用などについて丁寧に説明してくれますよね。この薬の説明こそがインフォームドコンセントなのです。
インフォームドコンセントとは、医療側が十分な説明を行い、患者がそれを理解して納得した上で、自分にとって最善と思われる治療法を選択することです。医師は患者が最良の判断を下せるように、現在の状況、原因、考えられる治療法、それぞれのメリット・デメリット、そして今後の予後について説明します。
患者はこれらの情報をもとに、治療期間、費用、その他の事情を考慮して、数ある選択肢の中から自分の希望に最も合う治療プランを決めます。つまり、医師は治療の選択肢を提示するだけで、最終的に治療内容を決めるのは患者自身なのです。
アメリカでは1960年代から「インフォームドコンセント」の考え方がありましたが、日本にこの考え方が入ってきたのは1990年代になってからです。しかし、日本では昔から「治療はすべて医者に任せる」という考え方が根強く、なかなか浸透しませんでした。そのため、医師が「こうします」と決めた治療内容に患者が従うだけという状況が続いていました。
特に歯医者の場合、治療中に自分の口の中を見ることができないため、説明もないまま治療が進み、患者は何が行われているのか全くわからないことが多かったかもしれません。1997年の医療法改正でインフォームドコンセントが正式に義務化され、現在ではようやく広まりつつあります。
最大のメリットは、医療側から十分な説明を受けた上で、患者自身が最善と思われる治療法を選択できることです。患者は自分の意思で医療行為を理解した上で治療を受けるため、安心して治療を受けることができます。
反対にデメリットとしては、患者に選択の自由が生まれる代わりに、その選択に対する責任も伴うことです。薬の服用方法や効能、副作用の説明など、比較的簡単なものなら大きな責任はありませんが、大きな病気の場合はそう簡単にはいきません。
それぞれの治療法にはメリットとデメリットが存在します。100%安心できる治療法がないからこそ、さまざまな治療法があるのです。しかし、医療知識のない人にとっては、それらのメリットとデメリットを比較して最善の選択をすることは非常に難しく感じるものです。
病気によっては選択肢が一つしかない場合もありますが、複数の治療法がある病気も多く存在します。例えば、内服薬で様子を見るか、リスクを覚悟して手術を受けるかといった選択肢があります。この選択については、何を最優先するかは人それぞれです。ある人にとって重要なメリットが、別の人にとっては優先順位が低いこともあります(例えば、費用の安さや治療期間など)。
患者としても、積極的に医師とコミュニケーションをとることで、自分に合った治療内容を選択でき、治療に対する安心感が得られます。自分で納得した治療を受けることで、何度も病院に通う場合でも安心でき、気分も良くなるかもしれません。
病気になった時は医師任せにせず、医師とコミュニケーションをとりながら、自分の病気についてしっかり考え、自分が納得できる治療を受けられるようにしましょう。
監修医
矢島 昇悟先生
青山通り歯科 院長
経歴
2007年 第100回歯科医師国家試験合格
2007年 日本歯科大学 生命歯学部卒業
2008年 埼玉県羽生市 医療法人社団正匡会 木村歯科医院
歯科医師としてのホスピタリティの基礎を学ぶ。
2010年 埼玉県新座市 おぐら歯科医院
地域に密着した医院で地域医療に携わり、
小児から高齢者歯科まで治療を行う。
2011年 東京都文京区 後楽園デンタルオフィス
施設の訪問診療などにも携わる。
2015年 東京都港区 青山通り歯科 院長
現在に至る