20~30代で歯を失った場合、部分入れ歯に抵抗を感じる方も多いかもしれません。また、入れ歯を使い始める平均的な年齢も気になるところです。
この記事では、部分入れ歯が使用される年齢層や、若い世代が部分入れ歯を選ぶ理由について詳しく解説します。歯を失って落ち込んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
20~30代で歯を失った場合、部分入れ歯に抵抗を感じる方も多いかもしれません。また、入れ歯を使い始める平均的な年齢も気になるところです。
この記事では、部分入れ歯が使用される年齢層や、若い世代が部分入れ歯を選ぶ理由について詳しく解説します。歯を失って落ち込んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
厚生労働省が実施した令和4年度の歯科疾患実態調査によると、入れ歯の使用は50歳頃から増加し始め、65歳を過ぎると約4人に1人が入れ歯を使用していることがわかります。
また、35歳から39歳では調査対象83人中1.2%、40歳から44歳では116人中0.9%、45歳から49歳では145人中0.7%の方が部分入れ歯を装着しており、30代から入れ歯を使用する人もいることが確認されています。
【引用】歯科疾患実態調査:結果の概要|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/62-17b.html
部分入れ歯は、すべての歯を入れ歯にする必要がないため、抵抗感が少なく、若い人でも使用しやすいでしょう。目立ちにくい部分入れ歯も増えており、会話や食事への影響が少ないため、受け入れやすい理由の一つと言えます。
20~30代で歯を失う原因の一つに歯周病があります。歯周病は、歯の土台である歯茎が痛むことで歯が抜けてしまう病気で、若い世代でも歯が抜け始める原因となります。歯周病を放置すると、歯が抜けるだけでなく、歯茎全体がボロボロになり、部分入れ歯が使えなくなる可能性があるため注意が必要です。
虫歯は悪化して症状が現れるまで気づかないことが多いです。普段しっかり歯磨きをしていても、自分では見えない場所から虫歯が広がる可能性があります。知らないうちに歯に大きな穴があいたり、ぐらぐらするようになってから歯医者に行っても、「もう抜歯以外に治療ができない」と診断されることも少なくありません。
虫歯を放置すると、ばい菌が神経を侵し、周りの歯を溶かしてしまう危険性があります。さらに、虫歯が顎の骨まで進行すると、骨髄炎という重大な病気を引き起こすことがあります。そのため、重度の虫歯は進行する前に抜く必要があります。虫歯の悪化が原因で入れ歯を使わざるを得なくなるケースもあります。
寝ている間に歯ぎしりをする方もいるでしょう。歯ぎしりは無意識に行われることが多く、歯に強い力がかかります。そのため、歯の表面が欠けたり、根元から折れてしまうことも少なくありません。根元から折れてしまった場合、その部分を治療するために抜歯が必要になることがあります。
歯周病は歯磨きだけでは防げないため、定期的に歯医者で検診を受ける必要があります。しかし、20~30代は仕事が忙しく、定期健診を怠ったり忘れたりすることもあるでしょう。その結果、虫歯や歯周病に気づかず放置してしまい、病状が悪化して歯が抜ける原因になることがあります。
歯医者から歯の磨き方について指導を受けたことがない方も多いでしょう。自分の磨き残しや力加減がわからないまま、間違った方法で歯磨きを続けると、奥歯から虫歯が広がることがあります。
一般的な部分入れ歯は、抜けた歯の両側にある健康な歯に金属の金具をひっかけて装着します。そのため、金属が目立ちやすく、見た目で入れ歯を付けていることがわかりやすい点が、入れ歯が敬遠される理由となっていました。
ここでは、そんなお悩みを解決する目立ちにくい入れ歯をご紹介します。
目立ちにくい入れ歯の一つに、テレスコープシステムがあります。これは、両側の健康な歯に目立ちにくいかぶせ物をすることで、入れ歯を目立たなくする方法です。審美性と安定性に優れているため、若い方にも多く利用されています。
ノンクラスプデンチャーは、入れ歯が目立つ原因となる金具を使用しません。弾力のある素材を使って入れ歯の床(しょう)を作り、歯茎にぴったりフィットさせて固定します。
マグネットデンチャーは、歯茎に磁石を埋め込み、磁力で入れ歯を固定します。金属製のバネを使わないため目立ちにくく、健康な歯への負担が少なく、装着時の違和感も少ないとされています。
これまで、入れ歯を使い始める年齢や、若い世代が歯を失う原因についてご紹介しました。
部分入れ歯にはさまざまな種類があり、見た目を気にする場合は、留め金を使わないタイプなど、希望や口内の状態に合ったものを選ぶことが重要です。また、部分入れ歯は幅広い年代で使用されているため、今後検討する機会も増えるでしょう。部分入れ歯を検討する際は、歯医者に相談し、自分の希望に合ったものを選びましょう。
監修医
飯田 尚良先生
飯田歯科医院 院長
経歴
1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る