甘いお菓子の代表といえる、チョコレート。甘い物を食べすぎると虫歯になりやすいと言われてきましたが、現在、歯医者さんとの共同開発による虫歯予防ができるチョコレートが話題となっています。 虫歯がある場合に甘い物がしみることがありますが、こちらのチョコレートはどうなのでしょうか。チョコレートと虫歯との関係や虫歯になりにくい食べ方についてもまとめていますので是非、参考にしてください。
歯医者さんが作るチョコで虫歯が予防!ダイエット・エイジング効果も期待できる?
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この記事の目次
1.歯医者さんとの共同開発によるチョコレート
現在、歯医者さんとの共同開発による虫歯予防ができるチョコレートが話題となっています。虫歯の原因になりやすいと考えられているチョコレートですが、虫歯予防として製品化したことには深い理由があるようです。いったいどのような商品なのでしょうか。人気の秘密を探りましょう。
キシリトール成分100%がポイント
歯医者さんが作ったチョコレートの特徴は、含まれている甘味料の100%が虫歯を予防する「キシリトール」という成分ということです。キシリトールと聞くと虫歯予防ガムの印象が強く、チョコも「あの独特のスースー感があるのでは ?」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、ガムがスースーする原因は香料やメントールという成分が含まれているからです。
また、この「100%」に意味があります。例えば、キシリトール90%と砂糖(ショ糖・果糖・ブドウ糖など)10%で作られているチョコがあるとすると、その10%の砂糖は虫歯を作ってしまう事になる為、キシリトールが100%のものでないと意味がありません。もし、虫歯にならないお菓子を選ぶとしたら、パッケージの原材料名が「甘味料:キシリトール」の記載のある物を選択しましょう。
2.虫歯予防だけじゃないこんな効果も!?
2-1ダイエットにも効果的である
チョコレートに含まれるポリフェノールには血流をよくする働きがあり、代謝を促してくれます。また、チョコレートを食前につまむ事によって、血糖値を上げ、食べ過ぎ防止に繋げることが出来ます。
もちろんチョコレートに糖質・カロリーが多く含まれている為、食べ過ぎればダイエット効果は半減してしまいます。カカオ70%以上のダークチョコを選びましょう。(※虫歯にならない為には、甘味料がキシリトールであることが前提です)
2-2便秘が解消できる
また、カカオ70%以上のカカオプロテインを含んだチョコレートには食物線維やミネラルを豊富に含んでいます。その為、腸内環境が整えられ、便秘解消にも繋がると言われています。
2-3エイジングケアにも有効
体内の活性酸素が増えることによって細胞の代謝が低下し、様々な老化現象が起こり、肌のくすみやしわ、たるみの原因になります。チョコレートに含まれるポリフェノールには、活性酸素の働きを抑制する効果がありますので、アンチエイジングが期待出来ます。
2-4ストレス緩和・リラックス効果あり
コンビニにてストレス緩和を謳ったチョコが販売されているのを目にしますよね。チョコレートに含まれるポリフェノールには、ストレスを緩和させる働きがあると言われています。また、カフェインのように自律神経を整え、リラックス効果も期待出来ます。
カカオ70%以上のキシリトール100%の商品を
さまざまな効果が期待出来ますが、どちらの効果を期待するにもカカオ70%以上、かつキシリトール100%の商品を選びましょう。成分が詳しく記載されていないものであれば、「歯科医師監修」、「歯医者さんが作った」等のキャッチコピーの物を選んでください。
3.チョコレートと虫歯との関係
一般的にチョコレートは虫歯になりやすいと思われているようですが、実際はどうなのでしょうか。甘い物は人間の体にとって必要です。チョコレートの成分と虫歯のなりやすさ、歯医者さんのチョコレートの成分であるキシリトールについてまとめてみました。
3-1 チョコレートの成分
チョコレートの主な原料はカカオです。このカカオに砂糖等の甘味料を加え、甘みを出しているのです。
3-2 虫歯の原因
歯の表面にはバイオフィルムという膜があり、ここに虫歯菌が付着します。虫歯菌は食べ物の糖分を栄養として増殖し、酸を出します。この酸が歯を溶かし、脱灰という状態になります。通常はこの状態になっても唾液が酸を中和して脱灰の歯を再石灰化するので虫歯にはなりません。脱灰状態が長く続き、再石灰化ができない状態が更に継続すると虫歯になってしまいます。
3-3 カカオと虫歯の関係
虫歯はプラークと呼ばれる細菌の塊にいる虫歯菌(ミュータンス菌)が糖分を栄養にして酸を作り、歯を溶かすことで起こります。しかし、チョコレートの主要成分であるカカオにはそのような原因になる糖分は含まれていません。先程説明した通り、チョコレートを作る際に使用する砂糖等の甘味料が虫歯の主な原因になります。
スウェーデンのある研究によれば、食事の際に規則正しく甘い物を食べたケースでは虫歯になりにくく、さらに砂糖を含まないチョコレートは他のお菓子と比べて虫歯になりにくいという傾向が見られました。
3-4 キシリトールと虫歯の関係
キシリトールもカカオと同じように虫歯菌の栄養になる糖分を含むものではありません。先程説明した通り、キシリトールは虫歯菌の増殖を抑制します。更に、歯が再石灰化されるのを促進する働きもあると言われています。
4.虫歯になりにくいチョコレートの食べ方
チョコレートが原因で虫歯を作ってしまうことは当然あります。虫歯を作らない1番の方法はしっかり歯を磨くことですが、更に虫歯を作らないで済む食べ方を実践すれば、より効果的です。
4-1 ダラダラ食べない
チョコレートだけでなく食べ物をダラダラ食べると、口腔内の酸性状態が続きます。通常は、唾液の中和作用が働くことでアルカリ性に戻りますが、ダラダラ食べることでいつまでも中和されず、虫歯になりやすい環境が続いてしまいます。
4-2 食べたら磨く
基本的なことですが、食べたら歯を磨きましょう。虫歯の予防には、虫歯菌のエサとなる食べ物のカスを残さないことが大事です。
4-3 寝る前は食べない
寝る前は唾液の分泌が減ってしまうので、自浄作用が弱くなり虫歯になりやすい環境にあります。寝る前はなるべく飲食をしない方が良いでしょう。
5.まとめ
全てのチョコで虫歯予防やダイエット、エイジングケアができる訳ではありません。それぞれの成分を意識して購入してみてください。また、甘い物が原因で虫歯のなることは確かにありますが、一切食べなければ虫歯にならないというものではありません。甘い物は人間にとって必要なものでもありますから、ダラダラ食べをせず、上手に食べて、しっかり歯磨きすれば甘い物を食べたからといってすぐ虫歯にはならないので安心してください。
美味しいチョコレートで虫歯予防をしたい方は、キシリトール100%の甘味料のチョコレートを食べましょう。キシリトールの過剰摂取は軟便になりやすいので、上手に食べることをおすすめします。
今回、「飲食の際にしみる」「知覚過敏かもしれない」という方は早めに歯医者さんへ受診されることをおすすめします。全国の歯医者・歯科・クリニックが予約・検索・口コミが見られるサイト「EPARK歯科」であれば、アナタの自宅の付近や職場付近で評判の歯医者さんを見つけることが可能です。痛みやしみてからでは、遅いです。虫歯や歯周病の早期発見の為に定期的な検診をしましょう。
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監修医
矢島 昇悟先生
青山通り歯科 院長
経歴
2007年 第100回歯科医師国家試験合格
2007年 日本歯科大学 生命歯学部卒業
2008年 埼玉県羽生市 医療法人社団正匡会 木村歯科医院
歯科医師としてのホスピタリティの基礎を学ぶ。
2010年 埼玉県新座市 おぐら歯科医院
地域に密着した医院で地域医療に携わり、
小児から高齢者歯科まで治療を行う。
2011年 東京都文京区 後楽園デンタルオフィス
施設の訪問診療などにも携わる。
2015年 東京都港区 青山通り歯科 院長
現在に至る