1.赤ちゃんに歯磨きを嫌がられない7つのポイント
赤ちゃんが歯磨きを嫌がるのは、そのどこかに辛いと感じるような違和感があるからです。歯ブラシが強く当たって痛いとか、歯磨き粉がブクブク泡立って嫌だとか、安心できない体勢であるなどです。嫌がられないための7つのポイントを、一つ一つ確認してみてください。
嫌がられない歯ブラシを選ぼう
・柔らかい毛を選ぶ
・毛先が細く滑らか
・毛の面はフラット
・握りやすい柄
まずは、歯ブラシ選びから見直してみましょう。歯ブラシ選びのポイントは上記の通りです。歯ブラシの毛が固くて痛いものは避けたいところです。できるだけ柔らかい毛で、毛先が細いものを選びましょう。
1本1本磨くことが大切なので、毛の面はギザギザではなくフラットで、小さなヘッドのものが良いでしょう。また、余計な力が掛からないよう、握りやすい柄であることもポイントとなります。
ペンのように握ろう
赤ちゃんの歯磨きはペンのように持つことがポイントです。ペンのように持つだけでも、余計な力をかけずに、毛先を細かく動かすことができます。歯ブラシ選びでも、ペンのように持ったときに、持ちやすいかどうかがポイントとなります。
キッチンスケールなどで適切な力加減を知ろう
しっかりと磨きたいと思うあまり、過剰な力を加えてしまうと、赤ちゃんは歯磨きにストレスを感じてしまいます。でも実は、そんなに力を加えなくても、毛先がちゃんと当たれば、しっかりと磨けるものです。
キッチンスケールに歯ブラシを当てて、100~150グラムくらいが目安となります。一度スケールで試してみると、そんなに力を入れなくても良いことが分かります。
歯の面に直角に当てよう
優しい力で磨くときのポイントは、歯の面に直角に毛先を当てた小さな横磨きです。毛先の弾力が生かされ、力を入れなくても、きちんと磨くことができます。
毛先を斜めに当てたり、強く押し付けるような磨き方では、赤ちゃんに嫌がられるばかりで、しっかり磨けていないともいえます。
歯ブラシを持った小指と薬指を支点に
上の前歯
上の歯を磨くときには、歯ブラシを持った手の小指と薬指を、頬に沿わせて固定し、3本の指先を使って歯ブラシを動かしましょう。ペンを持つように握れば、指先の動きだけで磨くことができます。
下の前歯
下の前歯では、歯ブラシを持った手の小指と薬指を、顎に沿って固定します。あとは、ペンを持つように握った3本指を動かすように磨きます。
上下の奥歯
歯ブラシを持っていない人指し指を使って、口の端を少し広げます。上の奥歯は、歯ブラシを持った手の小指と薬指を頬に固定し、下の奥歯は顎に固定し、前歯同様に、ペンを持つように握った3本指で磨きます。
ジェルタイプの歯磨き粉を使おう
赤ちゃんには、赤ちゃん用の歯磨き粉を使いましょう。赤ちゃん用の歯磨き粉は、ジェルタイプになっていて、泡立ちが少なく、誤飲しても問題ありません。イチゴやブドウなどの味がついたものも良いでしょう。それでも歯磨き粉を嫌うようなら、しばらくは歯磨き粉なしで、まずは歯磨きに慣れてもらうようにしましょう。
安心できる姿勢で磨こう
歯磨きの時だけ、違う姿勢になると、赤ちゃんも不安になってしまいます。自分の膝の間に赤ちゃんの頭を置いて、仰向けに寝かせた方が歯は磨きやすいのですが、おっぱいをあげる時のような横抱きの方が、安心します。磨き始めの頃は、安心できる姿勢からはじめましょう。
2.楽しい歯磨きにするための5つの心得
歯が生え始めてきたから、歯磨きをはじめなければと、今までの習慣とまるっきり違うことが始まると、歯磨きに慣れるのにも時間がかかります。また歯磨きを楽しい時間にする工夫も大切です。
口を触ることに慣れさせよう
歯磨きの時間だけ、いきなり口の中を触られたり、顎を固定されたりすると、赤ちゃんも不安を感じてしまいます。ですから、歯磨きに慣れる準備として、赤ちゃんの口にポンポンと手を当てたり、頬を抑えてはパッと離したり、口の周りや頬、顎に触って、楽しませることで、遊びながら口を触ることに慣れさせましょう。
楽しい雰囲気で歯磨きしよう
思ったように磨けないからといって、イライラするのは禁物です。一度、歯磨きを嫌がってしまった赤ちゃんであれば、なおさらです。毎回、しっかり磨きたいという気持ちもあるでしょうが、まずは、歯磨きを楽しい時間にすることが先決です。親子のスキンシップの時間として、楽しい雰囲気で臨みましょう。
しっかり磨くのは1日1回でOK
赤ちゃんが毎回嫌がることで、歯磨きが不十分だと考えてしまうと、ママにもストレスがかかり、そのストレスが歯磨きをお互いに嫌なものにしてしまいます。1日3回磨く中で、しっかり磨くのは1回だけでOKだと考えましょう。残りの2回は、歯磨きを通じて、楽しく遊びながらスキンシップすることに重点を置きましょう。
1本ずつ3回磨いては一休み
一度お口の中に歯ブラシを入れたら、最後まで磨き続けていませんか? でも大切なスキンシップは、ゆっくりと丁寧に行うことが大切です。1本の歯を3回ゴシゴシゴシと磨いたら一休み。少なくても1本3回で十分と考えて、気長に臨みましょう。
決まった時間に歯磨きしよう
「1日3回、1回だけしっかり」。これだけでも、ずいぶん気が楽になると思います。でも、歯磨きの時間だけは、決まった時間にするのが望ましいといえます。歯磨きの時間が楽しくなるよう努めつつ、決まった時間を心がければ、歯磨きの習慣が楽しく身につくはずです。
3.赤ちゃんの年齢別の歯磨きポイント
いつも楽しい雰囲気で、歯磨きをすることが肝心ですが、年齢に応じたポイントを押さえていくことで、よりスムーズに歯磨きの習慣をつけていくことができます。
歯の生える前
歯が生える前は、もちろん歯磨きをする必要はありませんが、授乳の後に湯冷ましを飲ませると、口内を清潔に保つことができます。また、お口や頬をキュッとつまんだり、顎を触ったりといったスキンシップで、お口を触ることに慣れさせておきましょう。
歯磨きの準備時期(生後6ヶ月から8ヶ月)
歯磨きの開始時期は、下の前歯が2本生え始める6ヶ月くらいからです。磨かなくてはと焦らず、まずはお口の中を触る習慣をつけましょう。離乳食後に湯冷ましを飲ませたり、1日1回ガーゼで口の中を拭うといったことから、はじめてください。
歯磨き開始時期(生後8ヶ月から1歳)
時期的には、上下の前歯が生えそろう時期です。特に、上の前歯は虫歯になりやすいので、しっかりとした仕上げ磨きが必要です。といっても、1日に1回できればOKです。歯磨きが嫌にならないことが重要なので、赤ちゃんがご機嫌なときに、歯磨きに慣れさせてください。
離乳食の時期 (1歳から1歳2ヶ月)
離乳食を食べるようになり、乳歯の間に食べかすが残るようになってくるのがこの時期です。歯磨きを本格的に開始するタイミングです。前述した通り、あまり神経質にならず、1日1回だけはしっかり磨くことを心得ておきましょう。また、決まった時間に歯磨きをする習慣を付けましょう。
奥歯が生え始める時期 (1歳2ヶ月以降)
奥歯は食べかすが残りやすいので、食後に1日3回の歯磨き習慣を付けていく時期となります。歯磨きを嫌がっているようであれば、1日2回は楽しいお遊びとして、寝る前の1回はしっかり磨くように努めましょう。自分も一緒に磨いたりしながら、楽しい時間を過ごす気持ちを忘れないことが大切です。
4.歯磨きが楽しくなるアイテム
何度も言うようですが、しっかり磨くことに躍起にならないことです。まずは、歯を磨くための楽しい習慣作りが大前提です。ここでは、歯磨きに慣れて楽しくなるアイテムをご紹介しましょう。
シリコン製のお遊び用歯ブラシ
歯磨きを嫌がる赤ちゃんには、シリコン製の赤ちゃん用歯ブラシで遊ばせるのも一手です。赤ちゃん用歯ブラシには、喉を突いたりしないよう、持ち手がリングになっていたり、大きなものがあります。おしゃぶりみたいな遊び道具の一つとして使ってみましょう。
歯磨きのテーマソング
歯磨きを楽しい時間にしてくれる音楽や映像もあります。Youtubeなどを検索すると、いろんな歯磨きの歌や映像があるので、歯磨きの時間に、それを見ながら歯磨きするのも良いでしょう。
手鏡を使ってみよう
手鏡を使って、自分のお口の中を見せながら、歯磨きするのも効果的です。「ここにバイ菌がいた!」、「ほら、ここにバイ菌が隠れているよ!」などと話しかけ、お口の中を見せながら楽しく歯磨きをする工夫をしてみてください。
5.まとめ
赤ちゃんが嫌がるまま歯磨きを続けるのは、赤ちゃんだけでなくお互いにストレスになってしまいます。一番大切なのは、今しかない親子の貴重なスキンシップとして、できるだけ楽しい時間を過ごすことにあります。
しっかり磨かせてくれないと悩まず、1日1回でもしっかり磨ければいいと、おおらかな気持ちで、その貴重な時間を楽しむ工夫をすることが、より良い歯磨きの習慣へとつながってくるはずです。