1.虫歯菌がいなければそもそも虫歯は発生しない?
虫歯というのは、ミュータンス連鎖球菌という虫歯菌によって引き起こされます。ですので、この虫歯菌がお口の中に存在していなかったら、いくら歯を磨かなくても、虫歯にはならないのです。
そして、生まれて間もない赤ちゃんは、この虫歯菌に感染していません。まだ歯が生えていないのですから、当然と言えば当然ですよね。
ですので、虫歯予防では、歯が生え始めてからが最も重要な時期と言えるのです。
2.虫歯菌はお母さんからうつされる!?
では、虫歯菌への感染はどこで起こるのでしょうか。それは多くの場合、お母さんから感染します。
お母さんが食べ物を噛みほぐして、赤ちゃんに食べさせてあげることがあります。 まだ歯が生えそろっていない赤ちゃんにとっては、とてもありがたいことですよね。また、お母さんの愛情を赤ちゃんに伝える大切な手段とも言えます。
けれども、この口移しという行為が、虫歯菌の初感染の原因となっているのです。
3.感染の窓を乗り切れば一生虫歯にならない!?
かといって、虫歯予防のためだけに、こうした母と子のスキンシップを禁止するというのも、その後の母子関係に影響を及ぼしそうな気もしますよね。そこでお母さんに知っておいてほしいのが、「感染の窓」です。
実は、この「感染の窓」と呼ばれる生後19カ月から31カ月を過ぎれば、いくら口移しをしても、虫歯菌への感染率が極端に低くなるというデータがあるのです。
この時期に、赤ちゃんの奥歯は生え始め、外からの刺激に対して、とても弱い状態となります。そこを狙って、虫歯菌はなんとか赤ちゃんのお口の中に住みつこうとするのです。けれども、この時期を過ぎてしまえば、赤ちゃんのお口の中も強くなりますから、そう簡単に虫歯菌も住みつけなくなるのです。ですから、この期間だけは、口移しなどのスキンシップは避けましょう。
その分、他の面で赤ちゃんと沢山のコミュニケーションをとってあげましょう。そうすることで、お子さんが一生虫歯に苦しめられることのない人生を送ることができるのです。
ちなみに、皆さんの身の回りにも、歯磨きをしなくても、全く虫歯にならない人っていませんか?その人たちは、感染の窓の時期に、虫歯菌の感染を免れた人と考えて、まず間違いないでしょう。