ホワイトニングに危険性はあるの?安全に白くする予備知識

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ホワイトニングは専用の薬剤を使って、歯の着色汚れなどを漂白するものなので、危険性がないのか心配に思う方もいるでしょう。日本の歯医者さんで一般的に扱っている薬剤は、使用法を守っている限り、基本的に安全なものです。まずは、そのことについて詳しくご説明いたします。

思わぬトラブルが考えられるのは、海外のホワイトニング剤の通販です。歯を白くしたい一心で、つい得体の知れない商品を手にしてしまう方もいるでしょう。しかし、これは危険です。その危険性や、どんな商品を選んだら良いのかなどについても、ご紹介します。

1.歯医者さんの提供するホワイトニングは安全?

歯医者さんの提供するホワイトニングで扱う薬剤であれば安全というよりは、歯医者さんが扱うから安全という方が正しいでしょう。通販で入手できるものまで含めると、ホワイトニング剤はすべてが安全である、とは言い切れません。それでは、ホワイトニングの薬剤のことについてここで詳しくご説明しましょう。

1-1 ホワイトニング剤の主成分は過酸化水素

歯医者さんで扱うホワイトニング薬剤は、医院内で行うオフィスホワイトニングも、自分で行うホームホワイトニングも、ともに過酸化水素が、歯を白くする成分になっています。これは、消毒用のオキシドールと同じ成分なので安全に思われがちですが、不用意に口の中に入れると火傷をしてしまう恐れがあります。

1-2 安全な濃度の過酸化水素を提供

過酸化水素が安全といっても、高濃度であれば危険ですが、オフィスホワイトニングで扱う薬剤は、過酸化水素の濃度がおよそ35%以下のものが一般的です。安全と言っても皮膚につくとただれてしまうため、歯科医師は歯以外の部分に薬剤が触れないよう注意を払って施術をしています。また、ホームホワイトニング用に提供される薬剤は、濃度10%以下のものであれば取り扱いやすいでしょう。ちなみに、消毒用のオキシドールは濃度が3%程度です。

1-3 過酸化尿素の濃度について

ホームホワイトニングの薬剤としては、過酸化尿素を成分としているものが一般的です。過酸化尿素は、使用時に過酸化水素に分解されるので、漂白する主成分としては同じものです。濃度の目安としては、過酸化尿素の濃度が10%であれば、過酸化水素に換算すると3%程度の濃度になります。

ちなみに、通販などで入手できるホワイトニング剤には35%というものありますが、主に過酸化尿素の濃度を示しているので、過酸化水素に換算すると、10%程度の濃度となります。

ホワイトニング
1-4 オフィスホワイトニングでは唇や歯茎の保護が必要

オフィスホワイトニングで扱う薬剤は安全な濃度ですが、唇や歯茎に付着するとただれてしまうので、薬剤が歯以外の部分に付着しないように、施術前にマスキングを施します。また、ホームホワイトニングでは、マウストレーにホワイトニング剤を塗布して、自分でトレーを装着しますが、トレーからはみ出して歯茎に付着した薬剤は拭き取るようにしましょう。

2.ホワイトニングを控えた方が良いケースとは?

妊娠 ホワイトニング

過酸化水素を成分としたホワイトニング剤は、前述した通り、基本的には安全ですが、それは、あくまで歯の健康状態が良く、ホワイトニングができる条件をクリアしている方のみです。ホワイトニングを控えた方が良いケースは、下記のとおりです。これは、オフィスホワイトニングでもホームホワイトニングでも同様です。

・知覚過敏、虫歯、歯周病、ヒビのある歯

このような歯の状態でホワイトニングすると、薬剤がしみて痛みが生じる危険があるので、治療して歯の健康を取り戻してから、ホワイトニングを行うのが無難です。また、歯ぎしりなどですり減っている歯も同様です。

・14歳以下

歯の成長に悪い影響を及ぼす可能性もあるので、基本的にホワイトニングはNGです。ホームホワイトニング用の薬剤の注意書きにも、記載されています。

・妊娠や授乳中の期間

ホワイトニング薬剤による、具体的な悪影響は報告されていませんが、安全性も証明されていないので、控えた方が無難です。

・無カタラーゼ症

過酸化水素の分解ができない体質が、無カタラーゼ症です。口腔壊死などを引き起こす恐れがあるので、絶対にNGとなります。無カタラーゼ症の診断は、歯周ポケット内にオキシドールを1滴たらすことで、すぐに判別できるものです。オキシドールが泡立たないようであれば、無カタラーゼ症と診断できます。

・光過敏症

オフィスホワイトニングでは、薬剤の反応を促進するために、強い光を照射しますので、光過敏症(強い光の照射によって、皮膚に紅斑や水疱ができる疾患)の方は、光を照射しないホームホワイトニングを選ぶのが無難です。

3.海外製通販の薬剤には要注意!

3-1 海外輸入品で厚労省の認定なしのホワイトニング剤は危険

個人輸入代行などのネット通販で入手できる、海外のホワイトニング剤には注意が必要です。過酸化尿素をベースに濃度が35%程度までであれば問題ありませんが、米国製ならFDA(米国食品医薬局)の認可を受けているなど、その国の安全基準を満たしている商品を選ぶべきです。成分もよく分からないようなホワイトニング剤には、手を出さないようにしましょう。

3-2 クエン酸や酢酸系薬剤は危険

クエン酸や酢酸など、その国がホワイトニング剤として認可していない成分が入っているものもあるようです。歯の表面を溶かしてから、ホワイトニングを行う前処理剤のような位置づけですが、歯に深刻なダメージを与える危険があります。安易に手を出さないようにしてください。

3-3 日本人はエナメル質が薄い

米国FDAの認可が下りているホワイトニング剤といっても、高濃度の過酸化尿素の場合、日本人には合わない可能性もあります。日本人は、欧米人と比較してエナメル質が薄いので、知覚過敏を引き起こす可能性もあります。低濃度の薬剤から試してみるのが得策です。

4.ホワイトニングの痛みについて

ホワイトニングの痛み

4-1 ホワイトニング時の痛み

ホワイトニング剤を塗布する際、ピリッと感じる場合があります。ホワイトニング剤は、歯の表面のエナメル質を一時的に脱灰(エナメル質の組織が溶ける現象)するので、その際に感じるものです。

4-2 ホワイトニング後の痛み

ホワイトニングの施術後に、歯がしみるような痛みを覚える場合があります。ホワイトニング剤によって、歯のエナメル質が脱灰しているので、一時的な知覚過敏の状態になっているからです。エナメル質は自然に再石灰化するので、こうした痛みは時間とともに和らいできます。

まとめ

歯医者さんの扱うホワイトニング剤は正しく取り扱えば安全ですが、場合によってはホワイトニングを控えた方がよいケースもあるので、しっかり頭に入れておきましょう。また、自分で海外のホワイトニング剤を入手するなど、薬剤の濃度だけでなく添加物が把握しきれていない状態で使うのはおすすめしません。

欧米人と日本人とでは歯質に違いがあるので、安易に海外のものを使うと刺激が強すぎてしまうことがしばしばあります。ホワイトニングを始める際は必ず、歯医者さんと相談しながら自分に合った方法を見つけましょう。

野崎先生

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