その口臭、歯石が原因かも!歯石除去のさまざまなメリットと予防法

その口臭、歯石が原因かも!歯石除去のさまざまなメリットと予防法

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実は口臭が気になっているあなた。それは、どんな臭いでしょうか?腐った卵のような臭いでしょうか?それとも、生臭い臭いでしょうか?あるいは、ドブ臭い膿のような臭いでしょうか。もしも、そのどれかに当てはまるようなら、それは歯石が原因となっている口臭かもしれません。
歯石は、口臭を引き起こす原因となるばかりではなく、口内環境を悪化させ歯周病を引き起こす原因になります。この記事では、歯石による口臭の種類や、歯石を除去する口臭改善以外のメリット、歯石を除去する方法などについて詳しくご紹介いたします。

この記事の目次

1.どうして歯石は口臭を引き起こすの?

口臭の原因となる歯石のお話をする前に、「歯石」とは何かをご説明しておきましょう。「歯石」とは、歯に着いた歯垢(=口の中の細菌や、細菌が出した老廃物の塊)が唾液中のミネラル成分(カルシウムやリンなど)と結合して石のように固まってしまったものを指します。

歯石は、顕微鏡で見てみるとボコボコと穴の空いた軽石(軽石の写真)のような形状をしており、そこに細菌が住み着いたり、汚れが溜まり込んだりします。台所のシンクに軽石を一週間置きっぱなしにした状態を想像してみて下さい。湿気さえあれば、すぐに汚れがこびりついて、カビが生えてくるでしょう。しかも、こびりついてしまった歯石を自分でキレイにする事は非常に難しいので、歯医者へ行く必要があります。

つまり、歯にそんなものが付着していたら、それは細菌の温床になってしまい、いずれは歯周病を引き起こす原因になってしまうのです。
歯石が原因となって引き起こす臭いは以下のとおりです。

1-1 歯石にたまる細菌が発生するガス

歯石は非常にザラザラしているので、そこに歯垢が溜まりやすくなり、勿論細菌も増殖します。この細菌の中には歯周病の原因となる菌も混ざっており、それらが「硫化水素」や「メチルメルカプタン」というガスを出します。これは玉ねぎや卵が腐ったような臭いで、「硫化水素」は硫黄を多く含む温泉のあの特徴的な臭いの元、といえばなんとなく想像がつくのではないでしょうか。

1-2 歯石による歯茎の出血

口の中が、どこか生臭く感じることはありませんか?歯石は歯垢の塊なので、歯垢のたまりやすい歯と歯茎の境目などにできやすくなります。その歯石が歯茎を刺激することで、歯茎が出血しやすくなります。生臭く感じるのはそのためです。

1-3 歯石付近の歯茎にたまる膿

細菌の温床となる歯石は汚れの塊で、体にとっては排除しなければならない異物です。ですから、歯石付近の歯茎では、その異物を排除するために白血球などの免疫物質がつねに細菌と戦っており、その戦いの影響で戦場である歯茎は血流が激しくなって腫れを引き起こします。また、その白血球の残骸や死んだ細菌が汚れた膿となります。
歯石だけでなく、この歯茎にたまる膿も悪臭を放つひとつの原因になります。

2.口臭対策だけじゃない!歯石除去のメリット

綺麗な歯

歯石を除去することは、単なる口臭対策だけではなく、口内環境を健康に保つ上でも、ざまざまなメリットがあります。

2-1 歯周病の予防につながる

「歯周病」は歯周病菌がもたらす毒素によって、歯茎が炎症を起こしたり、歯槽骨(=歯の根っこを支えている骨)が下がってしまう病気で、日本人の8割がこの歯周病を持っていると言われています。歯周病は、悪化していくと歯を支える骨をどんどん溶かしていってしまい、最悪の場合、歯がグラグラして抜け落ちてしまいます。

歯周病菌は、歯垢や歯石にある細菌の群れの中にも大量に含まれており、歯石を残しておくことによって、歯周病菌の増殖する温床にもなってしまいます。そのため、歯石を取ることは、結果として歯周病や口臭の予防になるのです。

2-2 歯茎が引き締まる

前述した通り、歯茎付近の歯石では、常に白血球と細菌が戦っており炎症を起こすため、歯茎が腫れやすく、出血もしやすくなります。歯石を取り除くことで、こうした歯茎の腫れや出血が収まり、歯茎が引き締まってきます。

2-3 歯が白さを取り戻す

歯石は淡い黄色や褐色をした塊です。歯垢の溜まりやすいところだけでなく、歯の表面を覆う場合には、歯の白さが失われ、全体的に黄色くくすんだように見えます。歯石を除去することで、歯の本来の白さや明るさを取り戻すことができます。

2-4 歯茎からの出血を予防

歯石によって、歯茎が出血しやすくなることは前述した通りですが、口内に出血があると、歯石が形成しやすくなり、赤血球が歯石に交じることで、黒い歯石になります。歯石を取ることで、出血と歯石形成の悪循環を断つことができます。

3.歯石はどうやって除去するの?

一度、固まってしまった歯石は、自分ではなかなか落とせないものなので、歯医者さんで落としてもらう必要があります。主な、歯石の除去方法は下記の通りで、歯石の付着した場所によっては、外科的な処置も必要となります。

3-1 スケーリング

先端が刃物になった「スケーラー」という器具や、超音波振動する特殊な器具を使って、歯石を削ぎ落としたり、砕き落としたりします。これを「スケーリング」と言います。お口の中をのぞいて、直接見ることが出来るような歯石は、こうした方法で比較的簡単に除去できます。

3-2 ディープスケーリング

歯石は外から見える部分だけでなく、歯と歯茎の間の歯周ポケットの中に形成されることもあります。スケーリングとの違いは、歯周ポケットの深さ4ミリ程度にある歯石も落とせることです。歯周ポケット内の歯石は固く、出血を伴っていることが多いので、出血が改善してから麻酔をして治療する事になります。

3-3 歯周外科手術

ディープスケーリングでは除去できない、さらに深いところに歯石がある場合には、歯茎を切開してから歯石を除去する、「フラップ手術」という方法で対応します。また、重度の歯周病を伴い歯槽骨が酷く下がってしまっている場合には、歯石を除去して、さらに骨を移植や再生する治療法などもあります。

4.歯石の付着を防ぐためには?

歯石は長い時間かけて固まるように思われがちですが、早いケースだと、わずか2日程度で、歯垢が歯石に変わってきます。歯石を予防するには、日々の徹底した歯垢の除去が欠かせません。

4-1 歯垢をしっかりと落とす

歯石は歯垢が固まったものですから、歯石付着の予防の基本は当然、日々のケアで歯垢を徹底して除去することに尽きます。正しいブラッシングを行うとともに、デンタルフロスなどの補助器具を使って、歯垢が溜まりやすい奥歯の間や前歯の裏側などを細かくケアすることも大切です。

4-2 出血の少ない健全な歯茎をキープ

歯茎に出血があると、歯垢が歯石になりやすい環境となります。既存の歯石自体が出血の原因となっているケースもあれば、過剰なブラッシングや歯ぎしりなど、他の原因もあるので、一度歯医者さんに相談してみましょう。

4-3 歯の表面の傷を修復

歯の表面のエナメル質に傷があってザラザラしていると歯垢がつきやすくなり、当然歯石を形成しやすくなります。研磨剤の粗い歯磨き粉を避け、エナメル質を強化してくれる歯磨き粉などを選びましょう。

4-4 歯並びを整える

歯並びが悪く、隣の歯と重なり合っているような場合には、そこに歯垢が溜まりやすく、歯石もできやすくなります。歯並びを整えることで、セルフケアをしやすい歯並びに改善するのも一手です。

4-5 PMTC

歯医者さんで行うPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)を受けることで、歯の着色汚れを落とすだけでなく、歯の表面をツルツルにすることができます。これにより、歯垢や歯石が付きにくくなります。

5.まとめ

歯石は、口臭の原因となるばかりではなく、口内環境を悪化させ、歯周病を引き起こす厄介者です。歯石は自分ではきれいに落とせないものですし、歯石→出血→歯石のできやすい環境という悪循環に陥ります。一刻も早く、歯医者さんでしっかりと落としてもらうのが得策です。

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監修医矢島昇悟先生

青山通り歯科 院長

■院長略歴

2007年 日本歯科大学 生命歯学部卒業
2008年 埼玉県羽生市 医療法人社団正匡会 木村歯科医院
2010年 埼玉県新座市 おぐら歯科医院
2011年 東京都文京区 後楽園デンタルオフィス
2015年 東京都港区 青山通り歯科 院長
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