自信を持って笑いたい! 紫の歯茎をピンク色にする方法

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自分の歯茎をまじまじと見る機会はあまり多くはありませんが、ふとしたきっかけでチェックしてみると、以前はピンク色だったはずなのにいつの間にか紫色になっていた、ということがあります。また、成長とともに乳歯〜永久歯と歯の状態が変わっていくお子さんの歯茎の変色をみつけて、病気等を心配するお母さんの声も多くあります。

紫色になってしまった歯茎には、さまざまな原因があります。原因を正しく把握し適切な対処をすることで、健康的な歯茎の色を取り戻していきましょう。

1.歯茎が紫色になる原因

先天的にメラニン色素を多く持つ人は、生まれつき歯茎の色が濃かったり色素沈着しやすい状態にありますが、それ以外の人は生活習慣やお口の状態等に何かしらの原因があります。

1-1 喫煙による影響

◆歯茎の血行不良

歯茎はその中にある毛細血管が透けて見えることでピンク色になっていますが、喫煙による一酸化炭素によって血行不良となると、毛細血管内を流れる血の量が少なくなり、その結果として歯茎が紫色になります。

◆有害物質の沈着

長年の喫煙によってタバコに含まれるタールやニコチンなどの有害物質が歯茎に染み込むことで、紫色になります。

◆ビタミンCの大量消費

タバコを吸うと、体内のビタミンCが消費されます。ビタミンCは色素を沈着させるメラニンを抑える働きを持つため、ビタミンCが不足しメラニンが抑制されないと、歯茎の変色も起こりやすくなります。ビタミンC、メラニン、色素の関係は、歯茎も肌の日焼けも同様なのです。

1-2 差し歯や被せ物の金属による影響

差し歯や歯の被せ物にはいくつかの金属が使用されますが、歯茎と接触している部分の金属から発生するイオンが歯茎に染み出すことで変色します。なかでも歯茎の黒ずみを起こしやすいのは、銀イオンです。

セラミックの差し歯などは一見すると白い歯のため関係ないようにも思いますが、その内部には金属が使われているため、歯の治療を行った経験がある方は金属の影響を疑ってみてください。

1-3 歯周病

初期段階の歯周病の歯茎は赤く腫れている状態ですが、これを放置すると症状が進行し、紫色になったり黒ずんできたりします。歯周病は歯茎を変色させるだけでなく、さらに悪化すると歯槽膿漏となり歯を失う恐れもあります。

また、糖尿病などの生活習慣病が原因で歯周病になったり、その逆で歯周病が心臓病や糖尿病の悪化、脳卒中をもたらすこともあります。歯茎の変色は口の中の問題だけでなく、体からの何かしらのサインとして捉えることが大切です。

1-4 口呼吸による口内乾燥

普段なかなか意識してはいませんが、自分が口で呼吸しているか、鼻で呼吸しているかをチェックしてみましょう。口で呼吸している場合、口の中が常に乾燥状態にあり、細菌が繁殖しやすくなっています。これにより歯茎が炎症を起こして変色します。

1-5 子どもの歯茎

乳歯が生えてきたり、乳歯が永久歯に生え変わるタイミング、また転んでどこかにぶつけてしまった場合などに、子どもの歯茎が紫色になることがあります。これについては項目4で後述します。(第4章で詳しく述べます。4.子ども特有の原因と対処法)

2.自宅で、自分でできる対処法

2-1 入念な歯磨き

しっかりと歯磨きをすることで、歯と歯茎の間の歯垢を取り除きましょう。歯間ブラシやフロスを使うことも効果的です。

◆歯茎を健康な状態に保つためのブラッシング

・歯茎を痛めないよう、硬すぎる歯ブラシは使わない
・力を入れすぎず、歯ブラシを小刻みに動かすようにする(歯茎のマッサージ効果もある)
・歯ブラシは歯周ポケットに対して45度の角度であてる

2-2 歯茎マッサージを行う

歯茎マッサージを行うことで歯茎の血流がよくなり、たまってしまった不純物を除去することができます。1日1回を目安に行います。

◆歯茎マッサージの方法

・歯磨きをして口の中を綺麗にしてから行う
・手を綺麗に洗う
・上下左右ともに人差し指の腹を使って、口の奥から手前へと歯茎全体をゆっくり5回程度なでる

◆歯と歯茎の間をやさしく5回程度なでる

爪を立てたり力を入れすぎたりして、歯茎を傷つけないように注意して行います。

歯周病

2-3 歯周病対策の歯磨き粉を使う

歯周病菌の殺菌・歯周病の予防効果や、歯茎の炎症をしずめる効果のある歯磨き粉が数多く市販されています。それぞれに効果や効能が異なるので、お口の状態にあったものを選んで使いましょう。

2-4 禁煙・減煙

禁煙補助薬の服用や禁煙外来を受診するなどして、可能なかぎり禁煙・減煙をしていきましょう。スマートフォンアプリにも、さまざまな禁煙サポートツールがあります。

2-5 規則正しい生活

適度な運動、バランスのとれた食事、規則正しい生活サイクルを構築することなどによって、日常生活から歯茎を健康にしていきましょう。前述したように、歯茎の健康と生活習慣病は強く結びついているため、お口の健康=体の健康と捉えることが大切です。

3.プロにまかせる対処法

短期間でピンク色の歯茎を取り戻したいという場合や、自宅でのケアでは不十分な状態にある場合は、歯医者さんを受診しましょう。

3-1 ガムピーリング

歯茎の黒ずんでいる部分に薬を塗って漂白し、ピンク色にする方法です。フェノール薬液を塗った後、消毒用アルコールで中和させます。個人差はありますが、処置後2〜7日後に黒ずみ部分が薬とともにはがれ、その下にできている新しい歯茎が見えるようになります。

表面麻酔を行えば治療中の痛みは少なく、その後も少しヒリヒリする程度です。虫歯や歯周病、知覚過敏のある方や妊娠中の方など、この処置を受けることができない条件があるため、歯医者さんとの相談が必要です。

3-2 歯科用レーザー治療

前述のガムピーリングで除去しきれないほど歯茎が黒ずんでいる場合には、レーザーを照射する治療法があります。レーザーをあてる瞬間にパチンと弾くような痛みがあることがありますが、我慢できない場合には歯医者さんと相談のうえ表面麻酔を行います。

数回のレーザー照射で効果があらわれますが、回数は黒ずみの度合いによって異なります。

定期健診

3-3 歯石除去(歯のクリーニング)

歯周病による変色や歯茎の炎症を防ぐために、歯医者さんで定期的に歯石をとってもらいましょう。一度できてしまった歯石は自分で取り除くことは難しく、歯石が付着した状態ではどんなに歯磨きをしても歯垢が残ってしまいます。歯石がない状態ならば、自宅でのケアもスムーズになります。

3-4 差し歯や被せ物の素材を変える

歯医者さんと相談のうえ、差し歯の内部や被せ物自体を金属以外の素材に変更しましょう。差し歯の内部に金属が使われているのはセラミック自体の強度を補うためですが、最近では内部に高強度のセラミックを使う差し歯もあります。これにより、金属イオンが歯茎に染み出してくる状況を回避することができます。

4.子ども特有の原因と対処法

4-1 新しい歯が生えてくる時

◆萌出性嚢胞(ほうしゅつせいもうほう)

乳歯が永久歯に生え変わる時に、歯茎が一時的に柔らかくなり腫れることがあります。歯が生えてくれば自然と治まりますが、もしこの状態から長期間歯が生えてこない場合には、歯医者さんを受診してください。

◆萌出性血腫(ほうしゅつせいけっしゅ)

萌出性嚢胞の状態になってからなかなか歯が生えてこず、腫れた歯茎が紫色になってしまった状態です。

この時歯茎の中では、歯が形成される過程でできる袋(歯嚢)に血が溜まってしまっており、その結果、歯茎が紫色に変色します。こうなると歯は自ら生えてくるのが難しくなってしまうため、歯医者さんで歯茎を切開してもらう必要があります。

萌出性嚢胞、萌出性血腫ともに、子どもにとっては痛みや違和感があるため歯磨きを嫌がることがありますが、歯磨きが十分でないと歯周病になるリスクもあります。柔らかい歯ブラシを使って、しっかり汚れを除去するようにしましょう。

4-2 転んで歯をぶつけてしまった時

転倒するなどして歯をどこかにぶつけてしまった場合、歯茎が内出血をして紫色になります。この時注意すべきことは、歯茎の変色に加えて歯がぐらついていないかどうかです。もしぐらつきがある場合は、歯が骨から離れてしまっている亜脱臼を疑いましょう。

さらに歯自体も変色している場合には、歯の神経が傷ついていることもあります。傷ついた神経は、治療をしないと歯の根の中で腐ってしまうため、歯医者さんを受診してください。

乳歯期の場合の神経損傷や歯のぐらつきは、永久歯が生えにくくなるなど、今後の歯の状態に影響します。どうせ次に永久歯が生えてくるから大丈夫と思わずに適切な治療を受けることが大切です。

5.まとめ

歯茎が紫色になる原因は、生活習慣や口の中の状態が大きく影響します。歯医者さんでいくら治療を行っても、その後に同じ生活をしていたり、口の中状態が悪化すれば、再び元に戻ってしまいます。歯茎の色は体からのサインと捉え、常に健康的なピンク色を保てるよう心がけていきましょう。

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