「ホワイトニングを受けたのに期待したほどの効果が得られなかった」なんてことはありませんか?せっかくのホワイトニング、効果が得られないのではもったいないですよね。原因は何でしょうか?ホワイトニングの方法によっても効果は変わりますが、効果を十分に得ることが難しい歯というもの存在するためアプローチの方法を変える必要があります。
そこで、こちらではホワイトニングの効果が低くなってしまう原因や、その対処法についてお伝えしていきます。これからホワイトニングを始める方も、効果がなかったという方もチェックしていきましょう!
※ 掲載する平均費用はあくまでユーザー様のご参考のために提示したものであり、施術内容、症状等により、施術費用は変動することが考えられます。必ず各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください。
1.ホワイトニング効果が十分に得られない6つの原因
1-1 すでに歯の神経が死んでいることが原因
転ぶ・ぶつけるといった外的要因が原因で、ある日歯がグレーになってしまうということもあります。
その場合、神経が死んでしまっている可能性が高いです。通常このような場合にはホワイトニングの表面から浸透させる施術では効果がないため行いません。
このようなケースでは、歯の内側に薬剤を入れて白くする「ウオーキングブリーチ」という方法が提案されます。ウォーキングブリーチであれば、神経が死んでしまった歯でも白くなる可能性があります。
自由診療なので5,000円から2万円程度と治療費は歯医者さんごとに異なりますので、事前に確認しておくと安心ですね。
1-2 子供の頃の歯科治療が原因
テトラサイクリン系の抗生物質を子供の頃に使用していると、歯の色が変色してしまう場合があります。人によってタイプは異なりますが、グレー系統やイエロー系統、ブラウン系統に変色したり、左右対象に縞模様が見られることもあります。
最近は使われることが少なくなっていますが、昔は、風邪薬のシロップや歯科治療に使用されていました。
神経が死んでいる歯と同様、エナメル質より下層にある象牙質の変色ですので、表面をホワイトニングしても白くなりにくいのです。
濃度の高い液をしようすれば白くなる場合もありますので、まずは歯医者さんで診てもらうことをおすすめします。
1-3 入れ歯や差し歯が原因
ホワイトニングは天然歯のための方法であり、歯と構造が異なるプラスチックなどの詰め物や差し歯は、ホワイトニングできません。
そのため、天然歯の部分は白くなり、詰め物はそのままの色のままで目立ってしまうこともあるので、目立つ場所に詰め物がある場合は注意が必要です。
1-4 エナメル質が薄いことが原因
酸性の飲み物などによってエナメル質が溶けてしまうことを酸蝕といい、エナメル質が薄いと歯が透けて見え、象牙質の色が反映されて黄色み帯びて見えることがあります。ホワイトニングはエナメル層より上にあるペリクルという層を白くしていくので、酸蝕歯ではホワイトニング効果を得ることはできません。歯医者さんで薬剤を塗ってもらうなどして、まずは酸蝕歯の改善に努めましょう。
1-5 加齢による着色が原因
「年齢とともに歯に着色汚れが溜まってしまい、数回のホワイトニングでは効果がでない。」または「加齢の影響で歯の色が濃くなり、歯の色が黄ばんで見える。」という経験をされた方は多いかと思います。加齢によって象牙質の色が濃くなる傾向があり、上の文でも説明したとおり、歯の下層部分の色はホワイトニングでは効果が及びません。歯を白くする方法はホワイトニングだけではないので、どうしても気になるという方は、歯医者さんで相談してみましょう。
1-6 金属による黒ずみが原因
差し歯や被せ物に金属を使っていると、金属がしみ出して歯や歯と歯茎の間が紫や黒に変色してしまうことがあります。これは、歯が変色するというよりも歯茎が黒ずんでしまっている場合が多いです。
この場合はホワイトニングではなく、ガムピーリングと呼ばれる、歯茎のに付いてしまったメラニン色素の除去を検討してみてはいかがでしょうか。ガムピーリングはタバコが原因のヤニ汚れにも効果的なので、歯茎の着色をどうにかしたい方は歯医者さんに相談してみましょう。
2.効果が薄いホワイトニングをしていることが原因となることも
2-1 セルフホワイトニング
おしゃれな雰囲気のサロンで、お手軽にホワイトニングができることで人気が出ており、最近数を増やしているセルフホワイトニング。
ホワイトニングの専門店として営業していますが、実は無資格でも始められるため、中には十分な知識を持つスタッフがいない店もあります。
過酸化水素を主成分とするホワイトニングは薬事法上、歯科医院、もしくは歯科医師や歯科衛生が在籍していないと施術ができないと定められています。
セルフホワイトニングサロンと呼ばれる店舗では、使用している薬剤も、歯医者さんと同等の効果が高いものは使用できないため、効果が限定的になります。
使っている薬剤は、歯の汚れを除去することできれいになったように見えるだけで、漂白効果ではありません。
2-2 市販のホワイトニング
市販のホワイトニング剤もセルフホワイトニングと同じ理由で、歯医者さんで使われるような、高い効果が得られるものは販売されていません。
市販されているものとして、よくみられるのは変色防止用の食品添加物としても使われているポリリン酸を含むホワイトニング剤です。こちらも歯の表についた汚れを落とすことができる効果はありますが、歯の漂白とはなりません。
3.ホワイトニング効果を上げるコツ
3-1 歯の汚れや歯石を落としておく
下準備をしておくことで、歯医者さんのホワイトニングでも、自分で行うホワイトニングでも効果を感じやすくなる場合があります。その第一のステップは、歯の表面についた汚れを落とすことです。
口の中は食べ物を咀嚼する場所でもあり、歯磨きだけでは汚れが落としきれない場合もあります。着色汚れのステインや歯石がついていると薬剤が歯に浸透しにくく、効果が得られるまでに時間がかかります。また、歯石がたまったことが原因でエナメル質が溶け出してしまい、ホワイトニング剤を塗った時にしみることもあります。そのため、歯石は事前に除去しておくことをおすすめします。
3-2 着色しやすい食べ物を控える
ワインやコーヒーをたくさん飲むと歯にステインがついてしまうことは知られていますが、緑黄色野菜やカレー、着色料の入った食べ物も歯を着色する効果があります。
特に、ホワイトニング直後は、ぺリクルという歯の表面を守るための膜が剥がれており、歯に色がつきやすい無防備な状態です。いつもより染まりやすいため、ペリクルが復活する12時間から24時間の食事には注意が必要です。
ホワイトニング直後でも、着色しづらい食品としては、パイナップルやパパイヤ・キウイのように汚れを分解する酵素を持った果物がおすすめです。また、エナメル質の再生を助け保護するチーズ・牛乳・ヨーグルトなどもいいですね。
4.ホワイトニング以外で歯を白くする3つの方法
4-1 ラミネートベニア
ラミネートベニアとは、セラミックべニアとも呼ばれる歯の表面を0.5mmほど削ってセラミックでできた板を貼る方法です。削る面積は少ないため、歯への負担も比較的小さく、歯を長持ちさせることができます。
また、表面はセラミックなので好みの色を再現しやすく金属も使っていないため審美性にも定評があり、費用もセラミッククラウンと比べて手の届きやすい価格です。
以前からあった方法ですが、薄いセラミックの板を作る技術が進んだことで、よく用いられるようになりました。
治療期間:最低2回の通院が必要。セラミックができるまで1週間程度かかる。
費用相場:2~10万円
4-2 歯のマニキュア
爪を彩るネイルのような感覚で、歯の表面を専用のマニキュアでコートする方法もあります。歯医者さんで行うと本格的ですが、市販されているものを利用して気軽に自分で行うこともできます。
自分で行う場合は、汚れや歯の水分を取るなど下準備をして、薄く重ね塗りしていくときれいに仕上がります。ただし、飲食や歯磨きによって剥げてしまうため、きれいな状態を継続したい場合は、毎日塗る必要があります。
歯医者さんの場合、効果は2~3ヶ月持続し、輝きツヤのある仕上がりに。少しの間、白い歯でいたい、手っ取り早く白くしたいという方にもおすすめです。
・歯医者さんの場合
治療期間:30分~1時間程
費用相場:約2000~4000円/1本
・市販の歯のマニキュア
治療期間:慣れれば10分ほど
費用相場:1,000円程度
4-3 PMTC
PMTCは、ホワイトニング効果そのものはなく、歯の表面の汚れを除去するためのものです。ステインや歯ブラシで取り切れなかった汚れなどが落ちるため、歯が持つ本来の白が際立ち、今までよりも白くなったように感じられます。
また、PMTCは自費の場合もありますが、同じように歯の表面をきれいにする歯のクリーニングなら3ヶ月に1度の割合であれば保険も適用されます。費用が気になる方はクリーニングを活用しましょう。
治療期間:30分から1時間程度
費用相場:自費5,000円から2万円、保険適用3,000円前後
5.まとめ
歯のホワイトニングで十分な効果が得られない理由は人それぞれです。一度やってみて、うまくいかなかったという方は、歯医者さんに相談して薬剤を変えたり、ホワイトニング以外の方法を検討したりといったように、アプローチの方法を見直してみることをおすすめします。
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監修医野崎康弘先生
医療法人社団 医康会 ジェイエムビル歯科医院 院長
■院長経歴
1990年 日本歯科大学 卒業
1990年~1995年 医療法人社団医恵会 勤務
1996年 ジェイエムビル歯科医院 開院