あまり知られてない!インプラントのデメリット

あまり知られてない!インプラントのデメリット

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歯の治療をしようと思っている人の中には、インプラントという治療を聞いたことのある人も多いはずです。インプラント治療は、入れ歯やブリッジと異なり、顎の骨に人工歯根を直接埋め込んで人工の歯をかぶせる方式です。インプラントのメリットについてはしばしば説明されているのですが、デメリットに関しては触れられる機会が少ないです。インプラントも治療の一種である以上デメリットやリスクのあることも理解して、治療を受けるかどうか判断しましょう。

※ 掲載する平均費用はあくまでユーザー様のご参考のために提示したものであり、施術内容、症状等により、施術費用は変動することが考えられます。各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください。

この記事の目次

1.インプラント治療のデメリット

 

1-1 差し歯との違い、手術が必要

インプラントが他の入れ歯やブリッジと決定的に異なるのは、外科手術になるという点です。人工歯根を顎の骨に埋め込むという工程が必要になるので、部分麻酔を使って手術を行います。手術中は麻酔の作用で痛みを感じることはほとんどありませんが、手術後強い痛みや腫れ、内出血を伴うこともあります。

また手術である以上、失敗するリスクも考えらます。神経が傷つき顎の骨の近くに麻痺が残る、大きな血管を傷つけることで大量の出血が伴ってしまうなどの可能性はゼロではありません。

1-2 まれに体質に合わない場合がある

インプラント手術は顎の骨の中に人工歯根を埋め込んでから、しばらく経過観察します。時間の経過とともに骨とインプラントが癒合することで土台が定着します。しかし人によってまれではありますが、骨とインプラントの癒合が進まずにぐらぐら動いてしまうことがあります。

その場合にはインプラントが定着せず、別の対処法を検討する必要があります。虫歯など問題のある歯を長時間放置していると、抜歯などの治療をしても周辺の骨が元の状態になかなか戻らず、このような人工歯根がぐらつくリスクが高まります。

1-3 骨が弱い方にはインプラントが出来ない事も

インプラント治療は全ての人が行えるというわけではありません。特に重度の糖尿病や骨粗しょう症の方は治療できない可能性があります。骨が元々もろいためインプラントに骨が付かない、治療をしても手術をした箇所の治りが悪いといったことも起こりえます。

ただし糖尿病が薬などによってコントロールされている場合や、骨粗しょう症の薬の服用を中断しても十分な骨の硬さがある場合には、治療可能と判断されることもあります。もしこのような疾患を抱えているのであれば、主治医と相談してインプラント治療が可能かどうか確認をしておきましょう。

1-4 子供や妊婦は治療できない

インプラント治療は、小さな子供に対して行うことができません。特に成長期前後の子供は、顎の骨の厚みや形状がどんどん変化していく可能性が高いためです。顎の骨の変化が進むことで、正常な歯からインプラントがずれる、他のインプラントがあたるといった問題が起こることが考えられます。
18~20歳前後になると骨の成長が止まるため、そこからインプラント治療を受けましょう。同じく、妊婦もインプラント治療は受けることができません。

インプラント手術を受けた後には抗生物質や痛み止めの薬を服用しなければならず、これらの薬がお腹の中の赤ちゃんに影響を与える可能性があるためです。出産、卒乳するころまではインプラント治療は控えるべきでしょう。

2.費用や期間のデメリット

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2-1 保険適応外なので費用が高い

インプラントは入れ歯やブリッジと違って、保険が適用されません。どの歯科医院で治療を受けても自由診療となります。そのためインプラントの治療は高額な費用が掛かる事は覚悟しておかなければなりません。

クリニックによって治療費に違いがありますが、相場は30~50万円です。費用をどのようにするかをあらかじめ考えておく必要があります。

2-2 医院によって費用が異なる

先ほども紹介したように、インプラントは自由診療です。保険診療の場合、厚生労働省の決めた報酬点数がありますので同じ治療であれば、どのクリニックで受けても治療費はほぼ同じです。しかし自由診療の場合クリニックで価格設定ができることから、同じ治療方式でもインプラントの材質などによって費用が異なるケースや、大都市は費用が高くなることがあります。

ただし、あまり治療費のかからない病院で手術を受ける場合、執刀医に十分な経験がない、治療に必要な設備が整っていないなど、何らかの問題を抱えている可能性も少なからず考えられるため、注意が必要です。

2-3 治療期間が長くかかる

インプラント治療では人工歯根を埋め込みますが、それが顎の骨の中で結合しないと次のステップには進めません。また顎の骨の厚みや形状に合わせて手術をする必要があります。このため、CTスキャンなどを使い顎の骨の形状を確認することや、噛み合わせのチェックにも時間がかかります。

インプラントが骨に定着して、人工の歯を付ける段階に至るまでトータル3か月から10か月かかります。もし少しでもインプラントの治療を早くしたい場合には、すぐに仮歯を入れて対応できるクリニックを探すと良いでしょう。そうすれば、歯の欠けた状態ができるだけ短くなるからです。※システムによっては、手術を終えたその日に仮り歯を入れることが可能なものもあります。

3.治療後に気を付けたいこと

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3-1 定期的なメンテナンスが必要

インプラントの手術が完了すれば、それで終わりというわけにはいきません。インプラントを長い期間使い続けるためには、日ごろからのメンテナンスが必要です。歯ブラシを使ったブラッシングはもちろんのこと、歯と歯の間、歯と歯茎の隙間に食べかすが入った場合には、歯間ブラシやデンタルフロスなども使い丁寧に口の中をきれいにしておくことが必要です。

しかし自分流の歯みがきだけでは十分ではないかもしれません。そこで数か月に1度くらいのペースで、歯科クリニックを訪れて専門家による口腔内のメンテナンスをお願いしましょう。手入れを怠ってしまうとインプラント歯周病にかかり、せっかく入れた人工歯根が取れてしまうこともありますので注意しましょう。

3-2 口臭が酷くなることもある

インプラントの治療を行った後で、口臭がきつくなるというケースがあります。インプラントを行った部分に何かしらのトラブルが発生している可能性があります。例えばメンテナンスが不完全で食べかすなどの歯垢がつまっている、インプラントと人工の歯を連結する部分のネジが緩んだことで隙間ができ、そこに歯垢や雑菌が入り込んでいるケースなどです。

もし口臭を周囲から指摘されたのであれば、一度治療を行ったクリニックで、インプラント部分をチェックしてもらいましょう。

4.それでもインプラントが良いとされる理由は?

4-1 根元から失った歯を取り戻せる

交通事故などの衝撃で歯を失ってしまった人の中には、歯を根元からなくしてしまったという人もいるでしょう。そのような人でも顎の骨に直接インプラントを埋め込むこの治療法であれば、見た目を自分の歯のように補うことも可能です。その他目安として、1本から数本の歯を根元から失った場合はインプラントを検討するとよいでしょう。

4-2インプラントなら残存歯の負担も少ない

ブリッジを使った治療の場合に問題となるのは、失った歯の隣の歯にバネなどを使って補綴物を埋め込まないといけない点です。このバネの形状に合わせて、たとえ健康で一切問題ない歯でも削る必要があります。しかしインプラントは歯の抜けた箇所だけを削り埋め込むため、隣の健康な歯を一切傷つけることがありません。

4-3 見た目が良く、機能性も高い

インプラントで使われる人工の歯は、自分の歯に近い見た目の素材を使っています。このため、他の補綴物を使った時と比較すると自然な仕上がりになります。

また顎の骨をカバーした入れ歯だと硬い食べ物が噛み切れなくなることもありますが、インプラントは顎の骨に直接埋め込むので、噛む力が自分の歯と比較してもそれほど違いないのも魅力です。

5.まとめ

メリットが多いインプラントですが、一方で費用や外科手術であることなど、デメリットも存在しています。不安な方は、大学病院などのインプラント科での相談をおすすめします。

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監修医野崎康弘先生

医療法人社団 医康会 ジェイエムビル歯科医院 院長

■院長経歴

1990年 日本歯科大学 卒業
1990年~1995年 医療法人社団医恵会 勤務
1996年 ジェイエムビル歯科医院 開院

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