前歯をオールセラミックにすることで、口元の美しさを際立たせてくれます。では、オールセラミックとは、どのような素材なのでしょうか。誰にでも適用性があるのでしょうか。
オールセラミックの治療とは、金属を使わずに白いセラミック製の被せ物で治療を行う方法です。自然な白さで、金属アレルギーの方でも安心して治療が受けられることが嬉しいポイントです。美しく白い前歯であなたも笑顔にさらに自信が持てるはずです。
※ 掲載する平均費用はあくまでユーザー様のご参考のために提示したものであり、施術内容、症状等により、施術費用は変動することが考えられます。必ず各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください。
この記事の目次
1.前歯のオールセラミック治療の流れ
前歯のオールセラミック治療の流れは大まかにどうなっているのかをご紹介していきます。
治療を受けようか悩んでいる人は、どのような問診があり、どのような検査を行っていくのか気になるかと思います。大まかな流れを事前に把握して、自分に適した治療方法なのかをチェックしてみましょう。
1-1 問診、カウセリング
最初に、問診で前歯のどの部分が気になるのかをチェックしていきます。歯の黄ばみが気になる、歯が欠けてしまった、といった患者さんのニーズを吸い上げていく工程です。
オールセラミッククラウン(被せ物)が、自分に適した治療方法であるのかを見極めていくことができます。カウンセリングを行い、治療計画を歯医者さんと共に練っていきましょう。
1-2 歯の形成
歯の治療の原因となっている虫歯や、以前に治療済みの被せ物を除去し、オールセラミックの土台を作っていきます。このとき、神経のない歯に関しては、割れにくいようにグラスファイバーの土台を作っていくのです。オールセラミッククラウンを装着する準備を整えていく工程になります。
1-3 仮歯で歯肉の状態を整える
オールセラミッククラウンを入れる前に仮歯で見た目を修復します。また、入れる前に、歯肉の状態を整え、歯茎の下がり具合などを調整していくのです。
1-4 型取り
見た目に美しい前歯に整えるために型取りを行います。正確な型を取ることで、オールセラミックの馴染み度合いや、つけ心地が変わってしまうので、大切な工程です。
1-5 セラミック歯の装着
型を取ったセラミック歯を口に合わせて最終調整していきます。しっかりと調整した後に実際に装着していくのです。オールセラミッククラウンは、一度装着すると取ることができないので、しっかり最終調整を行う必要があります。オールセラミックの前歯はおおよそ1〜2週間で口腔内に馴染むでしょう。他の歯と歯茎に馴染んで自然の歯となっていきます。
2.前歯のオールセラミックの治療期間
オールセラミックの治療を検討していても、期間がわからないと治療に踏み切れない場合もあることでしょう。この章では、治療期間はどの程度かかるのかをご紹介していきます。
しっかりおおよその期間を理解した上で治療に臨むことで、治療に対するモチベーションが上がっていきます。
2-1 治療期間は1〜3か月
前歯のオールセラミッククラウンの治療期間はおおよそ1〜3か月になります。治療内容によっても異なりますが、約2〜5回の治療が必要です。好みの白さに調整するために、撮影や微調整を重ねて、作成していくことになります。
治療の間には、仮歯が装着されるため、見た目が不自然にはなりません。安心して治療を受けることが可能です。
2-2 期間が長くなる場合
オールセラミックの治療を施す前歯の本数が多い場合や、歯の状態、歯茎の状態によっては、治療が長引く場合があります。状態が悪い場合には、歯や歯茎の治療を行った後のオールセラミッククラウンの装着になるためです。
また、仮歯を入れた後の歯茎の下がり具合でも、型取りしたオールセラミックックラウンが合わない場合があるため、作成のやり直しが発生してしまいます。口腔内の状態や、患者さんの特徴などで治療が長引く場合もあることを事前に理解しておきましょう。
3.前歯のオールセラミック治療の料金
オールセラミックの治療にはどの程度の料金がかかるのでしょうか。セラミッククラウン自体の料金以外に、土台にかかる料金や、仮歯に掛かる料金も発生します。
オールセラミックの治療には保険が適用されませんが、費用のおおよその相場を知ることで、自分にあった治療のかたちを見つけてみてください。
3-1 歯1本あたりの費用
オールセラミックの治療は保険の適用外になります。自由診療となりますので、しっかり予算を考えて治療の相談をするようにしましょう。
前歯1本あたりのオールセラミッククラウンの費用は、おおよそ7万円〜16万円とされています。オールセラミックは前歯を美しく見せるために良い素材のものを利用する歯医者さんが多くあります。歯医者さんによって価格帯は異なります。
3-2 土台にかかる費用
オールセラミックの土台には、ファイバーコアを利用することが多いでしょう。土台にかかる費用の相場は、おおよそ1万円〜3万円になります。仮歯にもおおよそ5千円程度の費用がかかることが多いです。
土台は、その後のクラウンの美しさに関わる部分なので、美しく見える土台をしっかり相談して治療を行うようにしてください。
4.美しさだけではないオールセラミックの魅力
オールセラミックにすることで、自然な白さと歯の透明なエナメル質と類似した質感を出すことができ、自分で歯の白さを選ぶことも可能です。もう少し白くしたいなどの要望を叶えることができるのも、オールセラミックの大きな魅力といえるでしょう。
しかし、それだけではありません。オールセラミックは美しく見せるためだけのものではなく、その他にもあらゆる利点が存在します。
この章では、見た目の美しさ以外のオールセラミックの特長を紹介していきます。
4-1 金属アレルギーでも大丈夫
オールセラミッククラウンでは、金属を使わないため、金属アレルギーの人でも安心して治療することができます。
また、金属アレルギーのない人であったとしても、金属から少しずつ漏れ出るイオンに起因して起こる金属アレルギーの危険性がありません。オールセラミッククラウンでは、潜在的な金属アレルギーの心配がないのです。
4-2 虫歯になりにくい
オールセラミッククラウンを被せることで、精密なクラウンができるために虫歯になりにくい効果が期待できます。現在のオールセラミックの技術では、コンピューターでクラウンを作成することから、余分な隙間などができないことが特徴です。そのため、歯の汚れがつきにくく、ブラッシングがしやすいという特徴があります。
4-3 歯肉に影響が出にくい
オールセラミックを利用することで、歯肉の変色を防ぐことが可能です。金属やメタルボンドを利用した場合には、少しずつ金属が溶け出し、歯肉に黒ずみが発生する恐れがあります。オールセラミックの場合には、一切金属を利用しないため、歯肉の黒ずみの心配がありません。
5.オールセラミックはこんな症状の方におすすめ
前歯のオールセラミックは、歯の変色や歯並びが気になっている方にも適しています。この章で詳しく紹介していきます。
自分の前歯の状態が気になっている方は、ぜひ一度、歯医者さんでオールセラミックを検討してみましょう。
5-1 前歯の神経がダメになって変色している
虫歯治療の影響で前歯の神経がダメになってしまって、歯や歯茎が変色してしまっている人におすすめできます。オールセラミックにすることで、美しい土台と白い歯を手に入れることができるのです。
5-2 歯並びが気になる
前歯の歯並びが気になっている人にもオールセラミックはおすすめです。コンピューターで歯の大きさを詳細に計算してクラウンを作成することができます。また、歯が欠けてしまった、歯がギザギザしている場合にも美しい前歯を手に入れることが可能です。
5-3 金属治療で歯肉が黒く変色している
金属治療を行った前歯や歯肉が変色してしまっている場合にもオールセラミックは有効です。美しい前歯を再現することができます。
6.まとめ
この記事では、前歯のオールセラミックの治療についてご紹介してきました。美しい前歯で自信のある笑顔を取り戻したい人には、適した治療方法といえるでしょう。また、歯の変色が気になっていた方にもおすすめです。前歯でお悩みの方は、ぜひ一度歯医者さんに相談してみてください。
この記事は役に立った!
監修医小川隆介先生
後楽園デンタルオフィス 院長
■院長経歴
2005年 日本歯科大学 卒業
2005~2006年 東京医科歯科大学摂食機能構築学 医員
2007~2011年 東京都内歯科医院 副院長
2011年 後楽園デンタルオフィス 院長就任
現在に至る