1歳のときの歯は何本ある?どんな状態だったらOK?

1歳 歯

1歳のときの歯は何本ある?どんな状態だったらOK?

少しずつ言葉がハッキリしてきて成長が著しい1歳の時期ですが、このころになると歯が生えてくるスピードが赤ちゃんによって違うため、ほかの子と比較して心配になっていませんか?この記事ではなかなか生えそろわない子どもの歯を不安に思っているお父さんお母さんに対して、1歳のときの歯がどのくらいの本数ありどんな状態であればよいかを解説します。また、1歳の歯がザラザラしている理由、乳歯の間に隙間があるのは大丈夫なのか、1歳の歯で気をつけるべきポイントを知りたい人も読んでみてくださいね。

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この記事の目次

1.1歳の歯は何本あるのが普通?

歯の本数

乳歯は前歯が上と下で6本ずつあり、奥歯が上下左右合わせて4本あるため、合計20本あるのが普通です。
平均して1歳頃には上下の前歯4本が生えそろいます。

しかし、生え始めの時期は個人差があるため、1歳のときの歯の本数は赤ちゃんによって違います。
4本生えている場合もあれば、まだ1本も生えていないという場合もあるでしょう。

1歳 歯

1歳で少しずつ歯が生えてくれば問題ない

子どもによって、歯が生えるスピードや順番には個人差があります。
ほかの子と比べて子どもの歯の生え始めが遅いと不安になるものですが、過剰に心配する必要はありません。
生後6~9か月くらいで下の前歯、9~10か月くらいで上の前歯が生えてきますが、平均してもこのように開きがあります。
もしほかの子より生え始めが遅かったとしても、1歳くらいの時点で少しずつでも歯が生えてきているようなら問題ありません。

ただし、1歳3か月くらいになってもまだ歯が1本も生えていないようなら、一度、歯医者さんに相談してみることをおすすめします。

すき間があるのが普通

乳歯が生えてきて、いわゆる「すきっ歯」だったことに驚いているお父さんやお母さんがいるかもしれません。
しかし、乳歯の状態では、歯と歯の間にすき間があるのが普通です。
永久歯は乳歯よりひとまわり大きいサイズなので、永久歯が生えそろうとすきっ歯でなくなることがほとんどです。あまり気にせず見守りましょう。

逆に、乳歯のときにすき間なしでピッタリ生えそろっていると、ひとまわり大きい永久歯が生えにくくなる恐れがあります。
この場合、すき間がないところに無理やり永久歯が生えてこようとするので、歯並びが悪くなってしまうこともあります。

2.歯の生えてくる順番

子どもの歯が生える大まかな順番は以下の通りです。

生後半年~9か月:下側の前歯
9~10か月:上側の前歯
11か月~1歳:上側の歯が4本
1歳2か月~1歳半:奥歯(第一乳臼歯)
1歳9か月~2歳:犬歯
2歳半:奥歯(第二乳臼歯)

ただし、この流れはあくまでひとつの目安です。
生える順番が前後することは珍しくありません。
多少の個人差であれば、気にする必要はありません。

乳歯の生える順番

3.赤ちゃんの歯の表面がザラザラしているのはなぜ?

歯がザラザラしている理由

赤ちゃんの乳歯や生えたばかりの永久歯は、歯面がザラザラとしているので汚れが溜まりやくなっています。
汚れが溜まると、細菌が増えやすくなり、虫歯になりやすい状態です。
また、生えたての歯は細菌が生み出す酸にも弱く、虫歯の進行が早まります。

加えて、以下のような食べ物を多く与えていると、口内が虫歯になりやすい環境になります。

・甘いお菓子(あめやグミ、キャンディーなど)
・糖分が多く含まれた飲料(ジュース)
・糖分を添加した牛乳や糖度の高い果汁

歯がザラザラするのは、これらの食品を食べることによって口内が酸化し、唾液による歯の修復(再石灰化)が遅れることも要因の一つです。
再石灰化が遅れると、歯から溶け出したエナメル質が元に戻らないことがあります。
そのため、余計に歯の表面がザラザラしてしまいます。

甘いお菓子やスナックを食べる赤ちゃん

歯がザラザラしている場合の対処法

フッ素塗布

虫歯を予防するため、歯医者さんでフッ素塗布を受けましょう。
フッ素塗布は、歯の表面に高濃度のフッ素を塗り数分置くことで、歯から溶け出したカルシウムやリンの再石灰化を促す処置です。
また、歯の表面のエナメル質にフッ素が取り込まれて、酸で溶けにくい硬い歯質にすることも期待できます。

与えるおやつを選ぶ

おやつには、昆布や小魚などの噛みごたえのあるものを選んでみてはいかがでしょうか。
甘いお菓子はザラザラした歯を作りやすく、多く与えることで虫歯になりやすくなります。
子どもの食生活を見直してあげると同時に、家族で食事内容に気を配るようにしましょう。

口内のケアをする

自宅での毎日の歯みがきも大切です。
歯と歯の間や奥歯は特に丁寧に磨いてあげ、場合によっては歯間ブラシやデンタルフロスを使いましょう。

4.歯が生え始めのときにおこないたい虫歯予防

歯みがきやガーゼ磨きに慣れさせる

歯が生え始めたからといって、すぐに歯ブラシを使ってゴシゴシこすると赤ちゃんは痛がってしまいます。
最初は濡れたガーゼなどを使い、遊ばせながら歯を拭くことから始めましょう。

まずは、口の中にガーゼや歯ブラシを入れることを嫌だと思わせないことが大切です。
そうすることで、成長したときの歯みがき嫌いを予防できます。

口移しなどは控える

2歳くらいまでの子どもの口の中には、虫歯や歯周病のもととなる病原菌はいないといわれています。
しかし、お父さんやお母さんが虫歯になっていると、唾液を経由して虫歯菌に感染してしまいます。
そのため、赤ちゃんに食べ物を噛みくだいて与えたり、キスといったスキンシップは控えた方がいいでしょう。

唾液で感染してしまうため、ちょっとしたくしゃみや咳が原因で感染してしまうこともあります。
周囲の大人が歯医者さんに通い、虫歯治療をしたり口内を清潔に保ったりしておくことが必要です。

赤ちゃんにキスをするお母さん

歯が白くなったり白濁したりしたら要注意

乳歯の虫歯は進行が早く、初期虫歯の色は黒ではなく白いことがあります。
また、虫歯によって歯の色が白く濁っていることもあります。
しかし、白く濁っていたらすべて虫歯というわけではなく、歯の裏側に白っぽい歯石がついているだけの場合もあります。

虫歯かどうかお父さんお母さんが判断せず、歯医者さんに相談してきちんと診てもらうことをおすすめします。

虫歯の乳歯を放置するリスク

乳歯はいずれ永久歯に生え替わるものですが、だからといって虫歯を放置してはいけません。
乳歯の虫歯をそのままにすると、様々なリスクが発生します。

・永久歯が虫歯になりやすくなる
乳歯の虫歯を放っておくと、歯の根元まで膿(うみ)が溜まることがあります。
そのため、乳歯の下から生えてくる永久歯まで虫歯菌に感染しやすくなります。

・永久歯が茶色く変色することがある
永久歯が虫歯菌に感染した場合、茶色く変色した状態で生えてくることがあります。

・歯並びが悪くなりやすくなる
乳歯が虫歯になると、予定より早く抜けてしまうことがあります。
すると、周辺の歯が隙間を埋めるように倒れてきてしまい、永久歯が生える場所が十分になくなってしまいます。
その結果として、歯並びがガタガタになってしまう恐れがあります。

・あごの発育に悪影響をおよぼすことがある
子どもの歯は神経が占める割合が大きく、虫歯の進行にともなう痛みを感じやすい傾向があります。
その痛みを避けるために、食事をあまり噛まずに飲み込むことがクセになると、あごの筋肉の発達に悪影響を及ぼします。

虫歯になった乳歯

5.まとめ

1歳のうちに虫歯予防をおこなうことで、将来、健康な歯を残せる可能性が固まります。
もちろん1歳になる前に乳歯が生えてきた場合は、もっと早くから虫歯にならないようケアすることが大切です。

お父さんお母さんや家族から虫歯菌がうつることがあるため、家族そろって歯医者さんに通い、お口の中を清潔にしておくのが理想的です。
赤ちゃんを虫歯にしないために、家族で努力していきましょう。

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監修医 遠藤三樹夫先生

遠藤歯科クリニック

院長

【経歴】
1983年大阪大学歯学部 卒業
1983年大阪大学歯科口腔外科第一講座 入局
1985年大阪逓信病院(現 NTT西日本大阪病院)歯科 勤務
1988年遠藤歯科クリニック 開業
現在に至る
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