子ども 矯正 痛み

矯正中の子どもが感じる痛みの種類と注意点

歯並びを矯正するときには特殊な装置をつけて歯を動かしていきます。そこで気になるのが、痛みではないでしょうか。歯が動くということは、かなりの痛みがありそうな感じがしますよね。しかし、どの程度の痛みがあるのかというのは使用する矯正装置によって異なります。


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ここでは、矯正中に感じる痛みについてお伝えします。子どもが我慢できるほどの痛みなのか気になっているお母さんは、主な矯正装置ごとの特徴を理解しておきましょう。

矯正中の子どもが痛みを感じるケース

痛みには個人差がある

「矯正中に痛みはあるのか」と聞かれても、厳密に答えるのが難しいでしょう。なぜなら、痛みの感じ方には個人差があるからです。同じ矯正を行ったとしても、痛みをまったく感じない子もいれば、すごく痛いと訴える子もいます。「この矯正治療なら痛みをまったく感じない」とは言いきれないのです。

歯が動くときの痛みがある

矯正装置をつけると歯を動かすための力が働くので、どうしても痛みがでてしまいます。ただし、矯正装置をつけている間ずっと痛いわけではありません。一般的には、かたい食べ物をかんだときなどに一時的に痛みを感じることが多くなります。
しかし歯が動いているときには、食べ物をかんだときに痛み以外にも、歯に触れると痛い、歯がしめつけられるように痛いと感じるのが一般的です。ときには、なにもしなくても痛い場合もあります。なかには、頭痛が生じるケースもあるほどです。
このように痛みがあるときには、やわらかい食べ物を食べるようにするなど、日常生活のなかで工夫が必要です。痛みどめを飲ませる場合もありますが、そこまで痛みが強くなるケースは少ないでしょう。痛み止めを飲ませることも可能ですが、痛み止めが必要なほど痛いと訴える子はほとんどいません。

矯正装置のつけ始めが痛みやすい

矯正し始めのころは装置をつけている状態に慣れていないため、違和感や痛みがあるという子がでます。矯正装置をつけ始めてから最初の数日が一番痛みを感じやすいでしょう。
矯正をし始めてしばらく経ったころにワイヤーを調整しますが、その頃にも半日から1日ほど痛くなることがあります。しかし、最初に矯正装置をつけたときよりも痛みの程度は軽い傾向にあるようです。

矯正装置があたって痛む

つけている矯正装置が口内の粘膜や舌にあたって痛みを感じることもあります。とくに頬やくちびる、歯肉、舌などは装置があたると痛みが生じやすい部位です。矯正装置の刺激により口内炎ができたり、歯肉に傷ができたりするケースもみられます。
矯正装置があたることでの痛みは、通常数日で解消されますが、痛くて我慢できないときは装置のあたる部分にワックスなどを塗って保護しましょう。

痛みが原因で矯正をやめる子はほとんどいない

矯正中にある程度の痛みは起こります。しかし、重篤な問題が原因で痛みが起こっているわけでないのなら、矯正をやめてしまう子はほとんどみられません。心配するほどの痛みではなく小学校低学年の子でも我慢できるほどの痛みと考えてください。一般的には、治療が進んでいくと痛みは気にならなくなります。

矯正装置によって痛みが異なる

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マルチブラケット装置

ワイヤーを連結するための留め金ブラケットを歯の表側につけ、歯を正しい位置に動かす装置です。現在、主流の矯正装置といえるでしょう。形状記憶合金でできているワイヤーがまっすぐに戻ろうとする力を利用して、歯並びを整えていきます。
マルチブラケット装置は歯全体に痛みが生じやすく、矯正装置の中でもっとも痛みを感じやすいといわれています。
年齢による違いや個人差がありますが、装置をつけてから2~3日ころに歯が動く痛みがピークをむかえます。装着後2~3日は、かたいものを食べないようにしましょう。

顎外固定装置

顔の外に装置のほとんどがでている装置で、取り外しができます。口内に装着する装置では歯を動かす力が足りない場合に、夜などに自宅で装着します。朝に奥歯や前歯が痛むことがありますが、通常は数日で痛みが気にならなくなるでしょう。
顎外固定装置には、次のような種類があります。

・ヘッドギア……出っ歯を改善する装置で、奥歯を後ろに動かします。
・チンキャップ……下顎前突や反対咬合の改善に使用する装置です。ヘッドキャップをかぶり、下あごにチンキャップを被せてゴムでつなぎ、下あごの骨をひっぱります。
・MPA……あごと額に装置をつけますが、その間に上あごをひっぱるためのワイヤーがついています。上顎牽引装置とも呼ばれます。

床矯正装置

お口の裏側(床下粘膜部)につけるプラスチックと、表側の歯をおさえる金属線でなりたっている装置です。取り外し可能な入れ歯のような形をしていて、あご(正確には歯槽骨)を広げることで自然に歯並びを整えていくのが特徴です。歯を抜かずに歯槽骨全体を広げることで永久歯が生えるスペースを確保します。
歯が動き始めるころは少しの痛みを感じることがありますが、痛みは少ないほうです。また、下のあごの内側に装置があたって痛みを感じることがありますが、適切に調節すれば治るでしょう。装置になれるまでは違和感があり、話しにくいこともありますが、簡単に取り外せるので食事や歯みがきをしやすいという利点があります。

機能的矯正装置

バイオネーターとも呼ばれています。筋肉の動きを利用して、下あごの骨が前の方へ成長するように誘導する装置です。出っ歯や受け口などの治療に用いられます。プラスチック床とワイヤーでできており、ネジで装置の幅を調整します。取り外しも可能です。主に自宅にいるときに使用します。
痛みは少ないといわれていますが、違和感や話しにくさはあるでしょう。

顎間ゴム

マルチブラケット装置などを使用するときに上あごと下あごの装置にひっかける輪ゴムで、矯正をスムーズにさせます。
最初の数日間は、ゴムをかけている歯に痛みがでやすいですが、慣れていくことで次第に痛みはおさまっていきます。途中でゴムをかけ直すと、再び痛みが生じるので我慢することをおすすめしますが、あごまで痛みが広がってくる場合には歯医者さんに相談してください。

固定式拡大装置

上あごの歯並びを横に広げるための装置で、金属のバンドと太いワイヤーをしっかりと固定します。ネジを調整して強い力をかけていきます。
装着して3日ほどは奥歯に痛みを感じることが多く、なかには1週間ほど痛みが続く子もいます。装着後2~3日で痛みのピークをむかえますが、少しずつおさまっていきます。食事のときには痛みや違和感がでやすく鼻や口元あたりにツンとした痛みや、舌や歯肉にも痛みを感じる子もいます。

マウスピース矯正

ワイヤーや金属を使わず、透明のマウスピースを使います。目立たないので、主に前歯の矯正に用いられます。
ワイヤーが舌や粘膜に刺激を与えることがないので、痛みは比較的感じにくい装置です。ただし、装着して1~2日はしめつけられるような痛みを感じます。きつい感じがすると表現する子もいますが、ほとんどの場合、数時間で慣れてしまうようです。

矯正中に痛みを防ぐために注意すべきこと

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歯みがきはしっかりと

矯正装置を付けていると凹凸があって歯磨きしにくいですが、みがき残しのないように気をつけて虫歯を予防しましょう。小学生の子でも、仕上げ磨きをしっかりとしてあげるといいでしょう。歯医者さんでブラッシング指導も受けられます。

食べ物

矯正しているからといって食事制限をする必要はありませんが、極端にかたいものは装置が壊れたり曲がったりする可能性があるので避けたほうが無難です。装置にからまりやすいガムやおもち、水あめ、キャラメルなども気をつけましょう。

スポーツ

矯正中でも運動してかまいません。矯正後は噛み合わせがよくなって歯を食いしばれるので、矯正をすると運動能力が向上する子が多いといわれています。
ただし、お口をぶつけるおそれのある柔道などのスポーツは注意が必要です。スポーツ用のマウスガードがあるので、このような運動をするお子さんをお持ちの方は歯医者さんに相談してみましょう。

定期的に通院

歯を動かしている期間中は1~2か月に1度のペースで歯医者さんに通う必要がありますが、経過観察中の時期であれば3~6か月に1度の通院でいいという歯医者さんがほとんどです。ただし、治療の進み具合によって通院するタイミングは異なります。担当の歯医者さんの指示に従ってください。

まとめ

歯が動かされるために矯正中は痛みを感じることはありますが、子どもでも耐えられる程度であるケースがほとんどです。あまり神経質にならなくていいでしょう。痛みがある時期はお子さんも不安を感じているでしょうから、矯正装置の特徴や痛みがでやすい時期などしっかりと把握して、お子さんにわかりやすいように説明してあげましょう。実際に装置をつけてみたときに痛みが激しい場合や、装置に不具合がある場合には我慢せずにすぐに歯医者さんに相談してくださいね。

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矯正中の子どもが感じる痛みの種類と注意点

監修医 野崎康弘先生

ジェイエムビル歯科医院

住所
東京都台東区蔵前2-6-3 ジエイエムビル5F