子供の口内炎の治し方!早期治療・再発防止のために親子でできること

子供 口内炎 治し方

子供の口内炎の治し方!早期治療・再発防止のために親子でできること

子供がすぐに口内炎になってしまう…。そんな悩みをお持ちのお父さんお母さんも多いのではないでしょうか。この記事では、身近なお口のトラブルである口内炎が発生するメカニズムと、その治し方についてご紹介していきます。一口に口内炎とはいっても、実はいくつかの種類があり、発症のメカニズムにも違いがあります。

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口内炎は一度発生してしまうと食事がしづらくなり、なかなか治りにくいものです。お子さんによっては、再発を繰りかえすことまであります。できるだけ早く治すために、普段の生活でもできるちょっとしたコツにも触れていきます。

この記事の目次

1.子供の口内炎の原因とは?

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発症率が高いアフタ性口内炎

子供の口内炎として発症率が高いのが、「アフタ性口内炎」です。中心部が白く、周りがピンク色という症状があらわれます。口の中に白いポツポツができるのが特徴なので、「何か白いものができている」と思ったら、アフタ性口内炎を疑ってみましょう。

アフタ性口内炎の原因は、ストレスや傷がきっかけになったものなど、さまざまです。中には、複数の原因が重なって起こることもあり、発症原因を完全に特定するのは容易ではありません。

子供が発症する口内炎のうち、このアフタ性口内炎が一番多いといわれるのは、発症原因がひとつではないからということもできます。このアフタ性口内炎は、1〜10日ていどで自然治癒することが多いです。

ウイルス性・細菌性の口内炎

口内炎の中には、ウイルスや細菌などが原因で起こる口内炎もあります。免疫力が低下している子供には、「ヘルペス性口内炎」やコクサッキーA型ウイルスに感染して起こる「ヘルパンギーナ」「手足口病」などがよく発生する口内炎として有名です。

アフタ性口内炎などと比べると重症化することも多く、場合によっては発熱がともなうこともあります。ヘルペスウイルスは常に身体の中にいるウイルスですが、風邪や疲れなどで体調が崩れると、口内炎などの病気を発症させることがあるのです。

2.薬を使用した口内炎の治し方

口内炎はお医者さんへ

口内炎は重症な病気ではないと思われがちで、治るまで放置してしまう人も多いものです。しかし、ヘルペスウイルスによる口内炎やヘルパンギーナなどは重症化することもあり、なかなか治らない場合や口内炎を繰り返す場合には、お医者さんで診てもらった方がよいでしょう。

お医者さんで薬を処方してもらえれば、適確に治療することもできます。口内炎は飲食物を口に入れるとしみて痛みを感じますし、はれがひどくなれば、何も口にしなくても痛みを感じるものです。ストレスのもとにもなりますので、放置せずにお医者さんで治してもらうのがスムーズです。

口内炎ができたら何科を診療すればいい?

口内炎はどの診療科を受診すればよいのでしょうか。一般的には、口内炎は耳鼻咽喉科が専門だといわれています。しかし、子供の場合は小児歯科や小児科でも受診が可能な場合もあるようです。ウイルス性などの口内炎の場合は、小児科の方が適確に治せる場合もあります。

もし、診療してもらえるかどうかを知りたければ、直接病院に問い合わせてみましょう。

口内炎と同時に発熱が長引いていたり、高熱が続いたりしている場合は、別の病気で身体の免疫力が弱っていて、それが原因で口内炎ができている可能性もあります。特に、赤ちゃんが発熱をして口内炎などを発症している場合は、早急にかかりつけ医等に相談してください。

口内炎を治す薬のタイプ

口内炎を治す薬にはいくつかのタイプがあります。

・シールタイプ
口内炎部分をカバーするようにシールを貼り、治療していくものです。食べ物などによって痛みを感じると、食事にも支障が出てきます。その場合には、シールタイプはとても有効です。

・軟膏タイプ
患部に直接塗る軟膏も、効き目が早く口内炎の治療には有効です。病院で抗生物質や副腎皮質ホルモンの入ったものを処方してもらえますので、相談してみてください。

・スプレータイプ
軟膏などは直接患部に塗るため、痛みが発生する場合があります。しかし、スプレーであればシュッと吹きかけるだけなので簡単です。指などで塗る必要もないため、衛生的というメリットもあります。

・胃腸薬などの服薬
口内炎を治すには上記であげた薬と合わせて、胃腸薬などを服薬することをおすすめします。患部に直接働きかける薬と、身体の内側からの改善が期待できる胃腸薬を併用すれば、より早く治癒することができるでしょう。

口内炎といえば、食べ物や飲み物でしみるのが不快です。特に子供は、口の中の異物感にストレスを感じやすいものです。近ごろでは、子供でもしみにくく使いやすいように、甘いフレーバーのついたスプレータイプの市販薬なども販売されています。

さまざまな薬のタイプがありますので、お子さんに合った薬を選んだり、処方してもらったりして、より負担を減らせるよう取り組んでいきましょう。

3.口内炎を早く治すための毎日の過ごし方

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口の中を清潔に保つ

口内炎を防止するなら、口の中を清潔に保つことが大切です。歯みがきをきちんとする、うがいをこまめに行う、ちゃんと水分摂取をするなど、ささいなことですが気に留めてやってみましょう。うがいをする際には、うがい薬を使用するのもおすすめです。口腔内の雑菌などを減らし、口内炎の悪化を抑えてくれます。

ビタミン不足を補って

口内炎は、ビタミンB1、B2、C、Eなどの栄養が不足することで、発症しやすくなります。本来は食事で補うのが理想ですが、どうしても難しいようなら、子供でも飲めるタイプのビタミンサプリメントなどで栄養を補助してもよいでしょう。

水分補給を忘れずに

子供の場合、飲食で口内炎が痛むことを避けるあまり、食欲が減退してしまうことがあります。知らず知らずのうちに飲み物を避けていて、気づいたら脱水症状になっていることもあるのです。

さらに発熱などがともなえば、より脱水症状の危険性は高まります。知らぬ間に口内炎で悩んでいることもあるので、お子さんの食欲が減ったなどの異変に気づいたら口内炎を疑ってみてください。口内炎があればまずは水分補給をし、脱水症状にならないように注意しましょう。

刺激の強い食べ物は避ける

子供が口内炎になったら、なるべく刺激の強い唐辛子などの食品は控えさせてください。栄養を取らなくなれば身体の免疫は弱る一方ですので、食べやすいものを選んで栄養を摂取させるようにしましょう。

食材やメニューとしては、ミルク、おかゆ、うどん、豆腐、茶碗蒸し、かぼちゃのスープ、ゼリーなどがおすすめです。口内炎を刺激しない食べ物を選択し、子供の食欲減退を防ぎましょう。

4.再発しないための防止策

規則正しい生活を心がけて

口内炎の再発防止のためには、規則正しい生活習慣が大切です。お子さんが夜遅くまで起きている家庭では、早く就寝させる習慣を身につけさせましょう。

バランスのよい食事で身体の内側から健康に

先にも触れましたが、ビタミンなどの栄養素が不足すると口内炎が発生しやすくなります。そのため、普段から栄養バランスの取れた健康的な食事を心がけるようにしてください。

特に野菜嫌いな子供には、野菜を細かく刻んで食べさせたりするなど、工夫して栄養バランスの偏りを補いましょう。口内炎によいとされる食材をピックアップしますので、毎日の献立作りに役立ててくださいね。

・玄米
・豚肉
・たらこ
・納豆
・卵
・牛乳
・マグロ
・サンマ
・うなぎ
・バナナ
・レバー

刺激の強い食べ物は治るまで控える

前述の通り、レモンなどの酸っぱいものや、唐辛子などの辛いもの、熱々のスープなど刺激になりやすいものを摂取することで、口の中の粘膜が傷つき痛みの原因になることもあります。以下に、口内炎が発生しているときには控えたほうがよいものをまとめましたので、参考にしてみてください。

・香辛料の入ったもの
・パイナップル・レモンや酢などの酸っぱいもの
・熱いもの
・砂糖が多く含まれるお菓子や飲み物

歯みがき習慣をきちんと身につける

生活習慣はきちんとしているのに口内炎になってしまう…。そんな場合は、お子さんがしっかり歯みがきをしているか今一度チェックしてみましょう。口の中が不衛生だと口内炎になりやすくなります。きれいに歯みがきしていない場合は、親御さんが手伝って仕上げ磨きをするなど、対策を取ることが大切です。他にもうがいを習慣づけさせるなどして、口内炎のできにくい生活習慣が身につくよう、親御さんから働きかけてみてください。

5.まとめ

口内炎ができると、痛みが気になって何も手につかなくなってしまいますよね。特に子供の場合、口内炎をそのままにしてしまうことも多く、ひどくなってから気づく場合もあります。口内炎ができやすい子供の場合は、食生活や生活習慣など、どこかにその原因があるはずです。再発しないための防止策をとって、子供が口内炎に苦しまないように、親子で一緒に生活習慣を見直してみましょう。

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監修医 高橋貫之先生

本町通りデンタルクリニック

【経歴】
2003年 大阪歯科大学 卒業
2003年 大阪歯科大学 大学院歯学研究科博士課程 入学
2007年 大阪歯科大学 大学院歯学研究科博士課程 修了
2008年 大阪歯科大学 勤務
2016年 大阪歯科大学(歯周病学 助教)退職
2016年 本町通りデンタルクリニック 勤務
現在に至る。
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