妊婦さんの歯科検診は、各自治体や歯医者さんによって、無料で受けられるケースもあるので、是非活用したいところです。妊娠中に特に気をつけたいお口のトラブルや、デンタルケアのポイントについても、よく知っておきましょう。
※ 掲載する平均費用はあくまでユーザー様のご参考のために提示したものであり、施術内容、症状等により、施術費用は変動することが考えられます。必ず各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください。
この記事の目次
1.無料で受けられる場合もある妊婦さんの歯科検診
妊娠中に口内環境のチェックをすべきですが、産前産後は思わぬ出費に備えて、できるだけ節約したいと考える方もいるでしょう。そこで、是非チェックして欲しいのが、無料の妊婦歯科検診です。
無料で妊婦歯科検診が受けられるケース
自治体で確認してみよう
妊婦の歯科検診が無料となる自治体もあれば、そうでない地域もあります。まずは、妊婦の無料歯科検診が実施されているどうか、お住まいの市役所や保健所で確認してみましょう。
また、実施方法もさまざまです。指定医を紹介し無料チケットを配布している自治体もありますし、あらかじめ母子手帳と一緒に無料券を配っている地域もあります。また、特定の検診場所や検診日を指定して実施するところもあります。
保健センターの定期検診なども活用
自治体によっては、保健センターなどを利用して、定期的な曜日に歯医者の無料検診が受けられるところもあります。妊婦に限定した検診ではなくても、適切な検診が受けられます。
歯医者さんに相談してみよう
自治体での妊婦の無料歯科検診がない場合でも、歯医者さんによっては、安く対応してくれるところもあります。まずは、かかりつけの歯医者さんなどに相談してみましょう。
妊婦さんの歯科検診費用
歯科検診は保険が適用されますので、費用は概算で3000円から5000円程度となります。自治体の無料検診がなくても、出費は数千円程度ですが、無料検診が可能なら、それに越したことはありません。
検診は文字通り診察のみで、その後の治療に進む場合は費用がかかりますが、今の口内環境の現状を知り、的確なデンタルケアのアドバイスを受けるだけでも、大きなメリットがあるといえます。
妊婦さんの歯科検診の時期について
妊婦さんの歯科検診を受ける目安としては、妊娠安定期に入った4ヶ月以降です。つわりがあって、ブラッシング時に気持ち悪くなるなど、歯のケアが疎かになりがちなので、つわりの治まる安定期の4ヶ月目を目安に、なるべく早く歯科検診を受けるようにしましょう。
2.妊婦歯科検診では何を診るの?
つわりによって、味覚や食の好みが大きく変わる人もいます。普段の歯磨きでは、使い慣れた歯磨き粉でも気持ち悪く感じたり、ブラッシングさえ躊躇してしまうこともあります。ですから、虫歯や歯肉炎などのチェックが必要です。
虫歯のチェック
妊娠初期のつわりは、入念なブラッシングを躊躇させてしまうだけでなく、胃酸が逆流するなど口の中が酸性となって、虫歯になりやすい口内環境になりがちです。妊娠時の歯科検診では、こうした原因による虫歯の進行がないかをチェックします。
歯肉炎のチェック
女性ホルモンが増加し、ホルモンバランスが大きく変わることにより、妊娠中は歯肉炎になりやすいと言われています。特に、妊娠の中期から後期にかけて、顕著に悪化しやすくなるので、安定期に入ったら早期にチェックするべきところとなります。
歯石の有無をチェック
歯石がある場合、歯周病が悪化する原因にもなります。口内環境が悪化しやすい妊娠時は、特に歯周病も悪くなりやすいので、歯石の有無などもチェックします。
3.妊婦さんにありがちなお口のトラブルについて
妊娠時に、お口のトラブルに直面すると、今までこんなことなかったのにと、心配になってしまいがちです。妊婦さんにありがちなケースとして、あらかじめお口のトラブルを知っておくことで、必要以上の不安を抱えないようにしましょう。
歯茎の腫れや出血
つわりによる歯磨き不足も一因ですが、女性ホルモンが増えることによって、実に妊婦さんの半数以上は、歯茎が腫れたり、出血しやすくなったりするものです。また、妊娠性プリーエスという妊娠時の独特の症状もあります。上の前歯の歯肉が腫れ上がりますが、出産後には自然に治ってきます。
つわりで虫歯になりやすい
これまで歯に自信があった方でも、虫歯になりやすくなると心得ておきましょう。前章でお話した通り、つわりによるブラッシング不足も一因ですし、唾液の量が減ったり、食習慣が変わることもその原因となります。
食事の偏りによる口内炎
つわりで食の好みが変わり、偏食したりすると、栄養バランスが崩れて口内炎になりやすくなるケースもあります。
唾液の分泌量の変化による口臭
妊娠中はお口の中がネバネバしたり、口臭が気になることもあります。これは、唾液の分泌量が減少することが主な要因です。唾液には、口内を清潔に保つ作用がありますが、唾液の減少によって、口の中が乾燥し、ネバついたり口臭を感じたりするのです。
歯茎の炎症
ホルモンバランスの変化などによって、歯茎が炎症を起こしたり、歯肉炎になりやすくなるのは前述した通りです。歯肉炎の原因物質となるプラーク(歯垢)は炎症関連物質の一つで、血中で体内をめぐり、子宮の収縮を促し早産になりやすくなるともいわれています。
4.妊娠中のデンタルケアのポイント
特に妊娠初期のつわりが激しい時期には、歯磨きすら負担に感じるものです。しかし、ちょっとやり方を変えるだけでも、案外、日々のデンタルケアが楽になるものです。
体調の良い時に歯磨きしよう
これまで、食後に歯磨きする習慣があった方は、その習慣にこだわらないことも一手です。つわりのひどい時は、食後の歯磨きを控えても構いません。一日の中で、比較的体調の良い時を見計らって、歯磨きする心構えで臨みましょう。
子供用の歯ブラシを使ってみよう
ブラシヘッドが大きいと、大きく口を開けたり、下に柄やブラシがあたったりして気持ち悪く感じるものです。子供用の小さなヘッドの歯ブラシだと、抵抗なく磨ける場合もありますので、是非試してみましょう。
歯磨き粉を変えてみよう
使い慣れた歯磨きでも、つわりで味覚が変わると違和感が出るものです。泡立ちが多いものや、爽快感の強いものを避けてみると、磨きやすくなる場合があります。泡立ちの少ない歯みがきジェルなども試してみましょう。
食後はうがいをしよう
食後の歯磨きが気持ち悪いなら、最低でも水や緑茶、デンタルリンスなどで口をゆすぐようにしましょう。前述した通り、歯磨きは一日の中で自分ができそうなタイミングで行えばOKです。
キシリトールガムを噛んでみよう
味が不快に感じなければ、時々、キシリトールガムを噛むというのも、デンタルケアの一助となります。
5.まとめ
特に、妊娠初期のつわりが激しい時期には、お口のケアを躊躇しがちです。毎食後にこだわらず、1日のうちでできそうなときに磨いてみるとか、歯ブラシや歯磨きを変えてみるなど、臨機応変に臨みましょう。
安定期に入ったら、できるだけ早期に歯科検診を受けて、口内の状況をチェックしてもらい、ケアの方法など、そのときの口内の状況に応じた、歯科医の的確なアドバイスを受けましょう。