子どもの指しゃぶりと歯並び

子ども 指しゃぶり 歯並び

子どもの指しゃぶりと歯並び

子どもの指しゃぶりというのは、ごく普通の習慣ですよね。多くのお子さんがこうした癖を経験しているかと思います。指しゃぶりには、赤ちゃんの頃に吸っていた、お母さんのおっぱいの代わりのような面があります。ですから指をしゃぶることで、彼らは不安を解消したり、心をリラックスさせたりしているのです。

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この記事の目次

1.指しゃぶりをやめさせる時期とは

では、この指しゃぶりはいつまでにやめさせるのがベストなのでしょうか。
一般的に、2歳ごろまでなら、何ら問題はないと考えられています。この頃までなら、口の中に与える悪影響よりも、精神を落ち好かせるという良い影響の方が大きいと言えます。
けれども、3~4歳になると話は変わります。この頃には、乳歯もかなり生え揃ってきていますし、指をしゃぶることで、取り返しのつかない様々な悪影響を及ぼし始めるのです。つまり、子どもの指しゃぶりは、歯並びに非常に悪い影響が出るのです。

2.指しゃぶりで歯がガタガタになる?

小さい頃を思い出して、指をしゃぶってみてください。
歯と歯の間に指が入っていると、まず上の前歯が前方に突出していきます。逆に、下の前歯は口の中の方へ倒れ込んでいきます。すると、上下の歯の間に隙間ができて、開咬という歯列不正が生まれるのです。

この場合、見た目はいわゆる出っ歯であり、常に口が開いているので、口の中が乾燥していきます。口の乾燥というのは、虫歯菌の増殖を助け、みるみるうちに、虫歯を発生させてしまうのです。
このように、指しゃぶりを放置すると、歯並びはガタガタになり、虫歯も多発するという、最悪な状況にもなりかねないのです。

子ども 指しゃぶり

3.5,6歳まで指しゃぶりを続けると顎の骨も変形する!

さらに、5~6歳まで指しゃぶりを放置し続けると、顎の骨にまで影響を与え始めます。具体的には、歯が倒れ込んだ方向に合わせて顎の骨も成長してしまうのです。
こうなると、矯正治療でも簡単には歯並びを治すことができなくなってしまいます。指しゃぶりがここまで歯並びに影響を与えるのです。

4.指しゃぶりをやめさせる方法

このように、指しゃぶりというのは適切な時期が来たらやめさせるべき習慣であると言えます。
やめさせる方法としては、お母さんがお子さんにその理由をきちんと伝えて、諭すことが最も望ましいと言えます。お子さんによっては、それできちんとやめることができる子もいます。
しかしながら、それでもやめられない場合は、バイターストップやタングクリブといった専用の道具を使いましょう。

バイターストップとは、お子さんの指に苦味のあるマニキュアを塗って、指をしゃぶる度に苦味を感じさせるという道具です。とても原始的な発想ですが、これで指しゃぶりをやめることができるお子さんは数多くいらっしゃいます。

タングクリブというのは、口の中に装着する装置で、指そのものを口の中に入れられなくすることができます。
どちらも指しゃぶりをやめさせる最終手段として、考えておいても良いかもしれません。その前に、お子さんとの良好な関係性を築いて、言葉で納得してもらうのが最良かと思います。

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監修医 飯田尚良先生

飯田歯科医院

院長

【経歴】
1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る
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