口が開いたままの子どもは要注意!口呼吸に潜む危険と予防策

口が開いたままの子どもは要注意!口呼吸に潜む危険と予防策

「うちの子はどうしていつもお口を開けているのかしら?」と思ったお母さんはいませんか?人はもともと鼻で呼吸をするものですが、乳児のころは鼻で呼吸をしていたのに、いつのころからかお口で呼吸をしているお子さんもいますよね。口呼吸はお口を開けっぱなしにするため、見た目もあまりよくありません。さらに、口呼吸ではお口の中を不健康にして虫歯の原因や、風邪・アレルギーなどの病気を引き起こすことがあり、顔のかたちに影響をおよぼすこともあります。ここでは、口呼吸を続けることで起こるさまざまな弊害や、予防策についてご紹介します。

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この記事の目次

1.うちの子どもは大丈夫?口呼吸にひそむ危険

口呼吸にはない鼻呼吸の3つの重要な役割

・鼻腔内の空気に湿気を与える
鼻から分泌されている鼻水により、鼻を通る空気に湿気を与えて、お口の乾燥を予防します。

・鼻腔内の空気をきれいにする
鼻毛や鼻粘膜によってほこりやウイルスなどが体内に侵入することを防ぎます。

・鼻腔内の空気をあたためる
鼻を通る空気をあたためて、肺への負担を減らし、肺の免疫力の低下を防止します。

こんな症状のお子さんは口呼吸の可能性あり

お子さんに次のような症状がないかチェックしてみましょう。いくつかあてはまる場合は口呼吸をしている可能性があります。

・いつもお口が開いている
・鼻がよくつまる
・お口がよく乾燥する
・イビキをよくかく
・お口を閉じると苦しそう
・よくカゼをひく
・朝のどが渇いている
・口臭がある

子どものころから口呼吸が習慣化してしまうと、さまざまな弊害をまねいて、学校生活にも悪影響をおよぼしかねません。できるだけ早く鼻呼吸に戻れるようにしましょう。

どうして口呼吸になってしまうのか

口呼吸になってしまう原因として次のものがあげられます。

・歯並びやお口周辺の筋力が低下したことで、お口が閉じにくい
・アレルギーなどによって慢性的な鼻づまりのため鼻呼吸ができない
・無意識にお口で呼吸することが習慣化したため

2.<保存版>原因別!子どもの口呼吸の予防策

お子さんのお口が閉じにくい場合

お口のまわりの筋肉をきたえてお口を閉じる力をつけてみましょう。また、前歯が出てるなど歯並びが悪い場合は歯科矯正が有効なことがあります。矯正診療の一部として舌やお口のまわりの筋肉の使い方を指導してもらえるか、口呼吸と歯並びを同時に改善できるマウスピースの診療を受けられるかなど、歯医者さんに症状を相談してお子さんに合った方法を見つけてみてはいかがでしょうか。

慢性的な鼻づまりの場合

アレルギー性鼻炎、花粉症、蓄膿症など鼻の症状による子どもの慢性的な鼻づまりの場合は、まずはその原因を解決する必要があります。原因により対応方法は変わりますが、小学生までの年齢であれば上あごを矯正装置で広げることで鼻腔も広がり、鼻のとおりが改善されます。

口呼吸の癖が習慣化している場合

歯並びの影響や鼻づまりもなく、お口を閉じにくいわけでもないのに、気がつけばお口が開いてしまう場合は、意識的にお口を閉じる習慣を身につけましょう。鼻呼吸を習慣化するための方法として、市販されている口呼吸防止テープを貼って強制的にお口を閉じたり、眠るときはお口だけにマスクを着用する方法もあります。お子さんの口呼吸の状態に応じて、使用してみるといいかもしれませんね。

3.見た目だけじゃない!口呼吸にひそむ危険

虫歯になりやすい

お口が開きっぱなしになることで、初期の虫歯を修復してくれる唾液が乾燥してしまうため、お子さんの前歯が虫歯にならないよう注意が必要です。

歯周病になりやすい

もともと細菌が多い口内では、唾液の殺菌作用によって歯茎を清潔に保っています。口呼吸によってお子さんの歯茎が乾燥することで腫れてしまい、歯周病になる場合があります。

歯に汚れが付着しやすい

歯の表面は濡れていることで汚れが付着しにくくなっています。口呼吸によってお口の乾燥が続くとお子さんの歯へ汚れがつきやすくなり、茶色がかってしまいます。

口臭がきつくなりやすい

口呼吸で唾液が減ることで細菌が増えてお子さんの口臭がきつくなることがあります。それは、殺菌作用のある唾液が乾燥してしまい、口臭の原因である細菌が繁殖してしまうためです。

出っ歯になりやすい

通常は上あごに吸い付いている舌の力で上あごを広げています。口呼吸のお子さんの場合は舌を上あごから離して空気の通り道を確保するため、上あごを広げられずに前に出てきます。つまり、出っ歯になりやすい状態といえます。

ぼんやりした印象になりやすい

鼻や上唇あたりの筋肉を使わない口呼吸では、筋肉がたるんだり上唇がめくれて、ぼんやりとした顔の子どもに見えることがあります。

睡眠時無呼吸症候群になりやすい

口呼吸のお子さんは舌が後方にあることで呼吸がしやすくなっていますが、睡眠時には脱力して舌が気道をふさいでしまい、睡眠時無呼吸症候群になりやすいです。

カゼやアレルギーを引き起こしやすい

口呼吸をするお子さんは乾燥した空気と一緒に細菌やウイルスがそのままのどや気管に届くため、のどや肺を痛めやすくなります。カゼにかかりやすく、アレルギーを引き起こすこともあるため注意が必要です。

4.まとめ

お子さんの健康に不安を感じることはお母さんにとっても大きなストレスでしょう。たかが口呼吸だと軽く考えて放置した結果、見た目の変化や大きな病気に繋がってしまうことがあります。口呼吸が習慣化してしまう前に、意識的に鼻呼吸をして予防しましょう。日常の様子から、お子さんが鼻呼吸できているかどうか少しでも気になるようでしたら、歯医者さんでも相談が可能です。小児歯科に対応した歯医者さんで一度相談してみてはいかがでしょうか。不要な病気にかからないためにも、原因を確認して、お子さんの正しい呼吸を取り戻していきましょう。

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監修医 高橋貫之先生

本町通りデンタルクリニック

【経歴】
2003年 大阪歯科大学 卒業
2003年 大阪歯科大学 大学院歯学研究科博士課程 入学
2007年 大阪歯科大学 大学院歯学研究科博士課程 修了
2008年 大阪歯科大学 勤務
2016年 大阪歯科大学(歯周病学 助教)退職
2016年 本町通りデンタルクリニック 勤務
現在に至る。
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