赤ちゃんの歯みがき粉はいつからOK?選び方の6つのポイント

赤ちゃん 歯みがき粉 いつから

赤ちゃんの歯みがき粉はいつからOK?選び方の6つのポイント

お子さんの歯みがきを始めようと思っている、または始めたばかりのお父さんお母さんにとって、どのタイミングで歯みがき粉を使い始めればよいか、どんな歯みがき粉を選べばよいかなど、不安なことがたくさんあるかと思います。

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歯が生えてきたらすぐに使っていいの?どんな成分のものを選べばいいの?この記事ではそんな疑問にすっきりとお答えします。特に初めての子育てだと、右も左もわからないことだらけですよね。そんなお父さん・お母さんにおすすめの内容となっているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

この記事の目次

1.いつから歯みがき粉を使えばいいの?

赤ちゃん 歯みがき粉 いつから

歯が生え始めのときは歯みがき粉はいらない

~最初はガーゼ磨きから~

歯が生え始めたばかりのころは、歯みがき粉はそこまで必要ではありません。それよりも、この時期は歯みがきに慣れさせるため、お口に何かを入れること自体に抵抗をなくさせることが大切です。

いきなり歯ブラシを入れると赤ちゃんもびっくりしてしまいますので、最初は濡らしたガーゼや綿棒で歯の汚れを拭きとることから始めましょう。その際、きれいなガーゼや綿棒を使うことが大切です。お父さん・お母さんの手もきれいに洗ってからやるようにしましょう。

そのときの赤ちゃんの体勢はリラックスした形が好ましいです。膝に赤ちゃんを仰向にさせて、お口がよく見える位置で中を観察してあげましょう。

お歌をうたったり、話しかけたりしながらお口の中をガーゼでたまに拭いてあげるようにします。少し拭いたら少し休んで…を繰り返して無理に行わないようにしましょう。

~慣れたら歯ブラシを使う~

慣れてきたら歯ブラシを使います。歯をゴシゴシせずに、やさしく毛先が当たるような感覚で磨いてあげてくださいね。

このときも、少し磨いたら少し休んで…を繰り返して無理に行わないようにしましょう。コミニュケーションをとりながら楽しく磨くことで「歯みがき嫌い」になりづらくなります。特に、上前歯の歯茎の真ん中にあるスジ(上唇小帯)は子どもが痛がる部分なので、触れないよう注意してあげてくださいね。

もし、甘い味の歯みがき粉などを使ったほうが歯みがきがスムーズに進むのなら、赤ちゃん用の歯みがき粉を使ってもかまいません。しかし、うがいができないのであれば、歯みがき粉の量は少しにして、終わったら濡らしたガーゼやおしぼりなどで拭きとりましょう。

うがいができたら歯みがき粉を使う

1歳半~2歳くらいになったら、少しずつうがいの練習をしていきましょう。ひとりでうまく、がらがら・ぶくぶくできるようになったら、いよいよ歯みがき粉デビューです。なぜこの手順を踏むのかというと、歯みがき粉を使ったあとにうまく吐き出せるようになるためです。

また歯みがき粉の中には、歯質を強くする働きをするものも販売されています。お子さんの歯のために、適切な種類の歯みがき粉を選んであげましょうね。

2.歯みがき粉選びのポイント6選

赤ちゃん 歯みがき粉 いつから

赤ちゃん用の歯みがき粉を使う

基本的には、赤ちゃん用の歯みがき粉を使用するようにしましょう。間違って飲み込んでしまっても悪い影響がないよう、身体にやさしい成分が使われています。

発泡剤が入っていない

発泡剤が入っていると、泡立ちがよくしっかり磨けた気になりますが、その泡があることで汚れの落ち具合が見えづらくなります。そのため、できる限り使うのは控えたほうがよいでしょう。

研磨剤が入っていない

赤ちゃん用の歯みがき粉であれば、研磨剤が配合されていることは少ないです。ですが念のため、「研磨剤不使用」と書いてある歯みがき粉を選ぶようにしましょう。

赤ちゃんの歯はまだやわらかく、歯の表面のエナメル質も薄いため、研磨剤が入った歯みがき粉を使うとダメージを与えてしまいます。例えば、洗浄剤、基材、シリカなどは研磨剤の成分名です。成分表をチェックし、記載があればその歯みがき粉を使うのは控えましょう。

フッ素が入っている

赤ちゃんの歯は、エナメル質が薄く虫歯になりやすい傾向があるため、虫歯予防のためにフッ素が配合されている歯みがき粉がおすすめです。フッ素が入っている量はごくわずかなので、乳児、幼児が摂取してしまっても特に問題はありません。

フッ素は、食べ物を食べたあとにお口の中が酸性になって、歯からカルシウム、リンが溶けだしてしまうのを防ぐ働きがあるため、歯質を強くしてくれます。

赤ちゃんが好む味のものを選ぶ

いちご味、メロン味など甘い味の歯みがき粉は、赤ちゃんが好みやすいのでおすすめです。口に入れておいしい味であれば、歯みがきが楽しくなり歯みがき嫌いになりづらくなります。

スースーしない

大人が好む、ミントやメントールのようなスースーする歯みがき粉成分は、赤ちゃんやお子さんにとっては「辛い」と感じることもあるようです。その味が嫌で歯みがき嫌いになる子どももいます。

それらは、清涼感のある後味を残して、口の中がスッキリしたような感覚になるため配合されたものです。大人であれば楽しめますが、子どもにとってはあまり気持ちのよいものではない場合もあります。極力、ミントやメントールが配合されていない歯みがき粉を選ぶよう心がけましょう。

3.歯みがき粉を赤ちゃんが食べてしまったら?

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少しの量だとしても、赤ちゃんが歯みがき粉を飲み込んでしまったら心配ですよね。

実際には、歯みがきをしている最中に飲みこんでしまったという程度であれば、そこまで心配する必要はないでしょう。すぐお口の中をゆすぎ、コップ1杯ほどの水か牛乳を飲ませるようにしてください。問題ないことがほとんどですが、もしそのあとで具合が悪くなるようなことがあれば、すぐお医者さんに相談しましょう。

小さなお子さんの場合、歯みがき中ではなくても、目を離した隙に歯みがき粉を手にとり誤飲してしまうことも考えられます。多くの量を飲み込んでしまった、もしくはその可能性が高い場合には、その歯みがき粉をもってお医者さんを受診してください。

誤飲をふせぐためにも、歯みがき粉は赤ちゃんやお子さんが手の届かない場所に置くことをおすすめします。少量だったとしても、大人と子どもでは体が受ける影響が違います。「大丈夫だ」と素人判断せずしっかりとお子さんの様子を見守り、いつもと違う反応が見られたらお医者さんに行くなどの対応が必要です。

4.歯医者さんにフッ素塗布してもらおう

歯が1本でも生えてきたら虫歯にかかるリスクが出てきます。対策のひとつとして、歯医者さんでフッ素塗布してもらうのがおすすめです。

歯医者さんのフッ素塗布は、通常の歯みがき粉に配合されているフッ素より濃度が高いため、虫歯予防が期待できます。また、「早くから歯医者さんに慣れる」という目的もあります。毎日歯みがきしていても、どうしても奥歯や歯間に磨き残しができてしまうので、3か月に1回など定期的に歯医者さんに通うことが大切です。

特に歯みがき嫌いのお子さんや、あごが小さくて歯みがきしづらいお子さんなどは、虫歯になりやすいのでより気にかけてあげましょう。

5.まとめ

歯みがき粉を使い始めるタイミングは、「うがいができるようになってから」でかまいません。しかし、乳歯は大人の歯よりやわらかくエナメル質も薄いため、虫歯が進行しやすいです。「乳歯が生えてきたら歯医者さんに通う」と覚えておいてください。

虫歯の発見は、早ければ早いほど治療期間も短く、子どももストレスを感じずにすみます。定期的に歯医者さんへ連れて行くことを面倒だと思わず、定期検診してフッ素塗布してもらいましょうね。

もちろん、家での歯みがきケアも大切です。歯がある程度生え揃ってきたら、歯間や奥歯など特に丁寧に磨いてあげてください。デンタルフロス(歯と歯の間をおそうじする細い糸)などを使うと、より汚れをかき出しやすくなるので取り入れてみましょう。

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監修医 高橋貫之先生

本町通りデンタルクリニック

【経歴】
2003年 大阪歯科大学 卒業
2003年 大阪歯科大学 大学院歯学研究科博士課程 入学
2007年 大阪歯科大学 大学院歯学研究科博士課程 修了
2008年 大阪歯科大学 勤務
2016年 大阪歯科大学(歯周病学 助教)退職
2016年 本町通りデンタルクリニック 勤務
現在に至る。
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