赤ちゃんの歯みがき、歯みがき粉は必要?おすすめの成分と選び方もまとめて紹介!

赤ちゃん 歯磨き粉

赤ちゃんの歯みがき、歯みがき粉は必要?おすすめの成分と選び方もまとめて紹介!

「歯みがき粉って体に害はないの?」「いつから歯みがき粉を使い始めればいいの?」「どんな歯みがき粉がおすすめ?」。そんな疑問をもっていませんか?実際、赤ちゃんの歯みがきに、歯みがき粉は必要なのでしょうか?この記事では、お父さんお母さんのそんな疑問にまとめてお答えします。また、赤ちゃんの歯みがきにおすすめの歯みがき粉の種類や、選び方についてもまとめてあります。ぜひ大切なお子さんの歯のケアにお役立てくださいね。

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この記事の目次

1.2歳までの赤ちゃんに歯みがき粉は必要なの?

赤ちゃん 歯磨き粉

赤ちゃんに歯みがき粉は必須ではありません

歯みがきの最大の目的は、「歯の汚れをきちんと落とす」ことです。これは赤ちゃんの歯みがきについても同様です。
実は、まだミルクや離乳食などが中心である赤ちゃんの歯の汚れは、ほとんどが歯みがき粉なしのブラッシングでも落とすことができます。つまり、赤ちゃんの歯の汚れを落とすのに、歯みがき粉は必須ではないのです。

水だけの歯みがきでも汚れは落とせます

まだ上手にうがいをできない赤ちゃんの歯みがきに、歯みがき粉を使うのは抵抗があるという親御さんも多いのではないでしょうか。そんなときは、無理に歯みがき粉を使う必要はありません。水をつけた歯ブラシで丁寧にブラッシングするだけでも、赤ちゃんの歯の汚れは十分に落とすことができるのです。

ガーゼや綿棒で汚れを拭い落として

歯みがきを始めたばかりのころは、歯ブラシを嫌がる赤ちゃんも多いです。お口の中の異物感に慣れていないためです。
そんなときには、濡らしたガーゼを指に巻きつけて、やさしく歯の表面を拭ってあげましょう。細かい部分は湿らせた綿棒で拭うのもよいでしょう。赤ちゃんを歯みがき嫌いにしてしまわないためにも、赤ちゃんの歯みがきに無理強いは禁物です。お父さんやお母さんの指を直接感じられるガーゼなどの方法でなら、赤ちゃんも嫌がらずに歯みがきを受けやすくなります。

食後のお茶でお口をすすぐのも有効

歯みがき後にうがいができない赤ちゃんや、そもそも慣れない歯みがき自体を嫌がってしまう赤ちゃんには、食後にお茶を飲ませることでお口の中をすすぐだけでも、ある程度の働きが見込めます。食事のあとはもちろん、間食などの際にも、「食べたらお茶を飲む」習慣をつけておきましょう。

うがいができるようになったら歯みがき粉を

赤ちゃんが1歳半を迎えるころには、多くの場合お口に含んだ水を吐き出せるようになります。また、2歳になるころには、ブクブクうがいができるお子さんも増えてきます。うがいができるようになったら、そろそろ歯みがき粉を使い始めるサイン。様子をしっかり観察しながら、赤ちゃんにあった歯みがき粉を見つけて使うようにしましょう。

2.赤ちゃんの歯みがき粉、おすすめは?

歯が生え揃ったら歯みがき粉で虫歯予防

人間の歯は、歯先より歯の根元の方が虫歯になりやすいものです。
生えたての赤ちゃんの歯は、歯茎から歯先のみが出た状態なので、比較的虫歯になりにくいといえます。しかし、成長するごとに歯が生え揃ってくると、徐々に歯の露出部分も増加してきます。それにともなって、虫歯リスクも上昇してしまうのです。
このリスクに対応するのが、歯みがき粉です。多くの歯みがき粉には虫歯予防の成分が配合されていて、大切な赤ちゃんの歯を虫歯から守る働きをしてくれます。

心配なら飲んでもOKの歯みがき粉を

「赤ちゃん専用」をうたった歯みがき粉のなかには、万が一飲み込んでしまっても体への害がないように、発泡剤、研磨剤、着色料や添加物などの成分が不使用の商品もあります。特に、ジェルタイプの歯みがき粉に、こうした乳幼児専用のものが多くあり、なかには食品用原料だけにこだわって作られたものも売られています。また、フッ素(フッ化物)の人体への影響が気になるという人には、フッ素無添加の歯みがき粉もあります。
赤ちゃんが歯みがき粉を飲み込んでしまっても、少量であれば問題ありませんが、どうしても気になる親御さんは、こうしたタイプの歯みがき粉を使ってみてはいかがでしょうか。

フッ素のスプレーも虫歯予防に有効

歯みがきの仕上げに歯に使用する、スプレータイプのアイテムも赤ちゃんの虫歯予防には有効です。通常の幼児用歯みがき粉配合のフッ素が1,000ppm前後なのに対し、その10分の1の100ppmとごく低濃度のフッ素配合なので、使用後にうがいの必要もなく、赤ちゃんにも不安なく使えます。水が使えない外出先などでも便利なアイテムです。

歯みがきシートは外出時にも便利

フッ素スプレーと並んで便利なのが、赤ちゃん用の歯みがきシートです。キシリトールなどの虫歯予防成分を含んだシートで、赤ちゃんの歯を拭って使用します。どうしても歯みがきを嫌がる赤ちゃんや、外食先で歯みがきができない場合などに、手軽にさっと使えるのが魅力です。多くの商品では衛生面を重視した個包装となっているので、必要な分だけを持ち運べる便利さもあります。

歯みがきタブレットは家族みんなで!

キシリトール配合のタブレットも、赤ちゃんの虫歯予防に便利なアイテムです。
毎日一定量を定期的に食べさせることで、お口の中に存在する虫歯の原因となる菌が減らせる仕組みとなっています。ただし、タブレットを与えるのは乳幼児期を過ぎたあと、1歳半ごろからにしましょう。
また、こうしたタブレットを使う際には、赤ちゃんだけではなく、家族みんなで使用することが大切です。なぜなら、生まれたばかりの赤ちゃんのお口には、虫歯の原因となるミュータンス菌は存在していません。多くの場合、お父さんやお母さんの菌が、なんらかの接触で赤ちゃんのお口の中に移行してしまうのです。赤ちゃんだけでなく、赤ちゃんを取り巻く家族も含め、みんなで虫歯対策に取り組みましょう。

3.ここが知りたい!赤ちゃんの歯みがき粉

フッ素入りの歯みがき粉に悪影響はないの?

「フッ素は人体に悪影響がある」という説を聞いて、フッ素入り歯みがき粉の使用をためらっている親御さんもいるでしょう。

虫歯予防に使われるフッ素は、正しくはフッ化物で、歯みがきに使う程度の量であれば、人体に影響を及ぼすことはありません。赤ちゃんが歯みがき粉を飲み込んでしまったからといって、慌てる必要はないのです。配合されているフッ素の濃度も重要です。月齢の低いうちはフッ素無配合、あるいは500ppm程度の低濃度フッ素配合の歯みがき粉を選ぶとよいでしょう。

ほかに、ごく少量なら問題はありませんが、赤ちゃんの体に悪影響を及ぼす可能性のある成分としては、発泡剤、研磨剤、香料、保存料などの添加物があげられます。気になる場合や、どうしても歯みがき粉を飲み込んでしまう赤ちゃんには、歯みがき粉を選ぶ際に配合成分欄を見て、それらが無添加の歯みがき粉を選ぶようにしましょう。

もちろん、赤ちゃんが嫌がらず歯みがきを続けられることが何より大切ですから、赤ちゃん自身の好みを探り、使いやすいものを選んであげるのがよいでしょう。

赤ちゃんが歯みがき粉を嫌がるときは?

「歯みがき自体が嫌いではなさそうだけど、歯みがき粉を使った歯みがきは嫌みたい」。そんな赤ちゃんは、今使っている歯みがき粉が苦手なのかもしれません。まず、使用している歯みがき粉の何が苦手なのかを観察して、それを解消できる歯みがき粉を使うようにしましょう。
特定の歯みがき粉の味が苦手な赤ちゃんには、好みの味のものを、また、歯みがき粉の泡が苦手な赤ちゃんには、発泡剤の配合を抑えた泡の立ちづらいものを選んであげましょう。

発泡剤は無配合のものをチョイス!

まだうがいが上手にできない赤ちゃんには、発泡剤入りの歯みがき粉は避けた方がよいでしょう。その名の通り、泡を多く発生させる効果がありますが、赤ちゃんにとって、お口の中が泡だらけになるのはあまり気持ちのよいものではありません。息苦しくなったり、飲み込んでしまうリスクも高まります。購入する際に成分表をチェックし、無配合のものを選ぶようにしましょう。

大人用歯みがき粉へは少しずつ移行

赤ちゃん 歯磨き粉

歯みがき粉には子ども用と大人用があります。
もっとも大きな違いは、その使用感です。子ども用歯みがき粉では、発泡剤や研磨剤の配合量を抑えたり、無配合であったりします。また、刺激の少ない甘めの味つけにしてあることが多いです。つまり、ミントなどの刺激が苦手でなく、歯みがき粉による泡立ちを嫌がらない赤ちゃんであれば、大人用の歯みがき粉を共用しても大きな問題はありません。
とはいえ、まだ上手にうがいをできない赤ちゃんでは、配合成分濃度の高い大人用歯みがき粉は、体に負担を与えてしまう可能性もあります。まずは、低刺激の乳幼児用歯みがき粉で歯みがき習慣をつけ、少しずつ移行していくようにしましょう。

4.まとめ

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まだうがいを上手にできない赤ちゃんに対しては、歯みがきの際に歯みがき粉を使用してよいか悩んでしまうお父さんお母さんも多いことでしょう。歯の汚れを落とすという意味では、赤ちゃんに無理に歯みがき粉を使用する必要はありません。しかし、歯みがき粉には虫歯を予防して歯を強くするという大切な役割もあります。赤ちゃん自身にあった歯みがき粉を見つけて、上手にケアしてあげてください。

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監修医 飯田尚良先生

飯田歯科医院

院長

【経歴】
1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る
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