赤ちゃんの歯がザラザラしてる?原因と対処法

赤ちゃん 歯 ザラザラ

赤ちゃんの歯がザラザラしてる?原因と対処法

赤ちゃんの歯が生えてくる生後半年がすぎると、気になってくるのが歯の健康です。特に、なんとなく歯がザラザラしていて気になるという親御さんもいるかもしれません。この記事では、その原因と対処法に触れていきます。「もしかして虫歯?病気?」と、不安になる前に、正しい知識を身につけてください。歯がザラザラしている原因は、実はさまざまあります。そのため、大切なのは原因に合った適切な対処法を行うことです。生えたての小さな乳歯を守るためにも、歯のザラつきの原因を知り、その対処法を正しく行えるようにしましょう。

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この記事の目次

1.赤ちゃんがザラザラしているその原因とは?

先天性歯

先天性歯(せんてんせいし)は、生まれたときにすでに生えている歯のことをいいます。他にも、生後2か月以内に生えてくる新生歯なども含めて、先天性歯と呼ぶこともあるようです。この先天性歯は、鬼歯(おにば)や魔歯(まし)と呼ばれることもあります。一般的に乳歯は6か月〜8か月ころに生え始めますが、それよりもいちじるしく早い場合を指します。
この先天性歯は、一般的にきれいな白い歯であることが少ないのが特徴です。歯が茶色っぽかったり、表面が凸凹していたり、ザラザラしていたりして、歯の性質ももろいという特性があるのです。先天性歯の中には、グラグラしている歯が生えていることもあります。

先天性歯は、調べると過剰歯という、本来必要がない余分な歯である場合も少なくありません。この場合は抜歯をし、あとに生えてくる歯に悪影響が出ないようにします。このような対処を行うため、永久歯ではきちんと正常に生えてくることが多いです。

生えたての乳歯によくあるもの

生えたての乳歯はザラつきがみられたり、歯が凸凹しているケースが多いです。先天的な要因で、歯の表面がザラザラしているのです。特別な病気などではなく、ザラザラした質感は赤ちゃんに多く見られるものなので心配はいりません。

ただし歯の表面の一部が白濁していたり、何か一部表面が剥がれたようになって見える場合は、先天的なエナメル質の形成不全、または石灰化不全である場合もあります。お母さんの目で見て明らかにそのような歯がある場合は歯医者さんに相談してみてください。

また、歯のザラザラが後天的な要因である場合も注意が必要です。食べ物などの酸にやられ、歯のエナメルが溶けてしまっている可能性があるためです。歯の表面がザラザラしていると汚れも付着しやすく、虫歯菌の繁殖にもつながります。心配であれば、ザラザラの原因を突き止めるために歯医者さんに相談してみましょう。

歯垢や歯石

赤ちゃんの歯がザラザラしているのは、歯垢や歯石が原因かもしれません。ガーゼ歯みがきや赤ちゃん専用の歯ブラシなどでこすってみて、ザラつきが取れるようであれば歯垢です。また、歯茎の境目などに溜まっている白いものがあれば歯石なので、気になる場合は歯医者さんで一度診てもらうといいでしょう。

初期の虫歯

歯の表面がザラザラしているのは、虫歯のなり始めである可能性も捨てきれません。乳歯の虫歯は白っぽくなるケースもあるので、気になれば早めに歯医者さんへ行きましょう。赤ちゃんの場合は、1本虫歯になると他の歯にまでうつりやすいため、早めに的確なケアを行うことが必要です。

2.歯のザラザラをツルツルにするには?

フッ素による再石灰化

歯のザラザラをツルツルにしていくには、フッ素による再石灰化がカギになります。生えたての歯のザラザラは、酸によって溶かされてしまったものである可能性があります。この場合に、フッ素で再石灰化を促し、酸で溶けた部分を修復することが効果的なのです。

家庭でフッ素塗布することも可能です。家庭で使用するフッ化物は、お医者さんで使うものよりも濃度が低く、働きは劣りますが、使い続けることで歯の再石灰化を促すことができます。家庭でフッ素を塗布するときには、まずはお茶を飲ませてお口の中の食べかすなどを流す、ガーゼ歯磨きするなどして、お口の中を一旦きれいにしてから行うと効果的です。

赤ちゃんでも使えるフッ素スプレーがおすすめ

歯の生え始める生後半年ころからでも使えるフッ素のスプレーがあります。フッ素はたくさん摂取すると中毒になって体調を崩す可能性がありますが、このスプレーは濃度も低く、赤ちゃんでも使うことができます。一般的にはフッ素入り歯みがき粉などが手軽なケアアイテムとして使われていますが、赤ちゃんはうがいができず、歯みがき粉を使用した歯みがきはまだできません。そのため、赤ちゃんでも使えるフッ素スプレーなどの製品を上手に使うといいでしょう。

歯医者さんで高濃度フッ素の塗布も

フッ素を使うなら、高濃度フッ素の塗布を歯医者さんでやってもらうのが有効です。家庭で使うものとはフッ素の濃度が違い、効き目も長持ちし、歯の強化にも役立ちます。乳歯が生えたころからしてもらえる施術ですので、赤ちゃんの乳歯が生えたらお医者さんでフッ素を塗ってもらえるか、相談してみましょう。

歯科用研磨ペーストで磨く

ザラザラした状態のところに歯石などが溜まると、さらにザラザラが助長されてしまいます。歯科用研磨ペーストなどで磨くとつるつるになるので、ザラザラが気になれば使ってもいいでしょう。ただし、赤ちゃんはお口を上手にすすぐことができません。ペースト状になっており、歯みがき粉のようにして使う歯科用研磨ペーストは、最終的にはお口をすすぐ必要があります。そのため、口をすすげない赤ちゃんには使用しないようにしてください。

3.赤ちゃんの虫歯予防でできること

歯みがきは神経質になる必要はない

赤ちゃんの歯が生えだす生後半年ころをすぎると、「赤ちゃんにも歯みがきが必要なのか」と悩みだす親御さんが多くなります。しかし、実際はそんなに神経質に歯みがきをする必要はありません。実際、赤ちゃんはよだれをたくさん出して虫歯になりにくいため、虫歯になるリスクは低いのです。ただし、もし気になるようであれば、以下のケア方法で虫歯ケアをしましょう。次第に、歯のザラザラも気にならなくなるかもしれません。

歯みがきはガーゼまたは専用歯ブラシで

赤ちゃんの歯磨きは神経質に行う必要はなく、頻度も就寝前に1回行う程度で十分です。そこまで躍起になって歯みがきをする必要はありません。ミルクを飲んだあとに薄いお茶を飲ませてお口の中をきれいにし、指に巻き付けたガーゼで歯みがきをする程度で問題ありません。歯みがき粉は基本的には必要がありませんので、使わなくても大丈夫です。歯ブラシを使う場合は、必ず赤ちゃん専用の歯ブラシを使うようにしてください。

フッ素で虫歯予防をする

歯みがきが十分にできない赤ちゃん。生えたての乳歯は無防備な状態なのは変わらないため、フッ素による歯の強化を行っておきましょう。フッ素は自宅でフッ素ジェル等を塗る方法と、歯医者さんで塗るフッ素の2つの種類があります。フッ素ジェルは付けすぎず、お口の中をきれいにしてから塗るのが有効です。

お口へのスキンシップは要注意

赤ちゃんはそもそも虫歯菌が存在しません。それが、お母さんとの口移し、周りの大人たちとのキスなどのスキンシップをとることによって、お口の中に虫歯菌を入れることになります。家族に虫歯の人がいる場合は、しっかりデンタルケアすることが、赤ちゃんの虫歯のリスクを下げてくれます。

思い込みでケアするのは危険!?赤ちゃんの虫歯予防

赤ちゃんの虫歯予防をするなら、思い込みの勝手な判断をしないことも大切です。以下のようなポイントも踏まえて、ケアをするようにしてください。

・無理に歯みがきをする必要はない
赤ちゃんの歯は、生えたてでやわらかく傷もつきやすいです。歯みがきを大人と同じように1日3回も行うのは、ちょっと多すぎるかもしれません。赤ちゃんの歯磨きは1日1回、嫌がる場合はしなくても大丈夫です。なるべく食べかすをお口の中に残さないようにして、食後にお茶などを飲ませて清潔に保つようにしましょう。

・甘いものを食べるのは控えて
歯が生えてきて成長が進むと、離乳食やおやつなどを食べ始める赤ちゃんが増えてきます。そのときに甘いものを与えてしまうと、糖分が多すぎて虫歯になる可能性もあります。離乳食が薄味なように、おやつも大人と同じような甘さのものは控えることが大切です。和食は煮物に大量の砂糖を使うこともあるため、普段の食事の中でも糖分を摂取する機会はたくさんあります。おやつでも糖分を取ることになれば、糖分の摂りすぎになりかねません。または寝つきが悪い時やぐずった時に、甘いジュースや母乳でさえも与えたままで寝かしつけてしまうのは厳禁です。飲み物に含まれている糖分も食べものと同様です。

・定期検診や歯医者さんで診てもらう
適切なケアの方法を知りたければ、歯医者さんに尋ねるのが一番です。1歳半の歯科検診の際に保健師の先生に尋ねてもいいでしょう。子どもの歯の状態を正しく把握して、どんなケアが必要なのかを的確にアドバイスしてもらえば、虫歯を効率的に予防できます。定期検診や歯科検診を受けさせていれば、基本的には虫歯も早期発見が可能になります。そうなれば、治療も軽くすむので、ケアに力を入れるのももちろんいいですが、歯医者さんでの定期的なチェックも同じくらい重要視するようにしてくださいね。

4.まとめ

赤ちゃん 歯 ザラザラ

生まれたばかりの赤ちゃんの歯がザラザラしていると、何か問題があるのでは?と焦ってしまう親御さんが多いかもしれません。なかには、「子どもの歯の健康は親の責任だ」と考える親御さんも多いですが、意気込みだけで必要のないケアをしても意味がありませんよね。赤ちゃんの歯のザラつきにはさまざまな原因がありますので、もし、気になれば歯医者さんへ尋ねてみるようにしてください。虫歯の可能性もゼロではないので、一度診てもらうことをおすすめします。

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監修医 遠藤三樹夫先生

遠藤歯科クリニック

院長

【経歴】
1983年大阪大学歯学部 卒業
1983年大阪大学歯科口腔外科第一講座 入局
1985年大阪逓信病院(現 NTT西日本大阪病院)歯科 勤務
1988年遠藤歯科クリニック 開業
現在に至る
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