お母さん必見!赤ちゃんの乳歯を虫歯から守る方法

赤ちゃん 乳歯 虫歯

お母さん必見!赤ちゃんの乳歯を虫歯から守る方法

1歳前後になると、小さなお口にかわいらしい歯が生えてきます。お父さんお母さんとしては、この歯を絶対に虫歯にしたくないという気持ちが芽生えるころでもあります。実際に赤ちゃんの歯を虫歯から守るために、親御さんができることはたくさんあります。まだ自分で歯の手入れができない幼いうちに親御さんがどのようなケアや配慮をしたかによって、その子が生涯手にする歯の質が変わるといっても過言ではありません。まだ汚れていない、うつくしい赤ちゃんの歯を大切にして、虫歯のない歯をプレゼントしてあげましょう。

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この記事の目次

1.乳歯の虫歯の特徴

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虫歯の進行が早い

歯の表面はエナメル質という組織で守られています。このエナメル質が溶けて虫歯になっていくのですが、乳歯のエナメル質はとても弱いということを知っておきましょう。まだやわらかく、細菌や酸に対する抵抗力もあまりないので虫歯になりやすいのです。
そして、乳歯は一度虫歯になってしまうと永久歯よりも早く進行しやすいという特徴もあります。そのため、1本でも虫歯ができたらあっという間に何本も虫歯になってしまった、というケースもあるほどです。
さらに、まだ言葉を発せない赤ちゃんは歯の痛みをうまく伝えることができません。お父さんお母さんも気づいてあげることが難しいので、どうしても虫歯の発見が遅れてしまいがちです。

神経を抜く処置をすることが多い

エナメル質の下には象牙質という層があり、エナメル質を支える役目を果たしています。そして、象牙質の中には歯髄(しずい)という歯の神経が存在しています。歯の神経を外部の刺激から守るように、エナメル質や象牙質があるとイメージしてください。
ところが赤ちゃんの場合、エナメル質も象牙質も非常に薄い状態なので神経をしっかりと守れていません。ですから、少し虫歯におかされるだけでエナメル質と象牙質が壊されやすくなり、神経を抜かなければならないケースも多くなります。

永久歯も虫歯になりやすくなる

虫歯菌はお口の中にいったん入ってしまうと一生住み続けてしまいます。つまり、乳歯が虫歯になってしまうと、そのあとに生えてくる永久歯も虫歯になりやすくなるということです。
親御さんのなかには、「乳歯はどうせ抜け落ちるものだから虫歯になってもかまわない」という考えをお持ちの方がいます。ですがそれは大きな間違い。乳歯を虫歯にしてしまうと、永久歯が虫歯になる確率が高くなるということを覚えておいてください。
永久歯の虫歯を防ぐためにも、乳歯が生え始めた時期からしっかりと虫歯予防のケアをすることが大切です。

2.乳歯が虫歯になる主な原因と対策

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乳歯の特徴がわかったところで、虫歯になるメカニズムも確認しておきましょう。この章では、子どもならではの虫歯の原因と、すぐに取り組めるそれぞれの対策についてまとめました。

おやつのダラダラ食べ

おやつやジュースなどをいつまでも口にするダラダラ食べをしていると、虫歯になりやすいので気をつけてください。おいしいものを口にしていると赤ちゃんがご機嫌でいるため、ついつい頻繁に与えてしまいがちですが、おやつは決めた回数や時間以外にはできるだけあげないようにしましょう。
特に、ちょこちょこと口にしやすいジュース類には注意してください。

<対策>
おやつの時間は決めてしまいましょう。
赤ちゃんは胃が小さく、一度に食べられる量には限度があります。そのために、すぐにお腹がすいてしまうので、午前10時と午後3時の1日2回のおやつが理想です。
おやつを食べるときにも、イスにきちんと座らせてあげると、ダラダラと食べ続けるような癖がつきにくいでしょう。おやつの内容もゼリーやヨーグルト、果物、チーズのように砂糖が少なく、口の中に残らないものがおすすめです。

歯を磨いていない

赤ちゃんでも大人でも、歯を磨かなければ虫歯になるのは当たり前のことです。歯みがきをしないとお口の中には汚れや歯垢が溜まり、虫歯になってしまいます。

<対策>
どんなに小さな歯でも歯みがきは必要です。歯が生え始めたら、食事をしたあとは歯をきれいにしてあげましょう。
ただし、最初はお口の中に歯ブラシなどを入れるのを嫌がるかもしれません。ここで無理強いをしてしまうと、歯みがきを嫌いな子になってしまう可能性があるので、押さえつけてまで歯を磨く必要はありません。
歌ったり、笑顔で話しかけたりしながら歯みがきが楽しくなる工夫を凝らしてください。

磨き残しがある

歯みがきをきちんとしているつもりでも、磨き残しがあれば虫歯になってしまいます。まだ数の少ない赤ちゃんの歯でも、磨き残しは少なくないので気をつけてあげましょう。
赤ちゃんは当然のことながら、自分で歯を磨くことはできません。親御さんが正しい磨き方を身につけて、磨き残しのないようにしてください。

<対策>
まず、歯医者さんで正しいブラッシングの仕方について指導を受けることをおすすめします。自己流でやってしまうと、どうしても磨き残しやすいものです。特に初めてのお子さんの場合には、歯を磨いてあげるという作業に慣れずに戸惑うこともあるでしょう。赤ちゃんに対する歯みがきのコツをしっかりと教わってください。歯は1本1本違った特徴があります。それを理解したうえで、歯ブラシのあて方を変えるのがコツです。
また、子育て中のお父さんお母さんはなにかと忙しいので、じっくりと歯みがきをしてあげるのが難しいかもしれません。毎食後に歯みがきをする時間をとれない、という場合には夜寝る前だけでもしっかりと磨きましょう。夜寝ている間は唾液の分泌量が減って、お口の中に細菌が増えやすいのです。できるだけきれいな状態にしてから寝かせてあげてください。

虫歯菌への感染

生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中は、とてもきれいで虫歯菌など存在していません。では、どうして虫歯になるのでしょうか?
それは、お父さんお母さんなど大人のお口にいる虫歯菌が赤ちゃんのお口に入ってしまうからです。特に生後10か月~31か月の間は虫歯菌に感染しやすい時期ですから、細心の注意を払ってください。

<対策>
親御さんたちは、赤ちゃんに虫歯菌を感染させないように強く意識しなければなりません。唾液を介して虫歯菌がうつってしまうので、食べ物の口移しやスプーンやおはしなどの食器の共有は厳禁です。
熱い食べ物などをフーフーして冷ます行為も、唾液が飛んでしまいやすいので控えたほうがよいでしょう。こういったことができないと少し寂しいかもしれませんが、赤ちゃんを虫歯から守るためと考えてがんばってください。

3.歯医者さんで行う虫歯予防

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乳歯の虫歯予防には、自宅のケアだけでなく歯医者さんの診療も合わせて行うのが効果的。この章では、歯医者さんで受けられる有効な治療について紹介します。

フッ素

フッ素は、歯質を強くしつつ虫歯の原因となる酸への抵抗力も高めてくれます。特に生えたての歯は、大人の歯と比べて表面がデリケートで虫歯になりやすい状態。そのため、フッ素塗布は虫歯予防におすすめの施術です。
ただし、フッ素は予防目的で塗るものです。塗ったから安心というわけではなく、あくまで毎日の歯みがきケアが予防の基本となるので注意しましょう。

シーラント

奥歯の噛み合わせ部分にある溝には食べかすや汚れ、歯垢が溜まりやすいので虫歯になりやすい場所のひとつです。歯ブラシの毛先が届きにくいので、磨き残しが多くなってしまうのです。
そこで、奥歯の溝をプラスチックでふさいでしまう処置があります。これが、シーラントです。溝をシーラントでふさいでしまえば、歯垢などが溜まらなくなるので結果として虫歯予防になるというわけです。

定期検診

虫歯にならないようにするためには、やはり歯医者さんに定期的にお口の状態をチェックしてもらうとよいでしょう。万が一虫歯になっていても早期発見できますし、予防処置をしてもらうこともできます。
目安として、3か月に1度は歯医者さんに連れて行くことをおすすめします。虫歯だけでなく、歯並びの状態もチェックしてもらいましょう。また、小さなうちから通わせることで、歯医者さんに慣れて苦手意識を持ちづらくなります。

4.まとめ

虫歯予防は、歯が生え始めたころからスタートしなければなりません。永久歯に生え変わる前の乳歯の時期のケアは、そのあとの歯の状態を左右するほど大切なのです。
歯みがきだけでなく、おやつの食べ方など歯のためになる生活習慣を赤ちゃんのころからつけておくと、大きくなってからも困ることはありません。そしてなによりも、もともと虫歯菌のいない赤ちゃんのお口の中に、家族から虫歯菌をうつさないことが大切になります。家族みんなで十分に注意してくださいね。

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監修医 高橋貫之先生

本町通りデンタルクリニック

【経歴】
2003年 大阪歯科大学 卒業
2003年 大阪歯科大学 大学院歯学研究科博士課程 入学
2007年 大阪歯科大学 大学院歯学研究科博士課程 修了
2008年 大阪歯科大学 勤務
2016年 大阪歯科大学(歯周病学 助教)退職
2016年 本町通りデンタルクリニック 勤務
現在に至る。
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