赤ちゃんに歯みがきは必要?始める時期と磨く回数について

赤ちゃん 歯みがき 回数

赤ちゃんに歯みがきは必要?始める時期と磨く回数について

まだ歯が生えていない、もしくは歯が生え始めたばかりの赤ちゃんに歯みがきは必要なのかは気になるところです。さらに、赤ちゃんの場合には1日に何回くらい磨けば十分なのか、回数もよくわからない親御さんもいるかもしれません。そこで、赤ちゃんの歯みがきの基本を、1日あたりの回数に焦点をあてて解説していきます。このころの歯のケアのやり方によって、歯みがきを好きになるか嫌いになるかが決まってしまう可能性があるのです。

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この記事の目次

1.歯みがきはいつから始めるべき?

赤ちゃん 歯みがき 回数

乳歯が生える前からお口をきれいに

歯みがきの習慣をつけてあげるのは、歯が生えてきてからでかまいません。しかし、歯がまだ生えていないうちからお口の中をきれいにすることに慣れさせておきましょう。
おっぱいやミルクを飲ませたあとに、親御さんの指にガーゼを巻いてお口の中をやさしく拭ってあげます。こうして、お口の中の異物感に早いうちから慣れておくと、いざ歯みがきが必要となったときに、すんなり移行しやすいのです。

歯が生えてきても慣れることが第一

乳歯が生えてきたからといって、あわてて歯ブラシを使い始めなくても大丈夫です。焦って歯ブラシを使おうとして嫌がらせてしまえば、そのあとに苦労することになりかねません。歯ブラシが無理そうだな、と感じたらガーゼや綿棒で汚れを取ってあげましょう。
まずは、歯の汚れを取ること自体に慣れることが大事です。特に上唇の裏あたりを触られるのを嫌がる子が多いので、丁寧に伸ばしてミルクのかすなどを拭ってあげてください。

慣れてきたら歯ブラシで磨く

お口の中を触られることに慣れてきたら、歯ブラシの出番です。
乳児用の小さな歯ブラシで、ほんのちょこっと歯に触れる感じから始めてみましょう。いきなり歯ブラシできれいに汚れを落とそうと意気込みすぎてはいけません。歯ブラシの刺激に慣れるための期間も大切です。最終的には1本あたり5秒ほどやさしく磨くことができれば十分です。

歯みがきを嫌いにならないように

赤ちゃんのころに歯ブラシでゴシゴシと強く磨いたり、長い時間歯ブラシをお口の中に入れられたりすると、歯みがきに対する嫌悪感を抱いてしまいがちです。特に上唇の裏の筋(小帯)に痛みを感じやすいので注意してください。
一生懸命に歯磨きしようとすると、お父さんやお母さんの顔がこわばってしまうこともあるので、やさしく声をかけたり歌ったりしながら、やさしい笑顔で落ち着かせるように心がけましょう。
赤ちゃんが歯みがきを少しでもさせてくれたら、たくさんほめてあげるのも忘れないでくださいね。歯みがきの習慣をつけてあげる重要な時期ですから、焦りは禁物です。

2.1日に何回磨いたらいい?

回数にあまりこだわらずに

赤ちゃんのころは歯ブラシに慣れさせることが一番の目標ですから、歯みがきを始めたばかりの時期には1日1回でも歯みがきができたら大丈夫です。お子さんの機嫌のいいときや、お父さんお母さんに時間や気持ち的な余裕のあるときに1回は歯ブラシを使ってていねいに磨いてあげましょう。
歯ブラシに慣れてきたら、毎食後に歯みがきをする習慣をつけるようにしていけばいいのです。歯ブラシを使わないときには、お口の中をガーゼなどで拭ってあげるだけでも構いません。

夜寝る前の歯みがきを大切に

夜寝ている間というのは、唾液の量が減って虫歯菌が繁殖しやすい時間です。ですから、1日1回の歯みがきですませたいときには、就寝前のタイミングにすることをおすすめします。歯みがきに慣れてきて1日2回磨けるようになってきたら、夜寝る前に加えて朝食後に歯ブラシを使うことが理想です。

3.赤ちゃんの歯の磨き方

赤ちゃん 歯みがき 回数

基本の歯みがき法

赤ちゃんを膝の上に寝かせて磨くのが一般的なやり方です。
小さめの歯ブラシをペンを持つように軽く握り、片方の手の指でお子さんの唇をやさしくめくってあげましょう。歯ブラシを使っている最中に赤ちゃんが突然動くとお口の中を傷つけてしまう恐れがあります。歯ブラシを使うときには、赤ちゃんの頭を固定できる姿勢をとりましょう。
歯ブラシの先端部分だけを歯にあてて、細かくふるわせるように前後や横に動かして磨きます。歯茎に近い部分を磨くときには痛みを感じやすいので、力を入れすぎずにやさしく歯ブラシを動かしましょう。

磨き残しやすいところ

上の前歯の歯と歯の間と、歯と歯茎の間は磨き残しが多く、虫歯になりやすい場所です。
毎回同じ順番で歯を磨いていると、最後まで磨けなかったときなどに同じ場所を磨き残してしまいます。磨く順番はできるだけ変化をつけるようにして、決まった場所を磨き残さないようにしましょう。

自分から興味をもった場合

赤ちゃんが歯みがきに興味をもったら、その気持ちを大切にしてあげてください。せっかくのチャンスですから、歯みがきを好きになってもらいましょう。
喉に入らないようにストッパーのついている赤ちゃん用の歯ブラシがあるので、それを持たせてあげるとよいでしょう。ただし、事故を防ぐためにも立ったまま歯ブラシを持たせたり、親御さんのいないところで歯みがきをさせたりするのは絶対にやめてください。
もちろん赤ちゃんは自分できちんと歯みがきをすることはできません。仕上げ磨きは必ずしてあげましょう。

4.歯ブラシの選び方

小さめの歯ブラシ

赤ちゃんに使う歯ブラシは、ヘッドが小さめのものを選びましょう。毛の生えている部分が赤ちゃんの歯2本分ほどの幅のものがちょうどいいサイズです。また、毛先が丸く加工されている方が歯茎にあたった際に傷つけにくいのでおすすめです。
乳児用の歯ブラシはいろいろと出回っていますから、赤ちゃんのお気に入りのキャラクターや好きな色のものを選んであげると歯みがきタイムが楽しくなりますね。

仕上げ用と2本用意して

赤ちゃんによっては、すぐに歯ブラシを噛んでしまい毛先をダメにしてしまうことがあります。そこで、赤ちゃんに持たせるマイ歯ブラシとは別に親御さんの仕上げ磨き用にも1本用意しましょう。赤ちゃん用のマイ歯ブラシは飲み込み防止リングのついたもの、仕上げ磨き用には親御さんが持ちやすいように柄の長いものが便利です。

シリコン製のブラシもある

親御さんの指にはめて使うシリコン製のブラシも販売されています。普通の歯ブラシに慣れる前の段階で、こういったタイプのブラシを使ってもよいでしょう。歯ブラシのような異物をお口に入れるのに抵抗があったとしても、これなら親御さんの指が入っている感覚なので赤ちゃんも受け入れやすいかもしれません。

5.まとめ

赤ちゃん 歯みがき 回数

赤ちゃんには歯みがきの楽しさや、お口の中がきれいになる喜びなど感じさせてあげましょう。歯ブラシをお口の中に入れることに一生懸命になり過ぎて、歯みがきそのものを嫌いにさせないように注意してください。このころは回数にも、それほどこだわる必要はありません。
最初のうちは基本的にガーゼで汚れを拭うだけで十分です。そして、歯が生えてきたら歯ブラシに慣れさせながら、1日1回、2回と回数を増やしていくようにしましょう。

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監修医 飯田尚良先生

飯田歯科医院

院長

【経歴】
1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る
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