矯正歯科まとめ | 矯正前にちょっと待った！親知らずの抜歯はOK？

矯正をする前に親知らずを抜いてしまうことで、もしかしたら後悔するかもしれません。
健康な状態であればキレイな歯並びにするために親知らずを活かすこともできるんですよ。
この記事では親知らずを抜かないといけないケースや、抜歯前に気を付けたいこと、抜歯のタイミングなどを紹介します。
治療を選択するときの参考にしてくださいね。

この記事の目次

親知らずの抜歯は必要？

親知らずだからといって必ず抜歯ではない抜かなければならないケース抜歯をしてもらう前に気をつけたいこと親知らずの抜歯をするタイミング

親知らずを活かすことでキレイな歯をキープ

親知らずを矯正装置で動かす親知らずを抜いて他の場に移植する入れ歯やブリッジの基礎に矯正のための親知らず抜歯は保険が効く？

まとめ

親知らずの抜歯は必要？

親知らずだからといって必ず抜歯ではない

特に問題がない歯であれば、親知らずだったとしても無理に抜歯する必要はありません。
例えば虫歯などになっていない上下の歯がきちんと噛みあっているような親知らずであれば、抜かなくても良いでしょう。
親知らずがあるからといってすぐに抜こうとする歯医者さんは気を付けるべきでしょう。そもそも歯というのは1度削ったり抜いたりしてしまえば元に戻ることはないですよね。そのため説明なしに抜歯してしまうような歯医者さんはおすすめできません。
カウンセリングでこちらの希望をしっかり聞いてくれた上で、もし抜歯しなければいけない場合は患者さんが納得いくように理論立てて説明してくれる歯医者さんを選びましょう。治療の根拠が分かればこちらも納得して治療を受けることができます。
流れ作業のように十分な説明なしに抜歯しようとするような歯医者さんであれば、セカンドオピニオンを考えてみても良いかもしれませんね。

抜かなければならないケース

ただし、以下のような場合には親知らずの抜歯が必要です。

～親知らずの抜歯が必要なケース～

◆親知らずをそのままにすると歯並びに悪影響がでる
矯正をする際に親知らずをそのままにしてしまうと歯並びが悪くなる場合には抜歯することもあります。これは親知らずが他の歯を圧迫している場合などです。

◆矯正が終わった後に歯の後戻りを予防する
矯正で動かした後は歯が元の位置に戻ろうとします。これを「後戻り」というのですが、顎のスペースが少ない人はスキマを空けないと歯が並びづらく、矯正したとしても後戻りしやすいのです。そのため親知らずを抜歯することがあります。

◆虫歯になりやすいなどリスクがある
親知らずが変な向き、もしくは半分埋まって生えていることで歯ブラシがあてづらいです。また、その隣の歯などの歯ブラシが届きづらいので虫歯になりやすいリスクがあります。特に矯正中はその装置が邪魔になり磨き残しが発生しやすいです。患者さんの個人差もありますが、きちんと時間をかけて磨けない場合や虫歯になりかけている場合は親知らずを抜歯することも考えられます。

◆上下の親知らずがきちんと噛みあわない
親知らずがきちんと真っすぐ生えているケースもあります。しかし、噛みあう対向歯がないと親知らずが伸び続けてしまい、結果的に歯茎などにあたり痛みを感じることがあります。その場合には抜歯することも考えられます。

抜歯をしてもらう前に気をつけたいこと

まずは歯医者さんで親知らずの抜歯をしてから矯正をしようと考えていませんか。しかし、安易に抜歯してしまうのは注意が必要です。
特に親知らずの抜歯と矯正を違う歯医者さんで行おうと考えている人は1度矯正歯科に診てもらってから抜歯を検討するべきでしょう。
なぜなら、親知らずが健康な歯の場合、他の歯(例えば虫歯など状態の悪い歯)を抜歯し、親知らずを使って歯並びを整えることもあるからです。
抜いてしまうともちろん元には戻せないので矯正歯科をいくつかまわって検討することをおすすめします。

親知らずの抜歯をするタイミング

矯正のために抜歯をするタイミングは歯医者さんによって違います。例えば、治療前に行うこともあれば治療中（ブラケットを装着した後）に行うこともあります。ブラケットをつけた後に抜歯する理由としては、抜歯をする際に抜きやすくなる事もあるからです。
しかし、あくまで補助的な意味だけになります。腫れや痛みに関しても、どちらにせよ出る場合はありますので注意が必要です。

親知らずを活かすことでキレイな歯をキープ

親知らずを矯正装置で動かす

上の章でも少し触れましたが、人によっては親知らずを矯正装置で移動させることでキレイな歯並びを維持できます。例えば、親知らずの隣の（手前の)歯が虫歯などで長く残すことが難しい場合、その歯を抜き矯正により親知らずを動かします。フル矯正でなく部分矯正で済むこともあります。
もし親知らずだったとしても長く残せる歯として機能させることができます。

親知らずを抜いて他の場に移植する

虫歯などで他の歯を抜歯し、そのスペースに親知らずを持ってきて移植することもできます。ただし、移植の際に神経が切れてしまうので歯自体がもろくなります。そのままにしておくと割れたり欠けたりするので被せものをして使います。

入れ歯やブリッジの基礎に

親知らずといっても生えている向きなどによっては入れ歯、ブリッジの基礎(土台)として活用できます。親知らずを抜歯してしまうことで年を重ねたときに治療の選択肢が少なくなる可能性はあります。

矯正のための親知らず抜歯は保険が効く？

歯の抜歯をするのに保険が効くか気になっている人もいるのではないでしょうか。
基本的に矯正するために抜歯をするのであれば、保険は効かないと思っておきましょう。
これは日本の法律が関係しています。矯正治療というのは一般的に自費診療がほとんどです。しかし、抜歯を保険治療にしてしまうと保険と自費がごちゃ混ぜになった「混合診療」となってしまいこれは法律によって禁止されているのです。
親知らずでもほかの歯でも矯正による抜歯であれば自費になると覚えておいたほうが良いでしょう。
また、普通抜歯（歯が真っすぐに生えているケース）や、難抜歯（歯の向きが傾いている、変な方向を向いているなどの理由で歯を割りつつ抜歯しないといけないケース）や、埋伏抜歯（歯肉の中に歯冠のうち3分の2以上が埋まっていて歯肉を切開しながら抜歯するケース）では抜歯の仕方が違うため費用も差がでてきます。
一般的に埋伏抜歯や難抜歯のほうが普通抜歯よりも手間がかかります。手間のかかる順でいえば、埋伏抜歯>難抜歯>普通抜歯です。同じ親知らずでも埋まっている状態や向いている方向によって費用が変わることを知っておきましょう。

まとめ

親知らずがあるからといって必ず抜歯する必要はありません。
親知らずがあることはデメリットしかないと思われがちですが、むしろ矯正の際に親知らずが活用されることもあるのです。他の歯に悪影響を及ぼさない健康な歯であればそのまま残すことも考えましょう。
ただし、残すことで歯並びがキレイに並ばない場合や親知らずが原因で歯磨きしにくくなっていることもあります。そのようなケースでは抜歯することもあります。
まずは矯正歯科の先生にお口の中と親知らずの状態を診てもらうことが先です。
その上で抜歯をする必要があれば考えてみてください。
矯正は先生の考え方や技術や実績によっても仕上がりに差がでます。また、矯正のための抜歯の判断基準も先生の考えによって大きく違います。信頼関係のできていない歯医者さんでよく分からないまま抜歯をしてしまうと後々トラブルになることもあるので気を付けましょう。
いくつかのクリニックをまわってみて自分に合うところを見つけることをおすすめします。