※ 掲載する平均費用はあくまでユーザー様のご参考のために提示したものであり、施術内容、症状等により、施術費用は変動することが考えられます。必ず各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください。
この記事の目次
このような症状の人は外科矯正が必要!
顎変形症
顎変形症の場合は、一般的な歯列矯正では治療ができない可能性があります。骨格性不正咬合といって、骨格が原因で噛み合わせが悪くなっているという場合には、外科矯正が必要です。
・下顎前突症
顎変形症の7割がこの下顎前突症です。受け口、下顎が出ていてしゃくれているなどの症状が下顎前突症にあたります。
・上顎前突症
下顎が後ろに下がっていて、見た目に顎がないような骨格、また、上顎が飛び出ている出っ歯のような状態を上顎前突症といいます。上顎前突症の人は、笑うと歯茎が目立つガミースマイルの人も少なくありません。
・開咬症
顎を閉じた時、上下前歯が重なり合わないのが開咬症です。前から見ると舌が見えるなど、上下の歯の間に隙間ができます。
・上顎後退症
上顎が下顎に対し小さいのがこの上顎後退症の症状です。成長が悪いために上顎がくぼんだように見えることも…。下顎の歯列が上顎の歯列よりも前方で噛み合うのが特徴的です。
・下顎後退症
骨の成長が悪く、鶏の横顔のように口元が飛び出ているように見えるのが特徴の病気です。
・顔面非対称症
アゴが左右対称ではなく、歪んだり曲がっている状態です。
外科矯正治療ではどんな治療をする?
手術前から手術、手術後までの流れ
外科治療をする際には、ある程度矯正をして、歯列を整えてから外科手術を行います。外科手術だけしか行わないケースはほとんどないと思ってもいいでしょう。外科的矯正治療の全体の流れは以下の通りです。
・初診相談
・検査
・診断
・口腔外科受診
・術前矯正治療
・手術日決定
・入院、手術
・術後矯正
・保定、観察
・プレート除去術
ご覧の通り、矯正治療を手術前に行いますが、手術後にも、噛み合わせを最終調整するように歯列矯正を行います。
具体的にどんな手術をするの?
外科治療では、具体的にどんな手術をするのか見ていきましょう。
・受け口の場合に多い上顎骨切り術
例えば、受け口の場合を例に出して説明しましょう。受け口の場合は、一部当てはまらない場合もありますが、上顎の骨が変形している場合などに行う上顎骨切り術を行います。
この手術は、上顎を切断して前方にスライドさせ、下顎ときちんと噛み合うようにする手術です。こうすることで、突出した下顎に上顎を合わせることができます。
・出っ歯や開咬にも用いる下顎枝矢状分割術
受け口の場合、日本では下顎枝矢状分割術とともに下顎枝垂直骨切り術を用いることが多いです。
下顎枝矢状分割術とは、えらの近くにある顎の骨を切り抜き、骨を後方に動かして固定します。こうすることで顎の骨の大きさを調整することができるのです。
下顎枝垂直骨切り術は、下顎枝矢状分割術のように骨を切断して移動させ、顎の大きさを調整する手術ですが、これは受け口など、下顎を後方に下げたい場合に行います。移動する幅が比較的狭い場合に有効です。
また、これを前方にスライドさせたり、回転させたりすることで、出っ歯や開咬の治療にも役立ちます。
これらの手術時間は1.5時間ほどで通常より比較的短く、舌唇の近く鈍麻が起こりにくいという長所があります。アゴの固定は手術後、翌日に行うのが一般的な流れになります。
・口元の突出が気になるケースではKole法
Kole法(ケーレ法)、Wassmund-wunderer(ワスモンド)法(上顎前方歯槽骨切り術)は、入院期間が短く1泊だけで済みます。
普段通りの生活に戻るには2〜3日ほどかかりますが、ワイヤーブラケット矯正などが不要になるので、仕事などの事情で短期間で矯正したい人におすすめです。
Kole法は、下顎前歯部歯槽骨切り術とも呼ばれます。前方から数えて2個目の奥歯(左右第一小臼歯)を抜歯し、歯茎にある歯槽骨を切除し、歯茎の骨の傾きを変えることで後退させる方法です。
Wassmund-wunderer(ワスモンド)法は、上顎の前歯を抜歯して上顎の骨を切り、再度固定することで出っ歯などを引っ込めることができる治療です。上下顎の突出が気になる場合にも使えます。
インプラント歯列矯正で
矯正用のインプラントを使用して、ガミースマイルを改善する治療が行えます。ガミースマイルとは、笑った時に歯茎がむき出しになる状態のことです。
植え込むインプラントの本数などによって手術時間は変わりますが、短いと30分くらい、長くても2時間くらいでインプラントの手術は完了します。
植え込むインプラントは通常のインプラントに比べると小さく、埋め込んだインプラントを基点にして歯の位置や傾きを調整していきます。抜歯をせずに治療できることが、このインプラント歯列矯正のメリットです。
外科矯正の治療期間は?
入院が必要な矯正治療
通常、矯正治療では入院が必要となるケースはほとんどありません。しかし、外科矯正は大掛かりな外科的手術が必要なため、入院が必要となることが多くなります。入院期間はだいたい1〜3週間程度です。
回復までに時間がかかる
手術を受けるので、入院をしてから回復までには時間がかかります。親知らずの抜歯なども外科的治療ですが、手術当日に帰宅できることはほとんどありません。
通常の食事ができるようになるのは1ヶ月くらいです。手術してすぐの頃は、刺激の少ないおかゆなど、柔らかい食事を選ぶことが必要になります。歯科治療の中ではダウンタイムが非常に長くなるので、口を開けられるようになるまでには徐々にリハビリを行う必要もでてきます。
生活に支障が出てくる可能性があるので、その点は歯医者さんにしっかり相談して、手術を受けるようにすると安心です。
外科治療後の効果は?
顔つきの改善が期待できる
矯正歯科治療のみだと顔つきまで改善することは少ないといえます。歯並びが整う程度なので、大きな変化は起こりません。しかし、外科的矯正治療なら、顎の形などを大きく変えることができます。そのため、印象を大きく変えることが期待できるのです。
歯への負担が減る
骨格から改善するので、歯をきれいに顎の骨の上に並べることができます。土台から治療ができるので、歯列矯正の効果もより感じられることでしょう。
外科矯正の治療費相場
顎変形症は保険適用内
手術費用は、自己負担率3割と考えると20万円から30万円前後です。下顎のみは25万円前後、上下顎で30〜35万円前後かかります。
・インプラント矯正
費用はワイヤーブラケットを使用して治療するのとあまり変わらないか高めになります。目安としては、上下の歯で60~150万円程度が目安です。矯正箇所、矯正器具等によって大きく変動しますので、詳細は受診する歯医者さんに尋ねてみてください。
高額療養費制度を利用して
高額療養費制度とは、高額な医療費を一部、国が負担してくれる制度です。定められた上限額を超えた場合に限りますが、その上限は年齢や所得により変わります。
例えば70歳以上・年収約370万~770万円であれば、100万円の医療費を3割負担で支払った(30万円)として、最終的な自己負担額は87,430円になります。
まとめ
外科矯正は顎の骨に異常がある場合に行う矯正治療のことです。”外科”とつく通り外科的手術が伴う治療法ですが、ほとんどの場合で歯列矯正を併用するため、外科治療と矯正治療の両輪から改善していく治療法と捉えることができます。
治療法によっては短期間で治療が終わるものもあって身体や生活への負担を減らせる治療もありますが、一方で費用が高くなる可能性も…。歯医者さんにしっかり相談して納得できる治療法を選ぶといいでしょう。
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