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矯正期間を短縮する主な3つの方法

歯の矯正は、歯並びの状態にもよりますが、長くて3年以上かかるケースもあります。その間、ブラケットなどの矯正装置を付け続けるのは、大きなストレスになるものです。ここでは、矯正期間の短縮を可能とする主な3つの方法についてご紹介します。

セルフライゲーションブラケット

ブラケットとは、ワイヤーを歯に装着するための器具の名称です。一般的なブラケットは、そこにワイヤーを固定し、ワイヤーの弾力を利用することで、歯に強い力を加えるものです。一方、セルフライゲーションブラケットは、ワイヤーを固定せず自由に動く状態で装着するものです。一般のブラケットと比較すると、約600分の1程度の弱い力ですが、歯の血流を圧迫せず新陳代謝を活かすことができるので、逆に効率の良い歯の移動が可能となります。

【メリット】
・大きな力をかけないので痛みが少ない
・効率的に移動できるので矯正期間を短くできる
・歯列のアーチをきれいに横へ広げることができる
・アーチの拡大が見込まれるので非抜歯で矯正できる可能性がある
・ワイヤーをブラケットに固定する留め具が不要なのでセルフケアしやすい
・ワイヤーをブラケットに固定しないので施術時間が短い
・調整のための通院頻度が少なくなる
・支点とする大臼歯が動いてしまうリスクが少ない
・無理な力を加えないので後戻りが少ない
・血流が圧迫されないので歯周組織が健全に保たれる
・大きな力を加えないので顎関節への負担が少ない
【デメリット】
・歯の移動を個別にコントロールするのが難しい
・一般的なブラケットよりも装置が割高になる
・見た目が悪いものもある(メーカーや製造時期による)
【短縮できる割合の目安】
およそ2割から4割の短縮も可能

外科的な手術とブラケット矯正の併用

ブラケット矯正に外科的手術を併用することでも、矯正期間を大きく短縮できる方法がいろいろあります。インプラントを顎の骨に埋め込んで、それを支点にするインプラント矯正や、歯槽骨(歯を支える骨)に亀裂を入れて動きやすくする方法などもあります。

【メリット】
・治療期間を短縮できブラケットの装着期間を短くできる
・矯正力が大きいので抜歯をしない可能性が高くなる
・歯を移動しやすいので矯正装置をシンプルに組める
・動かしたい歯だけを大きく動かすことができる
・ブラケットの装着期間が短いので虫歯のリスクが減る
【デメリット】
・外科的な手術を受けなければならない
・歯が動きすぎてしまうリスクがある
・手術費用がかかるので割高になる
【短縮できる割合の目安】
およそ2割から5割の短縮も可能

プチ矯正(部分矯正)

プチ矯正とは、前歯の出っ張りや凸凹、隙間など、歯列の気になる部分だけを矯正する方法で、ブラケットやマウスピースなどで矯正します。施術範囲が狭いことが、矯正期間が
短くできる主な理由となります。

【メリット】
・治療期間を短縮できる
・気になるところだけを集中的に改善できる
・全体矯正(歯の全体のブラケット矯正)よりも費用が割安になる
・部分的な施術なので痛みを少なくできる
・装置を装着するストレスが少ない
・全体矯正と比べて虫歯のリスクが少ない
【デメリット】
・大きな歯列の乱れには対応できない
・歯の噛み合わせなど歯列全体の機能性を整えにくい
【治療期間の目安】
半年から1年程度

セルフライゲーションブラケットの種類について

ブラケット矯正の常識を覆し、数多くのメリットがあるセルフライゲーションブラケットですが、供給するメーカーによってさまざまな特徴があります。主な、セルフライゲーションブラケットをご紹介しましょう。

デイモンシステム

デイモンシステムはブラケットのスロット(穴)にワイヤーを通すだけのシンプルな構造で、装着するチェアタイムも短縮できるシステムです。構造がシンプルなので、セルフケアがしやすい上に、ブラケットの角を丸く加工してあるので、歯垢が溜まりにくく、衛生状態を保ちすくなっています。また、ニュータイプとして、前歯の6本用の透明なブラケットも加わり、目立たない矯正が可能です。

クリッピーC

セルフライゲーションブラケットは、ブラケットの中をワイヤーが動くことで、弱い力による効果的な矯正ができることが特徴ですが、場合よってはワイヤーが固定されていた方が、歯の移動をコントロールしやすいものです。クリッピーCは、ワイヤーが自由にスライドできる状態と完全に固定できる状態を併用できる構造なので、より的確なコントロール
が可能となっています。また、白くコーティングされているので、審美性も高いものです。

クリアスナップ

クリアスナップは、厳密に言うとブラケットとワイヤーを通すためのパーツです。一般的なブラケット矯正では、ゴムや金属線でワイヤーをブラケットに完全に固定しますが、クリアスナップはブラケットの中をワイヤーが自由に動く構造になっており、セルフライゲーションブラケットと同様の効果をもたらします。InVuというブラケットにクリアスナップを被せる構造ですが、どちらも白い素材なので、審美的にも優れています。

 

セルフライゲーションブラケット

外科的な処置をブラケット矯正と併用した方法

外科的な矯正を併用すると、大きく矯正期間を短縮できますが、手術をするとなると、不安になる方もいるはずです。しかし、ここで紹介する方法は、最大でも2時間程度で手術が終わるものです。長期間、装置を付けなければならない煩わしさを、短時間の手術で大きく軽減できます。

インプラント矯正

インプラント矯正は、前述した通り、顎の骨にアンカースクリューというチタン製のネジを埋め込み、それを固定源としたブラケット矯正を行うものです。固定源が動かないので強い力を加えられ、大きな歯の乱れを短期間で整えることができます。外科手術といっても、大掛かりな手術ではなく、短時間で終わる簡単なものです。

【手術時間】
およそ20分~30分程度
コルチコトミー法
外科手術を併用する矯正法は、主に歯を支える歯槽骨に手術を施すものです。コルチコトミー法は、その中でももっともシンプルな方法で、歯槽骨の表層の皮質骨と呼ばれる固い部分の一部を切除するものです。これにより、歯が動くスペースを拡大したり、歯を動きやすくすることが可能となります。
【手術時間】
およそ1時間程度

ヘミエステオトミー・コルチコトミー法

コルチコトミー法から、もう一歩進んで、歯をより動かしやすくする方法が、ヘミエステオトミー・コルチコトミー法です。歯槽骨表層の硬い部分となる皮質骨から、そのさらに下の骨(海綿骨)までヒビを入れることで、歯を動かしやすくします。ブラケット矯正の力とヒビが回復する自然治癒力の作用で、治療期間を最大半分程度に短縮できるケースもあります。

【手術時間】
およそ1時間半程度

オステオトミー法

歯を支える歯槽骨を切断する外科手術を施すのが、オステオトミー法です。外科手術を併用した矯正法では、もっとも短期間で歯を大きく動かすことのできるものとなります。コルチコトミー法やヘミエステオトミー・コルチコトミー法でも、矯正期間の大幅な短縮が見込めますが、こうした方法でも効果的な歯の移動が困難なケースに用いられる手術です。

【手術時間】
およそ2時間程度

 部分矯正が適応可能のケース

部分矯正は、歯の気になる部分だけを矯正するものなので、歯列全体を整えることはできません。しかし、部分矯正で対応できる症例であれば、短期間でなおかつ安価で、歯の印象を美しく改善することができます。部分矯正に適応した症例は以下の通りです。

前歯のみの歯列の乱れ

奥歯の歯列に問題がなく、前歯のみが凹凸があるなど乱れているケースでは、部分矯正でも十分対応できます。凹凸が整うだけでも、見た目の印象が大きく変わるものです。ただし、歯を移動するスペースがない場合には、歯列全体を動かす全体矯正や抜歯が必要となる場合もあります。

前歯のすきっ歯

奥歯の噛み合わせに問題がなく、前歯のみがすきっ歯になっているケースでも、部分矯正が有効です。症例によっては、ブラケット矯正をせず、マウスピース矯正だけでも、隙間を閉じることが可能です。

奥歯の隙間

奥歯が部分的に倒れ込んでいたり、隙間が空いているケースも、部分矯正だけで治せる場合があります。ただし、奥歯の隙間の幅が広い場合には、適用できないこともあります。
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まとめ

矯正には長い時間がかかるものという先入観がある方も多いはずですが、先進のブラケットや外科的な治療を併用することなどで、治療期間を最大5割り程度短縮できる可能性もあるのです。こうした矯正は、一般的なブラケット矯正と比較すると、当然費用がかかるものですが、装置を長い間付けなければならないストレスを考えると、それだけの価値のある方法だといえます。可能な限り短期間で治したいという方は、こうした治療法を扱っている歯医者さんに、是非一度相談してみましょう。

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2022-08-16T15:00:05+00:00