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※ 掲載する平均費用はあくまでユーザー様のご参考のために提示したものであり、施術内容、症状等により、施術費用は変動することが考えられます。必ず各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください。

この記事の目次

開口(開咬)とは?主な原因や弊害について

開口(開咬)とは?

歯を噛み合わせた時、前歯は通常、上の歯が下の歯を2ミリから3ミリ程度、覆うように接触しながら合わさります。開口(開咬)とは、歯を噛み合わても、前歯がまったく接触せず開いた状態になる不正咬合で、オープンバイトともいわれています。また、重度の場合には、奥歯付近しか接触しないケースもあります。

 

開口(開咬)の原因

開口には大きく分けて、先天的な原因と後天的な原因があります。先天的な原因としては、顎の骨が長いなど、顎の形に異常があるといったケースが上げられます。また、後天的な原因としては、成長期に顎の成長がアンバランスになったり、舌癖や口呼吸、指しゃぶりといった悪癖が、開口をもたらす場合もあります。

・先天的に縦長の顎
・アンバランスな顎の成長
・長期間のおしゃぶりの使用
・舌癖や指しゃぶりなどの悪癖
・口呼吸

開口の弊害

見た目の弊害としては、前歯が閉まらないので、唇を閉じにくかったり、口元が出っ張ってしまうことが上げられます。しかし、見た目もさることながら、大きな弊害となるのは、食べ物をしっかりと噛めないことです。

前歯がまったく接触できないので、上手く噛み切ることができず、奥歯付近だけで潰すような咀嚼になります。また、うまく飲み込めなかったり、発音が悪くなるという弊害もあります。

・口元が出っ張る
・唇が閉じない
・しっかりと噛めない
・奥歯に大きな負担がかかる
・うまく飲み込めない
・発音が悪くなる
・奥歯の詰め物が取れやすい

 

 

開口のさまざまなな矯正法について

不正咬合の中でもっとも多い叢生(歯の重なりや捻れ)と比べると、開口は比較的症例が少ないものです。特に、奥歯以外まったく接触しないといったケースは珍しいものです。

それだけに、開口の治療を最も難しい不正咬合と考える歯医者さんもあります。また、先天的な顎の異常など、顎自体に問題がある場合には、外科手術を併用する場合もあります。

 

ブラケット矯正

ブラケット矯正とは、歯の表面にワイヤーを固定する装置を付けて、ワイヤーの弾力を利用して、歯を移動する矯正法です。歯の表側にブラケットを付ける表側矯正が一般的で、開口はもとより、さまざまな不正咬合を幅広く治療できる方法となります。

【メリット】

・歯の捻じれや重なりを伴う複雑な歯列も治療可能
・さまざまな不正咬合の実績が多く信頼性が高い
・表側矯正の場合はもっとも安価

【デメリット】

・表側矯正の場合には装置が目立つ
・慣れるまでは痛みや違和感がある
・装置が歯に固定されているので自分で取り外しできない
・食べかすが詰まるなど、慣れるまで食事中の違和感がある
・装置の隙間などのブラッシングに手間がかかる

【期間の目安】

およそ2年から3年程度

【費用の目安】

およそ60万円から80万円程度(表側矯正の場合)

 

 

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、現在の歯並びから理想的な歯並びまでの動きを、コンピュータでシミュレーションし、その移動過程に従って、形の異なるマウスピースに付け替えることで、少しずつ歯列を移動する矯正法です。

重度の叢生(歯の重なりや捻れ)を伴っている場合には、不向きとされていますが、装置の進化によって、適用できる症例も広がってきています。

【メリット】

・少しずつ歯を移動するので痛みや違和感が少ない
・自分で取り外しできるので食事やセルフケアをしやすい
・薄く透明な素材なので目立ちにくい
・金属アレルギーのある方でも治療可能
・被せ物があっても矯正可能

【デメリット】

・一般的に歯の大きな移動や重度の叢生がある場合には不向き
・自分で外せるので規定の装着時間を守りにくい
・唾液が行き渡りにくく虫歯のリスクがある

【治療期間の目安】

・1年半から2年程度

【費用の目安】

・およそ80万円から100万円程度

 

 

顎の外科手術を伴う矯正

開口の場合、先天的に顎の大きさのバランスが悪かったり、位置がズレていたりと、顎の骨自体に根本的な原因があるケースもあります。

ブラケット矯正やマウスピース矯正など、歯だけを移動する矯正では根本的な治療ができない場合は、顎の手術と装置を使った矯正を組み合わせるのが望ましいケースもあります。顎変形症と認定されれば、健康保険を適用することもできます。

【メリット】

・顎の根本的な原因を大きく改善できる
・矯正装置を付ける期間の短縮が見込める
・顎変形症と認定されれば健康保険の適用が可能
・後戻りしにくい

【デメリット】

・保険の適用には、顎口腔機能診断施設での顎変形症の認定が必要
・術後10日間程度の入院が必要となる
・保険を適用する場合、治療できる医療機関が限定される
(自立支援医療機関あるいは顎口腔機能診断施設の指定を受けている医療機関のみ)

【治療期間の目安】

・およそ3年から4年程度

【費用の目安】

・自費診療でおよそ200万円程度
・保険を適用した場合には、およそ50万円程度

 

 

 

開口の矯正効果を高めるオプション

前述した通り、開口は不正咬合の中でも珍しく、ブラケット矯正やマウスピース矯正だけでは、治療が難しい(時間がかかる)ケースもあります。ここでは、他の処置を組み合わせることで、治療効果を上げる方法についてご紹介します。

 

小臼歯の抜歯を伴った矯正

ブラケット矯正やマウスピース矯正では、歯を移動する際に、ネックとなるのが、歯を移動するスペースがないケースです。そこで、事前に抜歯をすることで、歯を移動しやすくする処置を行うことも珍しくありません。主に小臼歯を抜歯することで、歯列を移動するスペースを作ります。

 

インプラント矯正

通常のブラケット矯正では、歯列を大きく動かすのに時間がかかる場合もあります。奥歯などを支点にして、ワイヤーを引っ張るので、逆に奥歯が動いてしまわないよう、引っ張る力にも限界があるからです。

そこで、矯正効果を高めるオプションとして、インプラントを支点にする方法もあります。顎の骨に、インプラント(チタン製のネジ)を埋め込み、それを支点にするので、大きな力をかけることができ、効果的に歯を移動することが可能です。治療期間の短縮も見込めます。

 

口腔筋機能療法(MFT)

口腔筋機能療法とは、主に舌の筋肉を中心に、口腔筋のバランスや機能を高めるトレーニングです。口腔筋の使い方が悪いと、開口をはじめ、出っ歯や受け口の原因にもなります。特に開口では、ブラケット矯正やマウスピース矯正に、口腔筋のトレーニングを併用することで、治療効果を高めることが可能です。

 

 

 

開口にはどんな弊害があるの?

開口の弊害は、1章でお伝えした通りですが、これをずっと放置していた場合に、どのような弊害に発展する可能性があるかについて、詳しくご紹介します。特に注目したいのは、中高年になった際に、歯を失うリスクがもっとも高い不正咬合であることです。

 

口内環境の大きな悪化を招く

口が閉じにくくなると、口内が乾燥しやすくなり、唾液の自浄作用も損なわれて、虫歯や歯周病などが悪化するリスクが高くなります。口が閉じにくくなる不正咬合としては、出っ歯が上げられますが、開口もその一つとなります。

 

胃腸に大きな負担をかける

前歯が閉じないので、噛み切ることができず、食事では基本的に、奥歯だけですり潰すことになります。食べ物を細かくして、胃腸に届けることができないので、消化に大きな負担がかかります。長年、このような状態が続けば、胃腸の疾患に発展するリスクもあります。

 

顎関節症の要因にもなる

1章の弊害でお伝えした通り、前歯が合わさらないことで、奥歯だけで噛むようになり、奥歯に大きな負担がかかります。長年、奥歯に負担がかかれば、当然、顎の筋肉にも負担がかかり、顎関節症の大きな要因にもなります。顎関節症とは、口が大きく開けられなかったり、噛むときに異音や痛みなどを生じる疾患です。

 

奥歯の知覚過敏になりやすい

食事をする際に、奥歯付近だけを使っていると、奥歯のすり減りも大きくなります。歯の表面のエナメル質がすり減って薄くなり、やがて象牙質が剥き出しになれば、強い知覚過敏を引き起こします。冷たいものや熱いものを食べた時や、ブラッシング時に歯がしみるといった知覚過敏の症状が出てきます。

 

 

まとめ

 

開口は、日本人の不正咬合の中では、レアケースです。そのため、治療が難しくなる場合もあります。しかし、近年の矯正治療の進化によって、一般的な矯正治療でも改善できるものですし、インプラント矯正や口腔筋機能療法などを組み合わせることで、大きく改善することも可能です。

また、開口は中高年になって歯をもっとも失いやすい歯並びなので、できるだけ早期に改善することが懸命です。

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2022-08-16T14:57:15+00:00