TOP

この記事の目次

乱ぐい歯ともいわれる叢生とは?

叢生(そうせい)とは?

叢生とは、歯が横一列に並ばず、前後にズレていたり、重なり合ったり、捻れているような歯並びのことで、乱杭歯とも言われています。犬歯などが前方に飛び出した状態を八重歯といいますが、これも叢生の一つです。

また、開咬(前歯が閉じない)や反対咬合(受け口)、上顎前突(出っ歯)といった不正咬合を伴っているケースもあり、症例も実にさまざまです。下記は、あくまで叢生の一例です。

症例
・前歯が一列に並ばず側切歯(前から2番目の歯)が後方にある
・上下の前歯がでこぼこで、前歯を閉じることができない
・上の前歯がでこぼこで、なおかつ出っ歯になっている
・上下の前歯の中心線が揃っていない
・犬歯の後方に過剰歯(余分な歯)があり、犬歯が前方に出ている
・上下の歯列のアーチが非対称で、噛み合わない
・上の前歯がでこぼこで、なおかつ受け口になっている
・中切歯(上の1番目の歯)や犬歯(上の3番目の歯)が捻れている

叢生の原因

叢生を引き起こすもっとも大きな要因として上げられるのは、顎の骨が小さく(あるいは歯が大きく)、歯がアーチを描いて一列に並ぶスペースが足りないことです。スペースがないところに、無理やり生えるので、歯が前後したり捻れたりするのです。

乳歯が早く抜けてしまうと、その空間に左右の歯が移動し、生え変わる永久歯のスペースを奪ってしまうケースもあります。また、歯のアーチが縦長で狭いと、前歯が乱杭になりやすく、指しゃぶりや舌で前歯を押す癖なども、叢生の一因になります。

・顎の骨がもともと小さい
・顎の骨の成長が不十分
・虫歯などで早く乳歯が抜ける
・指しゃぶりや舌癖

叢生の弊害

叢生には、前歯だけが少し乱れる軽度のものから、歯列全体が大きく乱れるもの、他の不正咬合を伴う重度のものまで、さまざまな症例があります。一般的な弊害としては、見た目の悪さをはじめ、咀嚼がしにくくなったり、発音しにくくなったりします。

また、歯が重なり合っていると、そこに歯垢が溜まりやすく、セルフケアが行き届かなくなるので、虫歯や歯周病などになりやすいものです。

・上手く噛めない
・発音しにくくなる
・虫歯や歯周病になりやすい
・見た目が悪い

 

 

叢生の主な治療法について

叢生の主な原因は、前述した通り、顎の骨が小さいことなので、乳歯期の叢生では、主に顎の骨の成長を促したり、舌の適切なポジションや動きをトレーニングして、舌の動きで顎を押し広げる治療が主体となります。一方、顎の成長が固まった大人の矯正では、主に歯を移動する矯正がメインとなります。

部分矯正

奥歯の噛み合わせが良好で、前歯のみが軽度の叢生になっている場合には、部分的なブラケット矯正(歯に固定したワイヤーの弾力で動かす矯正法)やマウスピース矯正でも治療が可能です。

ブラケットによる全体矯正

ブラケット矯正は、さまざまな不正咬合に対応できる、歯列矯正の一般的な方法です。叢生を治すために歯列全体を移動する必要がある場合や、出っ歯や受け口、前歯が閉じないといった、複合的な問題のある不正咬合などにも柔軟に対応できます。また、歯を移動するスペースが確保できない場合には、抜歯をするケースも珍しくありません。

マウスピース矯正

マウスピース矯正では、現在の歯並びから、理想的な歯並びまでの移動するプロセスをコンピューターでシミュレーションします。それを元に、徐々に歯を移動するようなマウスピースを制作して、定期的に交換することで、歯並びを整える方法です。

一般的には、歯が大きく前後したり、捻れている場合には、マウスピースによる矯正が難しいものですが、近年では、重度の症例にも対応できるマウスピースシステムもあります。

床矯正

床矯正とは、顎を広げる矯正で、一般的には乳歯列期や混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に行われるものですが、大人でも床矯正を使って、歯列のアーチを拡大する矯正法を扱っているところもあります。アーチを拡大することで、歯の本来あるべき自然なポジションへの移動を促します。

 

 

重度の叢生を早く矯正する先進的な治療法

重度の叢生とは、歯が完全に重なってしまっていたり、大きく捻れてしまっていたり、他の不正咬合を伴っているようなケースです。一般的なブラケット矯正では、装置が複雑になったり、治療期間が長引いたりするケースもありますが、こうしたデメリットを軽減する先進的な治療法もあります。

効果的な歯の移動が可能なブラケット

歯に大きな力をかけるほど、大きく移動するというイメージがある方もいるでしょう。しかし、歯は動きやすいもので、継続的な舌癖でも移動するものです。実は、歯の組織を圧迫しない弱い力を継続的にかける方が、歯が移動しやすいことが分かっています。

これを利用したのが、ワイヤーをブラケットに強く固定しないセルフライゲーションブラケットです。治療期間の短縮や非抜歯、痛みの少ない矯正を可能にしてくれる矯正装置です。

インプラント矯正

一般的なブラケット矯正は、奥歯などを支点として、ワイヤーで動かしたい歯を引っ張るものです。しかし、支点とする歯自体も動くものなので、動かしたくない歯が動いてしまうリスクもあります。さまざまな方向に動かす必要のある叢生では、装置が複雑になったり、調整が難しくなったりする場合があります。

インプラント矯正は、顎の骨に埋め込んだネジを支点にするので、大きく動かしたい歯をしっかり動かすことができ、装置もシンプルにできます。治療期間の短縮や非抜歯矯正にも優れている矯正法です。

 

 

治療しないとこんな弊害にもつながる!

理想的な歯並びでは、噛んだ時に、歯列全体に均等に力が分散されるものです。しかし、歯が捻れていたり、重なっている場合には、一部分に大きな力がかかったりするなど、顎の筋肉をバランス良く使うことができなくなります。叢生を放っておくと、下記のような弊害をもたらす場合もあります。

顎関節症の一因となる

噛む力を分散できず、一部分で噛んだり、左右の片側で噛んだりすることが多くなると、顎の筋肉に左右差が生じて、顎が歪んできます。

顎の関節のクッションとなる部分がズレてくると、口を開けづらくなったり、噛む時に異音を感じたり、痛みを感じたりするようになります。これが顎関節症です。顎関節症の原因はさまざまですが、叢生をはじめとした不正咬合もその一因となります。

頭を支えるバランスが崩れる

叢生は顎の歪みをもたらすだけではありません。顎の筋肉は、体の中でももっとも重い頭を支える重要な筋肉の一部です。顎の筋肉をバランス良く使えなくなると、頭を支えることに歪みが生まれ、全身の歪みにもつながってきます。叢生によって、慢性的な頭痛や肩こりなどが引き起こされる可能性もあるのです。

消化器への大きな負担

叢生に限らず、さまざまな不正咬合は、胃腸への大きな負担を継続的に強いることになります。食べ物を良く噛み砕き、唾液と混ぜ合わせるため口は、大切な消化器の一部です。

噛み合わせが悪ければ、その仕事が不十分なまま、食べ物が胃腸に送られることになります。叢生を放置することは、その間ずっと消化器に大きな負担を与え続けることになるのです。

まとめ

日本人に多い叢生ですが、叢生と一言でいっても、実はさまざまな症例があることが分かったと思います。重度の叢生を伴った不正咬合は、矯正が難しい症例の一つで、治療にも時間がかかる場合がありますが、先進的な治療法も広まりつつあります。

また、軽度の叢生であっても、放置しておくと、小さな噛み合わせの不具合から、大きな弊害に発展する可能性もあります。気になるところがあれば、是非、一度歯医者さんに相談してみましょう。

不正確な情報を報告

不正確な情報を報告

メールアドレス
※メールアドレスをご入力いただいた方には、改善結果をご報告致します。
コメント(オプション)

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

貴重なご意見をありがとうございます
矯正歯科まとめはよりお役にたつ情報をお伝えできるよう、ご意見を参考にサイトの改善を行って参ります。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
送信エラー
大変お手数ですが、ページを更新いただき、再度ご意見をご送信ください。
更新後も再び送信エラーが発生する場合は、 お問い合わせページ からご連絡いただけますと幸いです。

乱れ方はさまざま!叢生の一般的な矯正法や先進の治療法
歯科矯正まとめ
歯科矯正まとめ
2022-08-16T14:51:27+00:00