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痛みが少なく、治療期間が短い、おまけに抜歯の必要性も低いと、これまでの矯正治療のデメリットを克服した「デイモンシステム」とは、どのような矯正治療なのでしょうか。その全容と進化から、かかる予算や期間などの具体的なデータまで、「デイモンシステム」についての情報をまとめてみました。

※ 掲載する平均費用はあくまでユーザー様のご参考のために提示したものであり、施術内容、症状等により、施術費用は変動することが考えられます。必ず各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください。

この記事の目次

画期的矯正治療「デイモンシステム」

1996年、アメリカ生まれの新・矯正装置

1996年、アメリカの矯正歯科医であるデュイット・デイモン博士(Dr. Dwight H. Damon)が、新しい歯列矯正装置を発案、広く発売されました。これが、画期的な矯正装置「デイモンシステム」。これまでの矯正治療の常識を根底から覆す、「ローフォース、ローフリクション(弱い力、弱い摩擦力)」のブラケットです。

  「ローフォース、ローフリクション」とは

数十年前から、矯正治療で歯を動かすためには、歯にかける力を大きくすれば良いものではないということが分かっていました。効率よく歯を動かすためには、最適矯正力と呼ばれる適度な力をかけることが重要で、歯根1㎠あたり80g以下であるとされていたのです。
しかし、従来の矯正装置では、弱い力をかけてもワイヤーとブラケットの間の摩擦によって力が打ち消されてしまい、歯に適度な力をかけることが難しかったのです。
これを解決したのが「ローフォース、ローフリクション(弱い力、弱い摩擦力)」の「デイモンシステム」。ワイヤーとブラケットの間に生まれる摩擦力を極限まで抑えて、弱い力で効率よく歯を動かすことができる「セルフライゲーションシステム」とも呼ばれる矯正システムなのです。

ブラケットが可動域を残してワイヤーを固定

従来の矯正装置では、ブラケットにワイヤーを固定するために、ゴムで締め付ける「結紮(けっさつ)」という作業が必要でした。
これに対し「デイモンシステム」ではブラケットに付属しているシャッターを閉じるだけで、ブラケット自体がワイヤーを固定。結紮の必要がなくなりました。
また、特別な形状記憶合金でできたワイヤーは、左右に自由に動くことができ、ブラケットとワイヤーの間の摩擦力を、従来の600分の1にまで抑えることに成功したのです。

痛み軽減、治療期間短縮などメリット多数

装置とワイヤーの間の摩擦を抑えることで、「デイモンシステム」での矯正にはさまざまなメリットが生まれました。弱い力で歯を動かすため、歯に必要以上に強い力がかかることがなく、矯正治療につきものだった歯の痛みを軽減することができたのです。
また、効率よく歯を動かすことができるので、矯正治療にかかる期間も大幅に短縮することができました。この二つは「デイモンシステム」が持つ最大のメリットですが、この他にも同システムにはさまざまなメリットがあります。

「Ormco(オームコ)」が発売し流行

「デイモンシステム」の販売は、アメリカ合衆国カリフォルニア州の歯列矯正装置メーカー「Ormco(オームコ)社」が担当。日本国内では「エンビスタジャパン株式会社 オームコ(矯正)」が販売窓口となっています。
1996年初代「デイモンシステム」の発売後、ブラケットを小型化した改良型の「デイモン2」が発売されると、メリットの大きいこの画期的矯正装置は大いに市場に受け入れられました。
1990年代後半には、アメリカ国内で「デイモンシステム」が大ブームとなったのです。その後、同システムは広く世界中に紹介され、日本国内でも多くの矯正歯科医が「デイモンシステム」を採用するに至りました。

デイモンシステム

「デイモンシステム」のメリット

治療中の痛みが少ない

歯に必要以上に大きな力をかけない「デイモンシステム」での矯正治療では、治療中に感じる痛みが軽減されました。「矯正治療といえば痛いもの」という従来の常識を覆したのです。

短期間で矯正治療を完了することができる

弱い力で効率よく歯を動かす「デイモンシステム」なら、矯正治療にかかる期間を短縮することが可能です。従来の装置を使った矯正治療に対して、「デイモンシステム」なら20〜30%ほど治療期間を短縮できるといいます。また、症例によっては従来装置より50%も治療期間を短縮できたというデータもあるのです。

通院回数を減らせる

「デイモンシステム」では、ブラケットとワイヤーの組み合わせにより、従来の矯正装置より長期間矯正力を維持することができます。そのため、従来装置での矯正より、通院間隔を広くすることができます。また、治療期間も短縮できるため、全体の通院回数を減らすことが可能となるのです。

治療時間(チェアタイム)が短縮できる

「デイモンシステム」では、ゴムでワイヤーを留める必要がないため、着脱にかかる時間が大幅に短縮されました。歯科医院で椅子に座って口をあけておく時間(治療時間:チェアタイム)が短いため、患者負担も軽減されます。

歯や顎関節への負担が少ない

弱い力で本来の生理にしたがって歯を動かす「デイモンシステム」は、歯や顎関節への負担が少ない矯正方法です。強い力で無理に歯を並べるのではないため後戻りもしづらく、歯はもちろん、周辺の骨や筋肉、歯周組織なども徐々に健康になっていきます。

「デイモンシステム」での矯正を受けるには

「デイモンシステム」の予算は?

「デイモンシステム」での矯正治療は、従来の矯正治療に比べてやや治療費が高額になりがちな傾向があります。症例や医院によって差はありますが、片顎で50万円から、両顎では75万円からが相場です。上下で80〜100万円くらいの予算を用意しておく必要があります。

 「デイモンシステム」の治療期間は?

「デイモンシステム」での矯正治療は、従来の矯正治療より最大で50%も治療期間を短縮できるといわれています。早い人では1年ほどで矯正治療を完了することもあるようです。

 「デイモンシステム」のデメリットは?

治療にかかる期間と痛みなどの負担を軽減できる「デイモンシステム」ですが、それなりのデメリットもあります。そのひとつは従来の矯正治療より大きな費用が必要となる点。そして、もうひとつが従来のブラケット矯正より、装置が大型で見た目が目立ってしまう点です。
とはいえ、改良により装置の素材が変更され、近年ではより目立ちにくいブラケットも登場しています。審美面での「デイモンシステム」のデメリットは、現在ではほぼなくなったと言ってよさそうです。

まとめ

ブラケットに特殊な仕組みを取り入れて、ワイヤーの結紮を不要にした「デイモンシステム」。従来の矯正治療に比べて、短い期間で治療を完了することができるうえ、痛みなどの負担も軽減される画期的な矯正装置です。
これまでの矯正治療になかなかトライできなかった人も、歯並びが気になるのであれば一度検討してみてはいかがでしょうか。

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2022-08-31T16:43:02+00:00