井上歯科 ＣＬＩＮＩＣ ＆ ＷＯＲＫＳ ＴＯＫＹＯ（新橋）

若いころ、あるインプラントの治療法を人生で初めて行うことになりました。適度な緊張感を抱く私の患者さまは社会的地位の高い方で、心底気を引き締めていたのを覚えています。お口やお身体の状態を把握後、治療計画を立て、コンピューターでお見せしながら詳しく説明をしていたときに物凄く強い地震が起こりました。

あまりの揺れで当日の診療は中止になり、手術の予定も延期になりましたが、その後に行った手術は大成功で経過も良好でした。患者さまは大変喜んでくださって、私と両手で握手しながら「本当にありがとう」という言葉とともに涙を流してくださいました。歯科医師として未熟な部分も残る私の手を強く握りしめてくださった両手の温かみはとても印象深く、それからの歯科医師人生の励みにつながりました。

初めてお越しになる患者さまの立場で考えると、私は初めての歯科医師になります。患者さまは私のことを期待に足る人間なのか確認したいと思いますし、私は患者さまがどのような方なのかと気になります。

そのような状態において、私が実践していることは「できる限り患者さまを受け入れる」ことです。問診票に記入された内容と実際は別という場合は多くあります。そのため、最初に患者さまをできる限り受け入れる姿勢でお話をして、少しでも多くの本音を引き出すことに注力しています。

その後の治療の中でもその姿勢は変えません。患者さまが私のことを期待に足る人間だと思ってくださることで、真の本音をお話しくださると思っています。お越しになる皆さまの個性は本当にバリエーションが豊かです。当院にご縁をくださった方々の本音を引き出せるよう、コミュニケーションの取り方なども日々勉強しています。

「自分に正直にやる」です。できないことを「できない」という勇気、うまくいっていない治療に関して「難しくてうまくいっていない」と言える勇気が必要だと思っています。何となく治療をすることや、患者さまに嘘をつくことはとても嫌です。それは患者さまの貴重な時間を無駄にしてしまうことにもつながります。

もちろん誰にも負けないような努力は惜しみませんし、患者さまの治療には責任を持ちます。しかし、どんな症例でもミラクルを起こせるわけではありません。患者さまの利益を考えたときに、他院を紹介して差し上げた方が良い場合があるのも事実です。自分にとっての治療ではなく、患者さまにとって良いと思われる方法を提供し続けるためにも「自分に正直にやる」ことが必要だと思っています。

小児歯科と訪問歯科診療に力を入れていきたいです。近隣は小児歯科対応のところがないのと、お勤めの方が多いので保育園がたくさんあります。患者さまとして来院してもらうのも大切ですか、ボランティアとして保育園に出向き、歯磨き指導などを行いたいと相談していたところです。

また、地域の方の中には、通院が困難な方もいらっしゃると思います。そういった方には訪問歯科診療で対応し、地域に貢献していきたいと考えています。半径16km圏内に訪問可能です。都心でも必要としている内容だと思うので、率先して進めていきたいと思っています。

西海岸風の、温かみのある優しい雰囲気作りができるようにお願いしました。オフィス内のクリニックはクールなイメージが多かったので、もっと個性を出せる空間にしたかったからです。大阪にある本院と同じデザイナーの方に依頼しましたが、頼りにしている分、その気持ち以上のことで返してくれました。

できるだけ段差をなくして、バリアフリーを考慮した作りとなっていますので、ベビーカーのお子さまからご年配の方まで幅広くご利用いただけます。待合室には観葉植物を置き、全体的にリラックスできる落ち着いた雰囲気を大切にしました。

向上心がある歯科医院を選ぶことがポイントだと思います。活動的な先生がいる医院は、新しい情報を持っているはずです。患者さまにその情報を提供することで、いろいろな可能性を広げることができます。中身をきちんと理解していることが大前提ですが、選択肢の幅がたくさんあることは大事なことです。

以前は難しかった状況でも、ここなら受け入れてもらえるかもしれないと希望を抱けます。皆さまに明るい未来が見えるような場所になることは私も心がけていることです。

子どもたちと出掛けたり、遊んだりして家族で過ごしています。勉強を行うこともありますが、ほぼ家族といることが多いです。とても可愛い子どもたちなので、一緒にいることで癒やされます。自分に子どもがいると、患者さまのお子さまも可愛く思えるので接していて楽しいです。家族と過ごす時間を大切に思っていますので、落ち着ける瞬間でもあります。