くすの木こども歯科クリニック

大学を卒業して大学病院で働き始めるとき、先輩に誘われて小児歯科の医局に入局しました。そこでお子さまの治療について学びを深めつつ、診療にあたっていたのですが、長く通い続けている患者さまとの出会いを機に、削る治療に疑問を抱くようになりました。

その患者さまは3歳から3か月ごとに10年間来院していたのですが、永久歯に生え替わるタイミングを経てもなお、虫歯ができて削る治療が続いていたのです。そうした患者さまにもっとしてあげられることがあるんじゃないかと考え、虫歯ができるメカニズムや予防について学び始めました。

大学病院勤務時代に、近隣の歯科医院にアルバイトに行き、そこの院長から教えを受けたことがターニングポイントでした。私は虫歯を削って詰めるばかりの治療に疑問を覚え始めていたところで、その院長から予防の大切さや虫歯になるメカニズム、虫歯にならない方法を教わることができ、それを答えとして実感したのです。こうした小児歯科での予防についての取り組み方法を追求するため、大学病院から大阪で小児歯科を手がける歯科医院に行かせてもらい、勉強を続けました。

なるべく歯を削らず予防に力を入れることが、診療のモットーです。歯を失ってしまうまでの過程について、歯科医師からきちんと教わったことがない患者さまも多くいらっしゃることでしょう。当院にお越しになった患者さまには、これを機に、もう削らなくて済む生活をぜひ目指していただきたいと思います。

当院にお見えになった患者さまだけでなく、地域全体の予防知識や意識を向上させるのも、私の仕事と自負しております。そのため、近隣の幼稚園や保育園で歯についてお話をしています。

当院のスタッフはみんな賢く、勉強熱心です。中でも、以前保育士をしていたスタッフは当初歯科については特に知識を持っていなかったのですが、たくさん勉強をして虫歯や予防のメカニズムにとても詳しくなりました。今では私に診療について意見を出したりできるまでになり、親御さまの話し相手として診察室で聞きそびれた疑問などをうかがったりしています。

お子さまが多い土地柄で、診察室を広く取ることができるスペースがある物件を探し、この町で開業しました。10年、20年と予防に取り組み続けていくことで、この地平井を、ゆくゆくは江戸川区を虫歯の少ない地域にしていけたらと思います。

そのため、どうして虫歯になるのかというお話を幼い患者さま全員にして、唾液検査（※）もなるべく費用を抑えた形で実施しています。当院に来てくださったお子さまが1度も歯を削ったことがないまま20歳になり、その次の世代も虫歯ない子へと育っていくのが私の夢です。

※自由診療です。料金は料金表を確認してください。

歯科医師の間では、東京駅を境に東側はお口の健康に対する患者さまの熱意が低いと言われていますが、それはその土地の歯科医師の努力が足りていないのかもしれません。私は土地柄や治療にかけられるご予算にかかわらず、同等の医療が受けられるべきだと考えています。

患者さまは近隣にお住まいの方のほか、当院の情報を調べて葛西や船橋の方から来てくださる方もいらっしゃって、やりがいを覚えます。定期的にご来院いただければよいお口の状態を作っていくことができますので、痛いところがなくても、検診にお越しいただくことをおすすめします。

今取り組んでいるなるべく削らない、予防に力を入れる診療をさらに高めていきたいと考えています。中でもだ液検査はすべての患者さまにおすすめです。自由診療で11,000円(税込)しますので一見高額に思われるかもしれませんが、服を2着買うくらいのお金で虫歯のリスクを知ることができれば、意外と意外と良いのではないでしょうか。

また、親御さまも治療させていただくケースが増えましたので、拡大鏡などを活用し、より緻密な診療をしていきたいと思っています。