髙橋歯科医院（市原市　辰巳台西）

まだ私が学生だった頃に診療させていただいた方のことは、とても印象に残っています。私が一人で初めて受け持った患者さまだったからかもしれません。その方にはお口全体に対する処置が必要で、全ての治療を終えるには半年ほどかかりました。学生だった私は勉強に追われながらも、精いっぱい治療をさせてもらいました。

いよいよ治療を終えるというときになると、その方は手作りの刺繍を額に入れて私に贈ってくださったのです。「これは治療が終わったら先生にあげようと思って作ったものです」とのお言葉をいただき、とても嬉しかったことを覚えています。

歯科医師としてのやりがいを初めて感じたのも、そのときです。「人に喜んでもらえる仕事なんだな」という実感が湧き、これからもがんばっていこうと思えるきっかけになった、良い思い出です。

手を動かすのが好きだったことがきっかけです。小さい頃から刺繍など、手先を使った作業が好きでした。それに学校では数学の成績が良かったので「理系で手を動かす仕事」を探してみた結果、歯科医師になろうと決心しました。

今でもその選択は間違っていなかったと思っています。仕事は好きですし、やりがいも感じています。

とにかくよく通る声で話すことと、笑顔を忘れないことです。私たちに元気がないと、病気の患者さまを励ますことはできないと思っています。歯科医院は歯を治療するだけの場所ではありません。その方の気持ちにも働きかけ、心も元気になってもらう場所だと考えています。

またスタッフには、患者さまに小まめに声かけをしてもらうようにしています。患者さまに接する度に添える一言が、その方の気持ちを晴れやかにすることができれば良いと思っています。

「右腕」という言葉では足りないくらい、力になってくれている点です。10年以上続けてくれているスタッフも多く、開業当初より勤めてくれているスタッフなどは、私よりものの置き場所を把握しているくらいです。そういう意味でもスタッフには本当に感謝しています。

パソコン業務や治療で使う素材の注文、手術の支度などそれぞれの担当する業務を分けています。仕事を任せることで、一人ひとりが責任感を持てるように工夫しています。

その代わりというわけではないですが、私はスタッフが働きやすいように気をつけています。嫌々働いても、楽しく働いても、医院で過ごす時間は同じです。それならば患者さまを明るくお迎えするためにも、まずはスタッフに笑顔になってもらいたいと思っています。

一言で言うなら「感謝」です。健康であることへの感謝、人の親切に対する感謝、それを忘れてしまうと良い治療はできません。患者さまはもちろん、私やスタッフを含めた医院に関わる誰もが幸せになれるような診療を心がけています。

なによりお声かけをしっかりするようにしています。一人暮らしをされているご年配の患者さまの中には、人と話す機会が少ない方もいらっしゃると思います。そのような方の話し相手になって差し上げることも、必要なことだと感じています。

訪問歯科診療においては、訪問先の患者さまを担当しているかかりつけの医師との連携が欠かせません。処置を行う上で、患者さまのお身体の状況をしっかりと把握する必要があるからです。持病のある方も多いため、お口だけではなく全身の健康に配慮するようにしています。

まずは技術です。治療を提供する場所である以上、技術はなくてはならないものだと考えています。その上でスタッフが親身な対応をしてくれたり、院内の雰囲気が明るいものだったりすればより良いと思います。