和田歯科医院

大事にしているのは、真摯な姿勢で患者さまに接し、患者さまの目線に立って二人三脚で予防や治療に取り組む、ということです。 といっても今まで父と私がここで一緒に働いたことは無くて、決して先代院長だった父から特に教わったわけではないんです。子どものころから父の様子を見ていたためか、自然と同じようにしているように思います。 あらためて考えますと、私がまだ子どもだった時代は、歯科医師の間にも「先生だぞ」とした態度で患者さまに接する風潮があったのではないかという気がします。でも父の場合は、もともとの性格もあって他の「先生」とは少し違っていたのかもしれません。

時代にかかわらず歯科医院というのは誰にとっても本当は来たくない場所です。それでも症状があるので仕方なくお越しになる。 せめて気持ちよく治療を受けていただけるよう、そして不安を払い去っていただけるよう、私はもちろん、スタッフみんなが患者さまにとって気兼ねなく相談できる・気兼ねなく通える歯科医院づくりに努めています。

そう願っています。例えば虫歯の場合、残念ながら自然治癒は起こらないのです。
そういう例が歯科領域には多く、お口の中の不快な症状や心配な症状をそのままにしていると、たいてい良い結果にはなりません。
なかなか気が進まなくても、ご自身のお口の中の状態を正しく把握しておくことも必要ではないでしょうか。

当院では患者さまが気になることを、まずはよくお聞きしたうえで診察し、どんな状態にあるのか、ご説明をさせていただきます。
実際に治療を行うかどうか、どんな治療にするかは、ご相談のうえ患者さまのご判断を尊重いたします。
歯科医院の敷居はどうしても少し高いかもしれませんが、ぜひ一度気兼ねなくお越しください。

あくまで患者さま第一で、こちらの考えを先行させないのが当院の進め方です。歯科医師としての判断もありますが、
それが必ずしも患者さまのニーズにマッチするとは限らないわけですから。
例えば自由診療治療にしても、患者さまにとってメリットは多々ありますが、当院では強くお勧めすることはいたしません。
保険の範囲で行える治療が前提で、患者さまのご希望がある場合に限り、自由診療治療にも対応しています。
そうした治療に対するお考えも含め、まず患者さまのお話をじっくりうかがうことは大切ですね。
そして、こちらからご説明するときは、なるべく専門用語を使わずに分かりやすくお伝えするよう工夫しています。
また患者さまにとっては、ドクターよりも歯科衛生士のほうが話しやすい、質問しやすいこともおありでしょう。
彼女たちも日ごろから努めて分かりやすい説明に意を尽くし、患者さまに疑問や不安を抱かせてしまわない雰囲気づくりを心がけています。

一つ、二つに絞り込むのは難しいですね。たくさんの患者さまを治療させていただき、たくさんの方々が喜んでくださり、
笑顔を見せてくださったことが何よりです。困った表情や辛い表情が笑顔に変わる。その瞬間に、特にやりがいを感じますね。

ここで先代院長の後を継ぐ前に勤務医だったころの患者さまの中にも、いまでも通ってくださる方々がいらっしゃいます。
多くは、虫歯や歯周病の予防のためにお越しになる方々ですね。
予防の大切さをお伝えし、患者さまご自身にも実践していただくのは容易でないのですが、
ご理解くださっている方々がいらっしゃることを、本当にありがたく思っています。

申し上げましたとおり、お口の中には虫歯をはじめ、自然には治らない疾患がいろいろと起こる可能性があります。
放っておけば早晩、痛みなどのために、食べたり話したりなさることにも不自由を覚えるようになってしまうでしょう。
そこで歯科医療の技術やノウハウを使って寛解へと導き、食事や会話など生きる楽しみの基本を取り戻して差しあげることに、
私たちの仕事の意義があるものと考えています。

その半面、人間の体の問題を扱うわけですから、難しさも常々感じますね。
中でも予防歯科は、やはり簡単には結果を実現できないテーマです。
私たち歯科医師や歯科衛生士が行える定期的なメンテナンスと、いったん寛解を果たした皆さまの、その後のご自宅でのケア。
まさに息を合わせて二人三脚を続けていくことこそ本当に重要だと、つくづく実感しています。