小田原歯科診療所

私は、当初から歯科医師を目指していたわけではありません。最初の大学に入学し、数年過ごしたものの企業人として働く自信、覚悟もなく、行き当たりばったりで大学を辞めてしまったものの、何か手に職をつけなければ生きていけないという切実感および、営業トークが得意ではない自分でも生きていけそうな道、加えて患者さまの訴え、現状分析、評価、対応このプロセスを愚直に行い、納得いただくことで自分も生きていける。そうした思いで医学部を目指すことにしました。
力及ばず医学部から歯学部へと転進をし、歯科医師となり現在にいたっておりますが医学部を目指した際の思いは変わってはいません。

私は、自分自身のあり方を模索し続けた結果、周囲の友人よりも遅れて大学に入学しました。すでに20代も後半になっており、自身の思いを優先しての入学でしたので、親に頼らず、自立しなければという思いを強く抱いていました。
そのため、歯学部に入学してからも仕送りなしで学生生活を送ることになり、アルバイトと奨学金で卒業までの日々を過ごしたのです。
歯学部に入学するまでの自分を許容し、自分にとって、どのような生き方がもっともふさわしいのか、どのような職種に喜びを感じられるのかとじっくり考え、実行できるだけの時間を与えてくれた親にも、感謝の念を抱いています。

歯学部を卒業後、北海道大学病院の歯科で臨床研修を受けることになりました。予防歯科に籍を置きましたが、そこでの恩師から頂戴した言葉は、今に至るまで私がもっとも大事にしているものです。 「患者さまの背景、生活習慣、仕事などを知ることができれば、そこから、虫歯などの問題がいかに生じたのか、その原因が見えてくる。そのためにも、できるだけ患者さまと会話を重ねなさい。その積み重ねが、患者さまお一人おひとりにより適した指導につながるのだから」と。
患者さまとのコミュニケーションは、患者さまの不安や緊張を取り除くだけでなく、治療に役立てられる背景や生活環境を引き出すことでもある――そう教えていただき、それ以降は、治療を行いながら患者さまのお話をしっかりお伺いするというのが私の基本的なスタンスになりました。
初診の患者さまの場合はまず、患者さまと信頼関係を築くため、お困りごとの内容にじっくり耳を傾け、ご要望に即した治療方針の立案に努めてまいりますが、その後は、患者さまの背景を知り、生活習慣などに適した治療方法をご提案できるよう、全力を傾けてまいります。

今現在、休みの日には子どもと過ごすことが多く、自分の趣味の時間を持てないのが実際ですが、今後ぜひ取り組んでみたいと思っているのが、盆栽です。なかば冗談のようですが、実は、幼いときから盆栽の枝ぶりなどに関心があり、いずれやってみたいと考えていました。自分の本気の度合いを試す意味でも、挑戦してみたいと考えています。 また、長いお休みがあるときには、子どもと一緒にさまざまなところに足をのばしています。

町内会との関わりをできるだけ多く持とうと考えており、町内会の行事には子どもと一緒に参加するよう心がけてきました。夏の盆踊り用の舞台設営に参加するなど、さまざまなかたちで皆さまの中に入れていただき、小田原という城下町にも馴染んできました。こうしたつながりが、地域に根差した歯科医療の第一歩だと考えています。
地域のホームドクターとして皆さまにご利用いただけるよう、私どもは利益を追求するのではなく、皆さまの思いに寄り添う医療をご提供することを目指してまいりました。そのためにも、保険診療を中心に据え、患者さまのお話にじっくり耳を傾け、説明責任を果たす歯科医師、歯科医院であることをお約束いたします。

私どもは、患者さまと信頼関係を築くために必要なことは、ご要望に基づいた治療方針を立案し、患者さまに無理強いしないことだと考えています。成人の患者さまの場合でも同様ですが、小さなお子さまの場合は特に、歯科医師や歯科医院への恐怖心を抱えておられるケースが多いため、決して治療を無理強いいたしません。恐怖や不安に震えておられる場合でも、患者さまをそのまま受け入れ、どのように治療を進めるかを一緒に考えてまいります。

私は常に、「チャレンジし続けたい」という思いを抱いてきました。歯科医師として地域の皆さまの中に入れていただきつつ、口腔内の健康維持に貢献するために、今後も全力で努めてまいりますが、その体力が続かなくなってきたときにも何らかのかたちで皆さまのお喜びに貢献できるよう、学び続け、チャレンジし続けていきたいと考えております。学んできたことをよいかたちでアウトプットし続けていけるよう、恐怖や不安に震えておられる場合でも、患者さまをそのまま受け入れ、どのように治療を進めるかを一緒に考えてまいります。