医療法人社団弘栄会　高花歯科クリニック

これまでに沢山のことを学んできましたが、その中でも入れ歯についてはとことん学んだと思います。昔お世話になっていた先生がとても厳しい方で、一つひとつの工程で細やかなダメ出しを受けながら作製を続ける日々でした。その甲斐もあって、今では入れ歯治療は私の得意とするものになっています。

今でも私の心の支えとなっているのが、開院したての頃によくしていただいた先輩歯科医師から言われた「思えば思われる」という言葉です。その言葉を心がけ、ある患者さまに一生懸命にお話をしたところ、私の手を握って「ありがとうね」と言っていただいたことがあります。それは感動しましたね。その方は今、入院されているようなので、情勢が落ち着いたら伺いたいと思っています。

変わったことは、お一人の患者さまにかける時間が長くなったことです。昔は私だけで1日100人診ることもあったので、どうしても時間をかけられませんでした。スタッフが増え、自分の見識も豊かになり、今ではていねいにじっくりと向き合うことができています。

変わらないことは、自分がされて嫌な対応はしないことです。開院当初から守っていることで、私たちは「選ぶ側ではなく選んでもらう側だ」という気持ちで対応しています。そのため、自分がされて嫌なことは、患者さまにも強いることはありません。

天然の歯を残すことと、虫歯や歯周病の予防には力を入れていきたいと思っています。どちらも根本ではつながっていることなので、目標は同じです。

それを踏まえて患者さまの話を聞き、「どんな治療を望まれているのか」「どの方向に向かいたいのか」などを引き出すことが重要だと考えています。

これまでの歯科医師人生の集大成として、この先10年で何をするべきかを考えたいと思います。

これからもずっと続けていきたいのは、患者さまとのお付き合いです。今通ってくださっている患者さまを、1年後、5年後、10年後とずっと見守っていけたら良いなと考えています。そのために今できることは、悔いの残らないようにしっかりと患者さまと向き合うことです。

まずは甘いものを食べないこと、そして長時間だらだらと食べないことです。特に、チョコレートや砂糖の多いおやつを食べると虫歯になりやすくなります。歯みがきだけではなく、お子さまのおやつにも配慮をしてあげることが大切です。

また、よく噛んで食べるように教えてあげることも重要だと言えます。よく噛むことは顎の発達や歯並びにも影響するからです。よく噛まずに流し込むように食べるお子さまも増えていますので、食べ方についてもしっかりと教えてあげてください。

私自身、入院した経験があるのですが、その時に担当医師が看護師らと話すのを見るのが苦手でした。患者は自分の状態が分かりませんので、医師の行動や振る舞いから読み取ろうとするのです。その結果、ネガティブな考えに陥ることがあると学びました。

これを教訓に、当院では「患者さまに不安を抱かせないこと」を行動指針にしております。特に、治療の説明では早口ではなく、はっきりゆっくりとお話をするように心がけています。聞き取りにくい、理解しにくい点がございましたら、遠慮なくお申し出ください。