歯を削らずに虫歯を治すカリソルブ、その治療法の仕組み


麻酔注射が苦手であったり、歯を削る際の音や振動に敏感な方もいると思います。また、嘔吐反射が強い方はすぐにえずいてしまうかもしれません。

歯医者さんに苦手意識を持つのがこういったことが原因として挙げられます。そんな方におすすめしたいのが歯を削らずに薬で虫歯を溶かして治すことができる「カリソルブ」という治療法です。

この記事では、カリソルブとはいったいどのようなものなのか、その治療内容や費用、メリットやデメリットなどを詳しくご紹介します。

カリソルブの治療法と治療対象になる歯の状態

1-1 余計な歯を削らない治療法

カリソルブ出典 http://haisha-yoyaku-blog.jp/

カリソルブは、虫歯になった部分に薬剤を塗ることで溶かし(軟化させて)、基本的に機械を使うことなく、手で専用の器具を使って虫歯を除去していく治療法です。

使用する薬剤は虫歯のみを溶かすため、一般的なドリルを使う虫歯治療のように健康な歯を削ることなく虫歯を除去することができます。

1-2 治療が行える虫歯のタイプ

カリソルブには適用できる虫歯と適用できない虫歯があります。その違いは、虫歯の進行度です。カリソルブは比較的初期の小さい虫歯にしか適用できません。

専門用語で言うとC1(歯の表面のエナメル質までしか虫歯が進行していない)からC2(エナメル質より1層深い象牙質まで虫歯が進行している)に適用することができます。神経が近い部分では痛みが出ることもあるので麻酔を使う場合もあります。

1-3 深い虫歯には適用されない

基本的に虫歯が進行していて深いとカリソルブは適用できません。専門用語で言うとC3(虫歯が神経に達している)からC4(神経が壊死している)は適用不可になります。虫歯が神経まで進行していたり、除去する際に神経まで到達してしまう可能性があるためです。

1-4 カリソルブの治療例

治療は以下の三段階に分かれています。

①次亜塩素酸ナトリウム0.5パーセントと3種類のアミノ酸が主成分のジェル状の薬剤を虫歯に塗布し、約30秒待ちます。

②.柔らかくなった虫歯部分を先に刃が付いていない特殊な手用器具で慎重に取り除いていきます。この作業を完全に虫歯を除去できるまで何度か繰り返します。

完全に虫歯が取れているかどうか判断するには、う蝕検知液という薬剤を使います。この薬剤を歯に付け、水で洗うと虫歯の部分に色が付きます。

③虫歯を完全に除去した後、プラスチックや金属の詰め物をして、治療が完了します。

カリソルブでの治療費はどれくらい?

2-1 虫歯1本当たりの費用

カリソルブは保険適用外の治療なので、自費診療になります。相場は5,000~10,000円くらいですが、カリソルブだけで20,000円程かかるというところもあります。

もし、近くに何ヶ所かカリソルブを行っている歯医者さんがあるのなら、大体いくらかかるのか先に聞いてみるのが良いでしょう。その際は詰め物代を含む金額なのか、別であれば詰め物代はいくらかかるのかも聞きましょう。

2-2 詰め物代としてかかる費用

カリソルブは自費診療なので詰め物代も自費扱いになります。金額は何を詰めるかにもよって異なります。虫歯を取り除き、開いた穴が小さい場合はプラスチックの詰め物を詰めて1回で終わりになります。

穴が大きい場合は型取りをして詰め物を入れます。この場合は金属や白いものなど色々な種類があり、どれにするのかは患者さんが選択できます。

相場は部分的な詰め物の場合5,000~50,000円くらい、全体を覆う被せ物の場合だいたい10,000~70,000円くらいですが、いい素材を使うとさらに高くなります。

詰め物の素材には、それぞれメリットやデメリットがあるので、治療前にしっかりと説明してもらいましょう。

2-3 歯医者によって金額は変動

自由診療は大体の相場はあるものの、歯医者さんがそれぞれ好きに金額設定ができます。そのため、カリソルブを無料でしてくれる歯医者さんもあれば20,000円もかかるところもあるといった状態になっているのです。

しかしながら、必ずしも高い方が質がいいものを使っているというわけではありません。歯医者さんによってそれぞれ違うのでカリソルブを検討しているのなら、数件の歯医者さんを調べ、直接治療費について聞いてみることをおすすめします。

カリソルブのメリット

3-1 歯や歯の神経を削らずに治療できる

従来の虫歯治療では再発しないよう、虫歯になっている範囲より大きくドリルで削られることもありました。ドリルの場合は大きく削らないようにしたとしても、虫歯を削る際や銀歯の形を削り出す際に、どうしても多少健康な歯質まで削ってしまいます。

しかし、カリソルブは虫歯を機械ではなく薬と器具を使って手で取り除いていくので健康な歯を削ることなく虫歯を治療することができます。

ただ、入口は小さくても中で広がっているような虫歯の場合は完全に取り除くことが難しいので少し入口を広げるため、健康な歯を削るケースもあります。

3-2 高齢者でも安心して行える

麻酔は血圧に影響するため、内科的な病気を持っていて麻酔が使えない場合や、お水が出るのが苦手な高齢者の方にはプラスチックなどで詰めて1回で治療を終えることができるため、カリソルブによる虫歯治療は非常に有効です。持病などで服用している薬がある方は必ずお薬手帳も持って行きましょう。

3-3 麻酔の必要がない

基本的には、麻酔をしなてもカリソルブの治療を受けることができます。深めの虫歯の場合は麻酔が必要なこともありますが、一般的な治療よ少ない量で済ますことができます。

また、痛みの感じ方には個人差があるので、患者さんが痛みを感じる場合には麻酔を使わなければならないこともあります。

カリソルブのデメリット

4-1 自由診療として行われる

カリソルブは保険が効かないので原則として自由診療になります。そのため、一般的な治療よりもかかる費用が高くなります。

また、カリソルブの金額とは別に詰め物代がかかることがほとんどですので、保険診療に比べると高額になります。

費用の相場としては虫歯1本「5千円」、詰め物代込みで「1~3万円」ほどかかると言われています。

4-2 日本で治療できる場所が少ない

カリソルブは2007年に厚生労働省で認められた治療法です。まだ10年も経っていない比較的新しい治療法ですので、まだそれほど普及しておらず、取り扱っている歯医者さんは少数となっています。

そのため、カリソルブによる治療を受けたくても、近くにカリソルブを行っている歯医者さんがないということも考えられます。あったとしてもそれほど多くはありませんので、何件かの歯医者さんの中から行きたいところを選択するということが難しいという点がデメリットと言えます。

4-3 技術が浸透していない

まだ日本でそれほど普及していないため、カリソルブの治療実績が豊富で、様々な症例をこなしているという歯医者さんは多くありません。

先生の技術のレベルが高いかどうかを事前に確認するのは難しいことです。虫歯を完全に除去できていないまま詰め物をしてしまうと、中でまた再発し虫歯になってしまいます。

中にはカリソルブの治療において、う蝕検知液を使わず、虫歯を完全に除去できているか確認しない歯医者さんもあるため注意したいところです。

4-4 治療時間が長い

薬と器具を使って、虫歯を取っていきますので、難しい症例や虫歯の深さ、先生の技術などにもよりますが、通常のドリルで削る治療よりも治療時間がかかり、1回の治療が約40~60分、通院回数は1~2回と言われています。

患者さんによっては長時間の治療がストレスになってしまうこともあるかもしれません。

まとめ

歯を削らずに虫歯を治療できる「カリソルブ」、とても魅力的な治療法ですが、治療前には適応できる場合とできない場合、メリットとデメリットを理解しておきましょう。

※2016年11月時点の情報になります。

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