虫歯は初期のうちに治す!”CO”のうちに治療すれば削らない・痛みが少ない!?

虫歯は初期のうちに治す!”CO”のうちに治療すれば削らない・痛みが少ない!?

痛い思いをしないで虫歯を治せるなら、それが一番だとは思いませんか?歯を削るのは、誰でも気が進まないはずです。しかし、ごく初期の虫歯なら、削らなくても治る可能性があります。この記事では「初期虫歯の治療方法」を解説し、早期治療の大切さをお伝えします。

◆目次
1.初期虫歯「CO」の状態
2.初期虫歯「CO」の治療方法
3.まとめ

初期虫歯「CO」の状態

「削らなくても治る」と言われている初期虫歯は、「CO:要観察歯」というものです。
正確には、「虫歯の一歩手前」と表現するほうが適切かもしれません。

まずは「初期虫歯(CO)」がどういう状態なのか、を解説していきます。

1-1 エナメル質の成分が溶け出す!?

歯の表面には「エナメル質」があります。
そして、「CO=エナメル質の成分が溶け出した状態」です。
しかし、「エナメル質の成分が溶け出す」とは、具体的にどのような状態なのでしょうか?

エナメル質は、大半が「リン酸カルシウム」という物質で構成されています。
そのほか、亜鉛・クロム・マグネシウムなど約40種類の成分が含まれていますが、ごく微量です。
ほとんどは「リン酸カルシウム」と考えて問題ありません。

口の中が酸性になると、リン酸カルシウムが溶けはじめます。
具体的には、リン酸カルシウムに含まれる「リン」と「カルシウム」が唾液のなかに溶けていきます。

歯のエナメル質の成分が溶けている状態

1-2 「CO」=脱灰(だっかい)状態

エナメル質のリンとカルシウムが溶け出した段階なら、まだ物理的な穴はあいていません。
あくまでも、成分が溶け出しているだけです。
そのため、本当の意味で虫歯になっている、というわけではありません。

リンとカルシウムが溶けはじめた状態を「脱灰(だっかい)」と呼びます。
黒い穴が見えるような状態ではなく、見た目には次のような特徴があります。

◆表面が白濁する
◆奥歯の溝が茶色くなる

「CO」の段階では、「歯の変色」が唯一の自覚症状です。
痛みなどの症状は、まったくありません。
患者さんが自分で気づくことは少なく、学校の定期健診などで偶然見つかる例が多いようです。

歯の定期検診を受ける子ども

初期虫歯「CO」の治療方法

「削らなくても治る」と言われている「CO」ですが、どのように治療するのでしょうか?
穴のあいていない「初期虫歯」をどのようにして治すのか、具体的な方法を確認していきましょう。

2-1 ブラッシング指導

歯医者さんによっては、「ブラッシング指導をして様子を見る」という選択をすることがあります。
脱灰しただけなら、自然に治る(または進行が止まる)可能性があるからです。

唾液には、もともと大量のリンやカルシウムが溶けこんでいます。
そのため、溶け出したリンとカルシウムが、自然にエナメル質の中に戻っていくことがあります。
この現象を「再石灰化(さいせっかいか)」と呼びます。

ブラッシング指導で正しいケア方法を覚えれば、再石灰化の確率は高まります。
そこで、すぐには治療せず、正しいケアを指導して再石灰化を期待するのがこのパターンです。

ただし、自然治癒せず、物理的な穴があく場合もあります。
エナメル質に穴があいたら「C1:エナメル質う蝕(うしょく:虫歯のこと)」です。
この段階になると、自然治癒を期待することはできません。
穴が開いた時点ですぐに手を打てるように、定期健診を受診しましょう。

定期的に歯医者さんで診てもらうところまで含めて、「経過観察」です。
そうでなければ、ただの放置になってしまうので、定期健診を忘れないようにしてください。

正しい歯のケアで再石灰化を促す

 

2-2 フッ素塗布

「フッ素塗布」と呼ばれる処置をご存じでしょうか?
歯の表面にフッ素を塗る処置です。

フッ素にはエナメル質を強化して、溶けにくくする作用があります。
つまり、「脱灰しにくくする」ということです。

※正しくはフッ素ではなく、フッ化物を塗ります。多くの場合、「フッ化ナトリウム溶液」を用います。
ただし、一般的には「フッ素を塗る」という言い方をする場合が多いため、記事内ではフッ素と表記します。

同時に、フッ素には「再石灰化を促進する作用」もあります。
初期虫歯が自然治癒・進行停止する確率が上がります。

ちなみに、虫歯が無い歯に対して「予防のためのフッ素塗布」をする事は保険適用外ですが、初期虫歯がある場合は保険適用になります。
保険の診療報酬規定に「フッ化物歯面塗布(エナメル質初期う蝕)」という項目があり、特定の条件を満たしていれば、3か月に1回フッ素を塗る事が出来ます。

2-3 シーラント

「シーラント」は、奥歯の溝に「プラスチック樹脂(レジン)」を充填する処置です。
どちらかというと、「予防処置」として位置づけられています。
虫歯になりやすい「奥歯の溝」をあらかじめ塞(ふさ)いでおく処置です。

実際、シーラントは「CO」の状態にも使われます。
奥歯の溝を埋めて、物理的に穴があかないように予防します。

シーラントに関しても、初期虫歯なら保険適用です。
保険の診療報酬規定に「早期充填処置(シーラント)」が存在します。

ただし、乳歯または幼若永久歯(生えてきたばかりの永久歯)が対象です。
大人の初期虫歯に対して、あまりシーラントはおこないません。

シーラントの仕組み

2-4 PMTC

PMTCとは、歯科医師・歯科衛生士さんが、専用の器具を使ってクリーニングする処置で、日本語で「(専門的)機械的歯面清掃」ともいいます。
PMTCを行う事によって歯の表面が清潔になり、自然治癒の確率が上がる、と考える歯医者さんも多いです。

また、厚生労働省から「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」という認定を受けた歯科医院なら、初期虫歯に対してのPMTCを保険適用にする事ができます。
この認定を受けているかどうかは、一度歯医者さんに確認してみると良いでしょう。

ただし、保険適用内のPMTCは十分な時間をかけて処置ができない事も多く、丁寧なクリーニングを希望する場合は、自由診療のPMTCをおすすめします。

まとめ

エナメル質が溶けはじめたばかりの「脱灰状態」なら、正しい処置を行う事によって悪化を止める、または自然治癒する可能性もあります。
なるべく初期虫歯のうちに治療を始めて、歯を削らずに済むようにしましょう。

もし仮に、「C1:エナメル質う蝕」と診断されても、それほど心配はありません。
C1なら、削るのは表面のエナメル質だけで、痛みを伴わない事も多いです。
痛い治療を避けるには「なるべく初期のうちに治療すること」が大切です。

ぜひ、定期的な歯科検診を受けて、CO・C1のうちに治療を開始しましょう!

監修医矢島昇悟先生の写真

不正確な情報を報告