歯槽膿漏(歯周炎)の治し方って？気になる症状やセルフケアも紹介！

1.歯槽膿漏の初期段階の対処

1-1.歯槽膿漏の症状は？歯周病との関係は？

そもそも歯槽膿漏とは、どんな状態を指すのでしょうか？

歯槽膿漏は、歯周病の状態を指す言葉のひとつです。歯周病には段階によっていくつかの状態があり、歯茎に膿が出ていたり、歯がぐらぐらしたりしている状態のことを主に「歯槽膿漏」と言います。「歯周炎」と同じような意味で使用されることもあります。

歯周病全般に見られる症状としては、口の中のねばつきやブラッシング時の出血、口臭、歯肉の腫れ、歯が長くなったように見えるといったものがあります。こうした症状がいくつか見られる場合には、注意が必要です。

重度の症状になると、歯と歯茎の間の深いところまで細菌が入り込み、歯を支えている「歯槽骨」という骨を溶かしてしまいます。歯がぐらぐらし始めるのはこのためで、最終的には抜歯が必要になるケースもあります。

1-2.歯槽膿漏が起こる原因

前述の通り、歯槽膿漏は歯周病の一症状であるため、基本的には歯周病を引き起こす細菌（歯周病菌）による炎症が原因となっています。

きちんと口腔内を清掃できていなかったり、甘いものをとりすぎたりすると、お口の中には歯垢（プラーク）と呼ばれるねばねばした細菌の塊が付着していきます。これを放置していると、歯周病が悪化し、歯槽膿漏をはじめとした症状を引き起こします。

そのため、歯槽膿漏を防ぐには歯垢をきちんと取り除き、お口の粘つきを抑えることが大切になります。

1-3.歯医者さんに行く必要はある？

歯槽膿漏のような歯槽骨が破壊されるほど歯周病が進行していしまうと、治療によって元に戻すことは難しいとされています。
そのため、そこまで進行する前に歯医者さんで相談することが重要です。

また、歯医者さんでの治療方法は存在しますが、基本的には炎症の進行を食い止める処置を行います。

歯槽膿漏を防ぐためには、日頃の歯磨きといったセルフケアをきちんと行い、歯周病菌の数を減らしたり、新たな炎症を予防したりすることが大切になります。そのため、日頃のセルフケアも大切になります。

2.歯槽膿漏の進行を抑えたい！自宅できるセルフケア

2-1.日頃の歯磨きを確認してみる

歯槽膿漏にならないためには、歯周病の原因になる菌を増やさないことが大切になります。そのため、日頃から歯垢除去を意識してブラッシングすることをおすすめしています。特に歯と歯の間、歯と歯茎の間は歯垢が溜まりやすいです。

歯と歯ぐきの間を磨くときには、歯ブラシを歯ぐきに対して45度の角度であてて、細かく磨いていくとよいでしょう。

歯茎から出血している場合、歯だけを磨くのではなく、歯茎の根元から柔らかいブラシで磨くようにしましょう。血が出ないように、力を入れすぎずマッサージするように磨いていきます。

ブラッシングを怠ると歯周病菌の増殖につながってしまいます。しかし、強く磨きすぎると歯茎を傷つけてしまう恐れがあるため、優しくケアをすることが大切です。

2-2.生活習慣を改善して免疫力を高める

お口の中を清潔にする以外には、生活習慣の改善を改善して免疫力を高めたり、歯周病菌の動きを妨げる働きを持つ唾液の分泌を促したりすることで歯周病になりにくくすることへつなげることができます。

しっかりと睡眠をとることや、適度な運動、なるべくストレスをためないこと、バランスのとれた食事を心がけるほか、煙草を吸う方は禁煙することも免疫力の向上に有効です。

3.歯医者さんでは？歯槽膿漏の対処方法・治療方法

3-1.歯周病の基本治療を行う

歯槽膿漏の予防を歯医者さんで行う場合、基本的には歯周病に関する治療と同様の治療を行います。

歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎のすき間の中の歯石や歯垢をきれいに取り除き、歯周菌を減らす治療などが行われます。
歯医者さんで処置をすることで、日頃のセルフケアだけでは取り除けない部分まできれいにしていくことが可能です。

歯医者さんに行った後もお口の中の良い状態を保つことができれば、症状がほとんど気にならなくなることもあります。

3-2.歯がぐらぐらしないように調整する

ぐらぐらしている歯を使い続けていると負担がかかってしまうため、ぐらつきを抑えるための処置を行うケースもあります。

歯周病治療をしたり、歯を削ってかみ合わせを調整したりしてもぐらつきが改善しない場合には、周囲の健康な歯と接着して固定します。

3-3.重症の場合は外科処置も

重病化した歯周病の場合、基本治療や薬だけでは症状を改善できないこともあります。
こうしたケースでは、歯茎を切開して膿や細菌を取り除くと言った、外科的な処置を行うことになります。前に述べたとおり、歯槽膿漏も歯周病の状態のひとつのため、症状がひどくなった場合には外科処置が必要になることもあります。

歯周病菌によって部分的に歯周組織が溶かされてしまっているときには、特殊な材料を使って再生を促す方法（再生療法）も存在します。
再生療法には、以下のようにいくつかの種類があります。

・エムドゲイン法
歯周病手術時に歯槽骨に薬剤を塗り、再生を促す方法です。保険適用外になります。

・GTR法
歯周組織より先に粘膜が再生しないよう、歯肉と骨の間に人口の膜を入れて、歯根膜や骨などの歯周組織の再生を促す方法です。
メンブレンという膜を使用する場合は保険が適用されます。

ここに載せているほかの再生療法として、自分の骨などを移植する骨移植や他の治療薬を用いた方法などがあります。

これらの治療方法は、歯医者さんによって行っているかどうかが異なるため、まずは歯医者さんにどのような治療方法を取り扱っているか確認することが大切です。

3-4.歯が抜けてしまうとどうなる？

歯槽膿漏が進行したら、歯が抜ける前に早めに処置をすることが大切です。
悪化すると歯槽骨が歯を支えられなくなり、最終的には歯が抜け落ちてしまうこともあります。

歯が抜け落ちてしまった場合は、入れ歯やインプラントといった人工の歯を入れる治療が必要になり、自分の歯を失ってしまうほか費用や治療の期間が長くなってしまいます。

4.まとめ

歯槽膿漏の治し方は、基本的に歯周病へのアプローチに近い対応になります。症状が重くなってからだと、治療が難しい疾患でもあります。歯茎が大きく腫れた状態であれば、既にかなり症状が進行しているかもしれません。歯茎の出血や、冷たいものがしみるなど、小さなことでも異常を感じたら早めに対策をとるのがいいでしょう。

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