虫歯治療もどんどん進化!アメリカで開発されたドックスベストセメントとは


「キーン」という音や麻酔などが嫌いという理由で、歯医者さんが苦手な人は多いですよね。従来の虫歯治療では、虫歯が大きいと、たくさん削って神経を抜く必要がありました。

しかし、歯の神経を抜いてしまうと、歯は脆くなり寿命が縮んでしまうのをご存知ですか?ドックスベストセメント治療なら、あなたの歯をあまり削らずに神経を残したまま治療ができるかもしれません。

この記事では、ドックスベストセメント治療のメリットやデメリットを詳しく説明していきます。

ドックスベストセメントの特長

1-1 アメリカ生まれの治療法

ドックスベストセメントとはアメリカで開発され、1990年代、アメリカの歯科医師Dr.Tim Fraserが、患者さんの口の中に残っていた銅セメントに注目して研究を始め、無害で安全で殺菌力に優れたドックスベストセメントを使った治療を開発しました。

1-2 注目すべきは痛みが少ないこと

ドックスベストセメント治療は、虫歯を削って除去するという従来の虫歯治療とは全く異なります。虫歯を従来のようにすべて削り取るのではなく、ミネラルの力で殺菌するという方法ですので、痛みが少ないことが特長です。そのため、歯医者さんが怖いという人にもおすすめの治療法です。

1-3 健康な歯まで傷つけない

ドリルを使って虫歯を取る一般的な治療の場合、虫歯の部分だけではなく、どうしても健康な歯の部分まで削ってしまうというリスクがありましした。

ドックスベストセメント治療は必要以上に歯を削らないので、従来の治療のように自分の健康な歯質を削りません。削る量が少ないため、従来の治療法より自分の健康な歯を多く残すことができます。

ドックベストセメントにかかる費用

2-1 薬を塗る費用

ドックスベストセメントは保険が適用されないため、自由診療になります。薬を塗る料金と詰め物にかかる料金が別々に発生します。

薬を塗るのにかかる費用の相場は「3000~5000円」程度です。歯医者さんによって異なりますので、まずは治療にかかる金額について歯医者さんに確認することをおすすめします。

2-2 詰め物にかかる費用

ドックスベストセメント充填が終われば、次は詰め物か被せ物をします。こちらも保険適用ではないため、自由診療になります。

詰め物とは部分的に詰めるもののことで、虫歯が比較的小さい場合にのみ適用されます。被せ物はいわゆる銀歯などで型を取って、歯の上から被せるもののことで、虫歯が大きかった場合に適用されます。

料金は詰め物の方が被せ物よりも安くなります。簡単な白い詰め物の相場は「3,000~10,000円」程度で、被せ物は「10,000~40,000円」程度です。被せ物の場合は、銀歯やセラミックなど素材の違いによって大きく変動します。

 

ドックスベストセメントの治療の流れ

3-1 虫歯になったエナメル質を除去

まずレントゲンを撮り虫歯の大きさを確認します。ドックスベストセメントを使用する場合、虫歯に感染した部分を露出させる必要があります。銀歯やプラスチックの詰め物などがある場合はそれを除去します。

また、ドックスベストセメントは歯の噛み合わせの面から詰めていきますので、歯の横側(隣の歯と接している面)から虫歯になっている場合も、噛み合わせの面から削っていきます。虫歯を全て取るのではなく、意図的に虫歯を残します。

3-2 洗浄

残っている虫歯の部分にはプラークなどの汚れが付いているので、パーフェクトぺリオという虫歯菌を殺菌する薬や次亜塩素酸水などを使い、綺麗に洗浄します。

※1 パーフェクトぺリオは口の中の虫歯菌や歯周病菌をほとんど完全に殺菌することができる次亜塩素酸電解水です。体への影響がほとんどなく、虫歯菌や歯周病菌を破裂させて溶かす効果があります

※2 次亜塩素酸水はたんぱく質の融解、除去を行います

3-3 薬を塗る

洗浄した後、ドックスベストセメントの殺菌成分を歯の内部に浸透しやすくする薬液とドックスベストセメントの粉を混ぜ合わせた薬液を塗り、その上からドックスベストセメントで封鎖します。その後ドックスベストセメントは硬化します。

ドックスベストセメントのメリット

4-1 歯をほとんど削らない

ドックベストセメントは一般的な治療のように虫歯を全て削り取るのではなく、ドックベストセメントに含まれる鉄とイオン、銅イオンの殺菌力を使い、虫歯を除去せずに殺菌し、無効化するという治療法です。

そのため、今までの治療のように自分の歯を大きく削ることなく、治療ができます。歯をほとんど削らないため、今までの治療では神経を抜かなければいけなかったような虫歯でも、歯の神経を残すことができます。

歯の神経を抜く治療はとても細かく難しい治療になるので、成功率が100パーセントというわけではありません。また、神経を抜くと歯が割れやすくなるなど、歯の寿命は短くなります。

ドックスベストセメントは歯の神経を取らなくて済むことが多いため、自分の歯の寿命を延ばすことにもつながります。

4-2 麻酔をほぼ使わない

ドックスベストセメントは歯をほとんど削らないので、痛みは少なく、麻酔もほとんど使いません。そのため、歯医者さんが怖いという方や麻酔が苦手な方、子供さんの治療にも最適です。

ただし、痛みの感じ方は個人差があるので、もしドックスベストセメントによる治療でも痛みを感じる場合は麻酔を使うこともあります。

4-3 治療回数を大幅に減らせる

従来の神経を取る治療では、麻酔をして神経を取る、根っこの治療をする、根っこに詰め物をする、土台の型を取る、土台を入れて削り銀歯の型を取る、銀歯をかぶせる、という流れでした。

さらに根っこの治療は1回で終わることはほとんどありませんし、歯の状態により人によっては5回以上治療する場合もあります。スムーズに治療が進んだとしても7、8回ぐらいはかかります。

一方、ドックベストセメントは大幅に治療回数を減らすことができます。基本的に、ドックベストセメントを塗る、プラスチックで詰める、もしくは型取りをし、その後被せ物をする、という流れになります。ですので、2、3回で治療が終わります。

ドックスベストセメントのデメリット

5-1 歯の状態によって成功率に影響がある

ドックスベストセメント治療をしたからといって、必ず神経を抜かないわけではありません。虫歯の状態によっては、この治療法が有効ではない場合もあるのです。

また、痛みが出てしまい、結局歯の神経を抜かなければいけなくなる場合もあります。ただし、これはドックスベストセメントに限った話ではなく、どの治療においても成功率は100パーセントとは言えないのです。

5-2 虫歯菌は完全に除去できない

ドックスベストセメント治療をしたからといって、口腔内から、あるいは治療をした歯から虫歯菌がすべてなくなるということではありません。

ドックスベストセメントで埋めた下の虫歯菌は無効化しますが、その歯の違う部位から虫歯になってしまう可能性はあります。

口の中から完全に虫歯菌をなくすことはできませんので、治療後は特に日頃の歯磨きを丁寧に行うよう心がけましょう。

5-3 痛みがひどいときは治療できない

ドックスベストセメント治療は、歯の痛みがひどい場合や、虫歯がすでに神経に達している場合は行えません。虫歯がすでに神経に達している場合は、保険適用内で行う神経を取る治療を受けることとなります。

そのため、虫歯は放っておかず負担の少ない治療を受けられるうちに早めに歯医者さんへ行きましょう。虫歯の程度が小さいほど治療回数も減りますし、かかる費用も安くなります。

まとめ

歯の神経を抜いてしまうと、歯はもろくなり、寿命が縮んでしまいます。ドックスベストセメント治療を行うことで、麻酔や痛い思いをせずに歯の神経を取らずに済むかもしれません。興味のある方は、取り扱っている歯医者さんに相談してみると良いでしょう。

飯田歯科医院

※2016年11月時点の情報になります。

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