80歳で20本の歯を残す『8020運動』!ずっと自分の歯で噛むために


8020運動

日本は世界でもトップクラスの長寿国です。現在の平均寿命は、女性は86.8歳、男性は80.5歳まで延びています。しかし歯の寿命はどうでしょう。幼い時に、おじいちゃんやおばあちゃんが入れ歯を外しているところを見たことがある人も少なくないでしょう。

「高齢になる=入れ歯」と思った方もいるかもしれなせん。しかし、ケアや予防によって一生歯を残すことができます。ここでは80歳で20本の歯を残す「8020運動」について紹介します。今日からできるセルフケアもありますので、ぜひ参考にしてみてください。

8020運動の現状と海外との比較

1-1 「8020(ハチ・マル・二イ・マル)運動」とは

1989年に当時の厚生省と日本歯科医師会が「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」ということをスローガンに始まった運動です。

「80」は男女の平均寿命を、「20」は硬い食べ物も満足して食べるために必要な歯の本数を表しています。「8020運動」と呼ばれる前は「一生自分の歯で食べよう」という呼びかけが行われていました。

1-2 噛むことのメリット

自分の歯で噛むことは、食べ物を砕きおいしく食べやすくするだけでなく、体や脳へもメリットもあります。

・胃腸の負担を小さくする

唾液が増えることで、消化を助ける

・虫歯、歯周病の予防

唾液が虫歯菌や歯周病菌を洗い流してくれる

・ダイエット効果

満腹中枢が刺激され、満腹感が得られるまでの時間が短縮できる

・小顔効果

硬い食べ物や噛む回数を増やすことで、顔の筋肉が鍛えられる

・脳の活性化、ボケ防止

あごを動かすことで刺激が脳に伝わり、脳の働きを活性化する

・ストレス解消、うつ解消

噛むことでセロトニンの分泌が促され、自律神経のバランスが安定する

・免疫力を高める

唾液に含まれる消化酵素によって胃腸の負担を減らし、体全体のバランスが良くなることで免疫力がアップする。ガンなどの病気予防も期待できる。

1-3 年代別による残存歯数

【35~44歳】

28.1本

【45~54歳】

26.8本

【55~64歳】

23.2本

【65~74歳】

19.3本

【75~84歳】

14.2本

【85歳~】

8.4本

2011年の調査データになります。

参考・参照サイト
http://www.8020zaidan.or.jp/research/world.html

1-4 海外との比較

歯への意識が高いアメリカやヨーロッパでも歯を残す取り組みを続けていますが、その中でもスウェーデンは70歳の残存歯数が「21本」と大きな効果を発揮しています。なぜ多くの歯を残せているのか、日本との違いと合わせて紹介します。

・「予防歯科」という考え方を知っている

スウェーデン・・・59.6%
日本・・・20.9%

・「予防歯科」に取り組んでいる

スウェーデン・・・69.3%
日本・・・26.2%

・歯科医師に対する苦手意識

スウェーデン・・・2.6%
日本・・・14.0%

幼い頃に「歯医者さんが怖いところ」という意識が根付いてしまっているのかもしれません

・歯みがき以外のケア(デンタルフロスやデンタルリンス)への取り組み

スウェーデン・・・68.3%
日本・・・48.7% 

参考・参照サイト
http://clinica.lion.co.jp/yobou/new.htm

スウェーデンも昔から予防歯科への意識が高かったわけではありません。1970年代に国家プロジェクトとして啓発がスタートし、効果が表れ始めています。現在では歯が生える前の0歳からケアを行っています。このような取り組みが功を奏しているようです。

デンタルケア方法の紹介

2-1 セルフケア

・正しい食生活

栄養のバランスを整え砂糖を含む食品を取り過ぎない

・毎食後のブラッシング

磨き残しを減らし正しいブラッシングが大切

・フッ素入り歯磨き粉の使用

ジェルコートFなどがおすすめ

・デンタルフロス、デンタルリンスの使用

歯間ブラシ等を使用し、歯と歯の間も清潔に保つ

・禁煙をする

タバコの害により歯周病が加速

2-2 歯医者さんでのケア方法

・定期歯科健診

虫歯や歯周病が悪化する前に発見、治療する

・フッ素塗布

初期の虫歯を改善、歯を強くする

・シーラント

歯の溝をプラスチック素材で覆うことで磨き残しや虫歯菌の侵襲を防ぐ

・PMTC

資格を持ったスタッフと専門機器による歯のクリーニング

効果が表れ始めている8020運動

3-1 年代別・歯が20本以上ある割合

1993年のデータと2011年のデータを比較すると、年を重ねるほど歯の保有本数が増えているのが分かります。歯への意識と取り組みの効果が表れているようです。

【35~44歳】

1993年・・・94.9%
2011年・・・99.4%

【45~54歳】

1993年・・・82.9%
2011年・・・95.1%

【55~64歳】

1993年・・・58.7%
2011年・・・81.3%

【65~74歳】

1993年・・・28.9%
2011年・・・60.4%

【75~84歳】

1993年・・・10.6%
2011年・・・40.2%

【85歳~】

1993年・・・2.8%
2011年・・・17.0%

参考・参照サイト
http://www.8020zaidan.or.jp/research/world.html

まとめ

食べたいものをおいしく食べられる幸せは、何ものにも代えられません。体も心も満たされ、さらに元気になることも期待できます。いつまでも自身の歯を残すことは健康寿命を延ばすことにもつながります。

体の健康診断や人間ドックを行うように、歯の定期健診や予防処置を行いながら意識を高めることで、自身の歯を残すことができます。食べることの楽しみは年を重ねても味わいたいものです。

これを読んだあとから、早速できることがたくさんあります。ぜひ、始めてみてください。

ごうデンタルクリニック先生

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